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おまけガーデン。  作者: さんまぐ
アートの女神イロドリ。
11/19

完全解決へ。

翌朝、王様がジルツァークに反省の確認をした。

ずっと考えていたジルツァークは「まず千歳と話をさせて」とだけ言った。

その顔に昨日までの邪気と言った感じがない。


「へぇ、だいぶ素直になったね。いいよ。チトセが来るのは10時くらいだろうから数時間待っていなよ」

「待つわ」


そしてそれを見ていた私は出社をして東さんに「アートも呼んでもらってもいい?」と聞くと「もうジョマがやっているよ」と言ってくれた。

ここで神の世界に移動をする。


「ジルツァーク!」

「千歳!」

神の世界に着いた私を見たジルツァークは涙目で「来てくれてありがとう!」と言う横で「ウヒャ!熊さんパンツはオラに挨拶はないの?」と言う覗きの神が気持ち悪すぎたので千歳檻に監禁して空気を抜いておいた。

即座に酸欠になった覗きの神が倒れる。いい気味だ。


「チトセ?なんで君あの中で力を使えるの?」

「へ?」


「あの中は特別な力を使えなくするように作ったつもりなんだけど?」

「試したの?」


「…いや。でもジルツァークも逃亡しなかったし」

「じゃあ失敗したんじゃない?」


「おかしいなぁ…」

王様と黒さんが首を傾げる。


「ほら、そんな事よりジルツァークと話させてよ。アート!アンタもおいで」

「千歳〜」

私に抱きついたアートは「パパに見せて貰ったよ〜。ジルツァークの事とかありがとう!後はハンバーグ美味しかったねぇ〜。今度ミートボールも食べたい!」と言ってきた。

私は「何個?」と聞いたら「パパの年齢くらい?」と笑いながら言う。

私は東さんの年を知らないが100は超えているだろうから「普通に数で言って」と言うと「ちぇっ」と言ってアートが笑う。



「ジルツァークおはよう」

「おはよう!」

「千歳、アートおはよう」


「私から聞くね。エクサイトを神の世界から壊さないでキチンと命に向き合って話し合って欲しいの。出来る?」

「ジルツァーク!ジェイド達と話をして?エクサイトが嫌ならリュウさんにお願いして。エクサイトを壊さないで」

アートが合わせるように言う。


「…千歳、私ね。ずっと千歳の言ってくれた事とか考えたけどまだ良くわからないの…」

「うん」


「でも、それすら…そこから教えてくれないかな?」

「いいよ」


「私の事嫌じゃない?」

「嫌じゃないよ。それに皆も居るよ」


私が手をかざすと皆が笑いながら手を振る。


「あ…」

「ジルツァーク、この前は皆を見てバカにしてって思っていたよね?今はどう?」


「何でだろう思わない。手を振って呼んでくれている風に見えるよ?」

「うん。それはジルツァークが成長出来たんだよ」


「成長?」

「この短時間でジルツァークが変わったの。今ならエクサイトだってより良くなるよ!アート!アートもジルツァークが皆と仲良く出来るようにお手伝い出来るよね?」


「うん!任せてよね!」

「え?アン…アートもやってくれるの?」


「うん!何したい?エクサイトは回復の力とか弱いから治癒神のお姉ちゃんに頼もうか!お姉ちゃん!一緒に考えてくれる?」

「いいわよ。ジルツァーク、遠慮しないで聞いてね」

「本当?」

ジルツァークが目を丸くして夢を見ているような顔で私を見る。


「千歳?」

「どうしたの?本当だよ。皆嫌がらないでしょ?」


「うん」と言って今度は東さんを見て「…創造神…あの花が凄く良い匂いだったの。エクサイトにも咲かせられるかな?」と聞く。


「アマリリスだね?平気だよ。コスモスが綺麗に咲ける世界なんだから大丈夫だよ」

「亜人界の跡地を花で満たすのも素敵ね。私も装飾で手伝わせてね」

「装飾神…いいの?嫌にならない?」

ジルツァークの声は震え気味だ。


「何で?装飾は私の本能だもの。やりたくてたまらないわよ。でも私はまだ未熟だから千歳様の力添えが無いと失敗してしまうかも知れないの…。だからね…千歳様?」

「うん。私も手伝うよ」


「タカドラがサバを気に入ったから放流しようゼーッ!」

「ジルツァーク!サバは大事だ!」

メシの顔をしたタカドラがサバを力説する。


「タカドラ?友情神、頼んでいいの?」

「勿論だゼーッ!」


「千歳…」

「どうしたのジルツァーク?」


「こんなにして貰っていいのかな?」

「良いんだよ。その代わりキチンと命に向き合ってきて。わかっていこう?」


「うん…。皆ありがとう」

ジルツァークはシクシクと泣く。


「王様」

もうここまで言葉が出れば問題ない。

そんな気持ちを込めて王様に声をかける。


「わかったよ。ジルツァーク、出るんだ」

ジルツァークの所だけガラス部屋が開くとジルツァークが外に出る。


そして王様はすぐにガラス小屋を閉じると「時間がかかったのはお前が怠けたからだな。怠けた罰だ」と言ってガラス小屋を水槽にしてしまう。

私は檻を解除していたので水没した覗きの神が突然のことに目を白黒させている。


「王様、覗きの神がもがき苦しんでて景観悪いんだけど」

「そう?」

「気にしなきゃ良くない?」

…この2人は…。


そう言っている間にジルツァークの周りには女性陣が集まっていて同じ女性として地獄の三畳間暮らしを慰めていた。


これで一つ目は終わり。

「ジルツァーク、完全解決の為に付き合ってもらうよ」

「千歳?」


「地球の神様、仕事をして貰うよ」

「わかった。何をすれば良い?」


「まずはメガネを呼んで」

「千歳!?」


「ジルツァーク、一つずつ片付けよう?」



**********



地球の神様に呼ばれたメガネは何事かと広場に来る。

今私達は隠匿神さんの力で隠して貰っていて地球の神様とジルツァークしか認識出来なくなっている。


「はい。来ました。何でしょうか?」

地球の神様に向かって斜に構えた感じで話すメガネ。

本日も実にキモい。


「キモい」

「本当、気持ち悪いよね」

「リリオ、看破の感想は?」

「ありえません。気持ち悪すぎです」

とまあ女性陣は非難轟々だ。



「このジルツァークに頼まれてな。お前が渡したエクサイトが一区切り付いたそうだ」

そう言って地球の神様が下がるとジルツァークが「あなたのくれたエクサイトは無事に500年が過ぎたわ」と言う。


「ジルツァークさん!ご無沙汰してます。私のエクサイトがお役に立てたみたいで良かったです」


コイツ、本当にジルツァークの前だと私になるのか…。

それに内心は欲望丸出しで何言ってんだ?


「キモい…デートの事で頭いっぱいなのに斜に構えて誤魔化してやがる」

「ちぃちゃん?看破してるの?」


「え?」

「千歳は絶賛成長中だからね。つい見てしまって居るね」

「成長中?イィト様?」

「ほら、それは後にして見ましょう?」

ジョマが制止してくれて皆で視線を戻す。



「あなたのエクサイトじゃないわ。私のエクサイトよ」

「え?ああ、そうですね。それで一区切りついたからご飯に行く話ですか?何処にしますか?ビールに特化した酒神がやっているバルなんてどうですか?やはり本物は違いますよね!」


ここでジルツァークが顔を硬らせたがメガネは気づかない。


「一言お礼の他に言いたくて来てもらっただけだから。私、あなたの連絡先も知らないし」

「はあ、そうですね。連絡先の交換ですね!SNSとか知ってますか?今はメールじゃなくて本物のコミュニケーションツールがあってですね!」

いちいち本物って言わないと話せないのコイツ?


「そんな話してない」

「え?」


「私、あなたのせいでエクサイトが滅茶苦茶な事になったのを言いたかったの」

「は?」


「あなたが創造神と装飾神の子供をいじめたせいでエクサイトの事が知られて介入されたの。どうしてくれるの?」


これは私たちが決めた台本に近い打ち合わせに合わせてジルツァークが話している。

こうして話す事でメガネの底の浅さを見てジルツァークに踏ん切りをつけてもらいたい。


「どうって?どうしろって言うんですか?」

「それを考えてって言ってるの」

呆れながら言うジルツァーク。


この瞬間にメガネが本性を表す。

大きくため息をつくと忌々しい顔でジルツァークを見る。


「謝れば良いですか?すいませんでしたね」


なにそれ!?バカにすんな!

私はイライラが止まらない。

真っ赤に光る髪の毛。

「眩しいよちぃちゃん」

「目が痛いぞ千歳」

等と言ったクレームが出るがどうしようもない。「放電しないだけ評価してよ」と言って誤魔化す。



「はぁ?何その言い方?」

「もう謝ったんだから終わりでいいですよね。それじゃあ。そもそもあなたが本物じゃないからこうなっただけで僕に罪はないのにあなたがそう言っているだけですよね?」


何コイツ、謝ったら死ぬの?王様以上に謝ったら死ぬの?


「っ…!」

悔しそうな顔で言葉に詰まるジルツァークは泣いてしまいそうだ。



「はぁぁぁぁっ!?ふざけんじゃないわよクソメガネ!」

「ちぃちゃん!?」

「千歳!?隠匿の力が無効化された!?」



「は?あ…半神半人」

メガネが私を見て嫌そうな顔をする。


「ジルツァークにキチンとケジメをつけさせる為に会わせたけど何その態度!自分のタイミングで1番ダメージの少ないタイミングを狙って謝って済ますんじゃないわよ!そもそもジルツァークが本物かどうかなんてアンタ如きが決めつけるんじゃないわよ!ジルツァークは立派な神よ!」

「千歳…」


「それにアンタがウチのアートを虐めなきゃこんな事にもなってないでしょ!

頭きた!アート!タカドラ!来なさい!」

「え?アートの隠匿まで解けた?」

「私もですかお姉様?」

躊躇して立ち尽くすアートとタカドラを真横に呼びつける。


「アート!ジルツァークの敵だよ!やっちゃうよ!」

「千歳?」

アートがもの凄く驚いた顔で私を見る。


「頭くるでしょ?皆がアートを助けたみたいにアートだってジルツァークを助けるの!こんな奴に本物じゃないとか言わせるな!」

「…うん。ジルツァーク!アートが助けてあげるからね!」


「なんですか?面倒くさい。だるいんですよねそう言うの。子供まで用立てて…」

「このクソメガネ…また面倒くさい?」


どうしてこう苛立たせる言葉ばかりを使えるの?

わざと?わざとなのか



**********



メガネの態度が気に入らなくて怒鳴りつけようとする私をタカドラが止める。


「お待ちくださいお姉様」

「タカドラ…」


止めに入ったタカドラを見たメガネはよりによって「君は誰だったかな?」等とのたまった。


「っ…!?私はあなたにエクサイトの管理…ジルツァークの補助を命ぜられた者です」

「あぁー、そうだね。何?君も文句?謝ればいい?でも君は僕の創り出した存在なんだから謝るのは筋違いだよね?」


「このクソ…」

ブチギレた私をジルツァークが必死になって「千歳待って!」と止める。

次の瞬間タカドラが口を開いた。



「あなたは人の顔を見て話していますか?」

「なに?」


「過去のエクサイトを神の力で見ました。

あなたはジルツァークに蘊蓄を述べていましたがジルツァークは興味のない顔をしていました。

本物と言う度に嫌そうな顔をしていました。

それらを見ていましたか?」

「知らね。謝れば良いの?はいはい。ごめんなさい。

これで良い?それだけなら帰るよ。

こんな話いいねは貰えないし損でしかない」


「それです。

そうやってすぐに面倒がる。

私の名前…覚えていますか?名付けた理由を言えますか?

その名を付けられた私の気持ちを理解できますか?」

タカドラの悲痛な声。

私はタカドラも救いたかった。

その為にこの場を設けた。

アートはタカドラの声から気持ちを察したのか悲しげな声で「リュウさん」とだけ呼ぶ。


「知らね。面倒くさ。

お前の名前なんか知らねえよ。

タカドラなんだからタカドラだろ?

高いところに住むドラゴンなんじゃねぇの?

ドラゴンって名前じゃないんだから感謝して欲しいのに。

何?お前も謝罪要求?」


メガネの最大限侮辱するような顔と目と声。

悲痛なタカドラ。

もう我慢出来ない。…あんまりしていないけど。

そう思ったときジルツァークが動いた。


「面倒くさがって名前をつけないで!

タカドラはエクサイトの為にアンタの命令をキチンと守ってたんだ。

労いの言葉もなくてそんなことばかり言って」

「ジルツァーク…」


「は?それこそさっき私のエクサイトとか言ったのに今度は労え?やだやだ全然良くないですよ。あなたと居ると損しかない。

もう関わらないで下さい。

はぁ〜、もう酒神のバルで気分を直していいねを貰わないと割りに合わない」

懲りずに言い返すメガネにジルツァークもタカドラも言葉に詰まる。

ここは私の出番だ。

もうそれ以外ありえない。


「SNS?いいね?ボロ雑巾になったアンタの写真なんてどう?私はやらないから知らないけどさ、きっとバズってくれるんじゃない?」


「千歳?」

「髪が真っ赤で放電してる」

「それなのに笑顔…」


「またお前?半神半人如きが神に楯突くなって言うん…」

最後まで言わせない。


その瞬間に大爆発でメガネが吹き飛ぶ。

そして着地点に地雷。

また吹き飛ぶ。

それをしばらく続ける。


「ほらアートも爆発だよ」

「えぇ…いいの?」

ドン引きのアートが心配そうに聞いてくる。


「ジルツァークの為にやりなさい」

「うん。えい!」

アートの爆発は着地途中のメガネを更に吹き飛ばす。

だがまだまだ威力が甘い。


「アート、遠慮しないで?

あの攻撃でメガネが沈むわけないよね?反省しないよね?

もしここに千歳が居なかったらメガネが立ち上がってくるよ?

アートはタカドラとジルツァークを守ってくれないの?」

「うぅ…やるよ!神の力!大爆発!!」


一際大きな爆発が起きてアートは肩で息をする。


「ほら、ジルツァークはなんかしないの?アトミック・ショックウェイブは撃てないの?」

「えぇ、ここでやると毒も出るし…」


「王様か黒さんか治癒神のナースお姉さんや先輩お姉さんなら無毒化も出来ると思うよ?」

「えぇ、千歳とアートがやってくれたからいいよ」

ちっ、甘ちゃんだな。

私以上に甘い気がするぞ?


「遠慮深いなぁ。タカドラ、そいつまだ余裕あると思うから頭かじって」

「は?お姉様?」


「やって。タカドラもジルツァークを守って。そんなクソみたいな産みの親を振り切る為にも噛んで」

「…………わかりました」

そういってちょっと前に出るタカドラを心配そうにアートが見つめる。


「リュウさん、お腹壊さないでね?」

「アート、神ならお腹壊さないでしょ」


「あ、そっか…」

「では」


そう言ってタカドラはのそのそと前に出るとメガネの頭を咥えて持ち上げる。


「痛っ…痛たたたた!や!やめ…やめて」

「問答無用だよタカドラ!」


タカドラの口元、メガネの頭からこりっという音が聞こえて「ひぎゃぁぁぁぁ」と言う絶叫の後メガネは静かになった。


「千歳よ、これで私の仕事とは?」

「まだだよ。メガネは連絡先の関係で居てもらっただけ。本番は次だよ。地球の神様、もう1人の創造神崩れを呼んで」


「千歳?」

「何驚いてるのジルツァーク?完全解決だよ!」



**********



もう1人の創造神もすぐに現れた。

私は気になって姿を隠しているジョマと東さんに「アイツはまだ創造神?」と心で聞いた。


「いや、彼はもう殆ど創造を捨てている」

「何かきっかけがあれば創造神に戻るでしょうけど、もうあの男神は決めつける神。批判をする神になっています」

そんな神っているの?変な神だ。


「…それってジルツァークを偽りの神って決めつけたり東さんだからって理由でロクに見もしないで悪く言ったりした事だね」

「そうなるね」

この会話で目の前に居る創造神崩れを辟易しながら見ていると地球の神様に話し始めてきた。



「なんですか?」

「私ではない。この者たちがお前に用があると言っていてな」


創造神崩れは私とジルツァークを見て嫌そうな顔をした。

ちなみにタカドラとアートは居てもいい事がないから隠匿神さんにもう一度隠してもらった。


「はぁ…何?」

「アンタ、この女神の事を覚えてる?」

私が創造神崩れにジルツァークの事を聞く。


「知らね」

覚えてない事もムカつくが言い方がメガネに似ていてムカつく。

あ、メガネといえば王様がウキウキと水槽になっているガラス小屋に放り込んでいた。

水槽の水が赤くなっていたけど知った事ではない。


「アンタが「神なら普通」だって言ってやり方も教えずに創造をさせて批判したんでしょ?」

「ああ、なんかあったな。俺はそう思ったから言っただけで信じたコイツが悪い」

そう言いながら批判の神はジルツァークを指差して笑う。


「アンタ…それにジルツァークを偽りの女神って言ってたらしいけどどうしてそう思ったのよ?」

「は?知らね?俺がそう思ったから言っただけだし違うなら違うって思わないコイツが悪い」

この瞬間ジルツァークがビクついて震える。

悔しさからか悲しさからか震えている。

それだけで創造神崩れに苛立っていく。


「それに横には後輩も居たしアイツも何も言わなかったから俺だけじゃないな」

責任転嫁…。

そうだコイツはメガネと2人で決めつけて考えを肯定してしまうんだった。

ビクつくジルツァークは今にも泣きそうだ。


心の声で「泣くな」と言うとジルツァークが息を飲むのがわかる。


「ほら違うって言うなら何の神か言ってみろよ?言えないだろ?がはははは。じゃあお前は偽りの女神で決定だな!

それにお前だよ半神半人。

本当下らない事に首を突っ込んで俺様を呼びつけやがって。

本当つるんでいる創造神がダメだとこうなるんだよな」

…コイツ…まだ東さんを悪く言うの?

それどころかこの状況下でも東さんの話を出してくるの?


「は?アンタさあ6年前に覗きの神に取り込まれた時に助けてやったのにまだ東さんを悪く言うの?」

「はぁ?ふざけんなよ。そもそもアイツが居なければあんな事にもならなかっただろ?」


「違うでしょ?アンタ達が東さんをつけ狙わなければ覗きの神にやられなかったわよ!」

どうしてこう自分は絶対に間違っていない。全部東さんが悪いって考えになるんだろう?

それに創造神崩れは考えを改める気はない感じだ。らちが明かない。


「いや、違うな。全部アイツが悪…」

「死ね」

私は最後まで言わせずに口の中に小型爆弾をこれでもかと精製して詰め込む。



「もガッ!?」

「それ爆弾。身体を動かしたり口を動かしたら爆発するから」


「千歳、やめるのだ」

「また庇うの?やめないよ。こんな奴死んだ方がいいよ」

10年前を彷彿させるように地球の神様が私を制止する。


「神殺しになるぞ?」

「構わない。東さんとジョマやジルツァークを悪く言う奴は殺す。昔から言ってるよね?」


「千歳、殺したらコイツの力が入ってくるんだよ?やめなよ!」

「ジルツァーク…」

ジルツァークが私の左腕を掴みながら止めてくる。


「コイツが何の根拠もないのに私を偽りの女神と決めつけた事がわかったから十分だよ。ありがとう千歳」

ジルツァークは今の会話の中で創造神崩れが勝手に決めつけてくる事を理解してもういいと言ってくれた。


「いいの?」

「いいよ。私が何の神かは自分で探すよ」

笑顔のジルツァークを見ると私はジルツァークの考えを受け入れたくなる。

だがやはり創造神崩れは許せない。


「優しいなぁジルツァークは。じゃあ威力変更。頭が吹き飛ぶ威力から…爆発!」

その瞬間創造神崩れの口は爆発を起こす。

口中から血を流して悶え苦しむ。

私はその姿を見下ろしながら少しだけ溜飲が下がる。


「歯を全部吹き飛ばしてやったから当分お粥でも食べて過ごしなよ。神なんだから再生するよね?」


満足そうな私を見て地球の神様が声をかけてくる。

「…それで私の仕事というのは?」

「もうわかってるよね?きっと神の世界にはジルツァークみたいにコイツらみたいな神に勝手に決めつけられて信じてしまった神が居ると思う。

ううん。

きっと居るよね。

地球の神様なら把握しているよね?

通達を出してよ。

自分が何の神かよくわからない、決めつけられた事に違和感を覚えた神は地球の神様を頼るように通達を出してよ」

これが次の完全解決だ。

地球の神様は少し困った顔をした後に満足そうな顔になった後で「…ふぅ、大変だな」と言った。



**********



「別に正解を与えてなんて言ってないでしょ?違っていたら違うとだけ言ってあげて欲しいの。それなら良いでしょ?」

これなら悪くない。対価もなくやれると思う。


「対価…は求められないな。わかった。それでは私はこの場を去ろう。長居しても良くないからな」

「うん。ありがとう」


「いや、感謝するぞ千歳よ。ジルツァーク、いつも言っているがいつでも頼りなさい」

「ありがとう。でも私には千歳達が居てくれるから当分は頼らないと思う」

それを聞いた地球の神様は本当に嬉しそうな顔をして去っていった。



訳だが。



こんな大事な話をしている時も隠匿神さんの力を覚えて作った光の剣を飛ばして創造神崩れに突き立てたり切りつけたりしている王様と黒さんがいる。

隠匿の力が働いているので何も見えない。



「ちょっと、やめなさいよ」

私は呆れながら言うが王様たちは「何言ってんの?」と言う顔をしている。


「絶対コイツは仕返しとか狙ってるから完膚なきまで叩きのめさないと」

「そうだよ。ジルツァークみたいな決めつけられて心に傷を負った神の恨みを僕たちが晴らすんだ」


「やりたいだけじゃないの?」と返す私に向かって「そんな事はないよ!」「酷いなチトセは」と言って舌の根も乾かないうちから「そう言えばさジルツァーク。亜人王ってまた作れない?あれ中々だよね」「もっと本気で強い敵を作れない?作れるよね?作ったら僕を君の世界に招いて戦わせてよ」等とほざきよった。


「王様?黒さん?」

「なんだいチトセ?」

「自衛の為だよ!強い敵がガーデンに攻め込んでも対処できるようにしているんだよ?」


「嘘だよね?自覚ある?戦闘狂になりつつあるからね?この前も同時進行がバレるとリーンさんに怒られるって言っていたけど王様も黒さんも人から離れてる自覚が無いんだよ」

「ええぇぇぇ?」

「それはチトセの思い込み…」


「はいだめー。神如き力キャンセラー発動」

「あ!僕の光の剣が!」

「あ!ガラスの小屋が!」

私が神如き力キャンセラーを発動させると王様と黒さんの力が無効化されてガラス小屋と光の剣は消える。


「ふん。少しは反省しなさい」

私がそう言って怒っているとテッドが「チィト、視覚神と2人の創造神崩れはどうするのだ?」と聞いてくる。


「あー、まあ気絶してるから隠匿神さんの力で認識不能にして貰ってから瞬間移動で覗きの神の家に送りつけとこうか?」


それを聞いた東さんが「じゃあそれは僕がやるから千歳はジルツァークと先に進むと良いよ」と言ってくれた。

私はありがとうと言ってジルツァークを見る。


「ジルツァーク、エクサイトに戻る準備はいい?」

「うん。キチンとジェイド達と話してくるよ」

ジルツァークが清々しい顔で私を見てそう言ってくれた。

ジルツァークは救われたと思う。

後はエクサイトだ。


「あ、その事だけど急にジルツァークが素直になると皆不完全燃焼でモヤモヤしちゃうから役作りしよう」

「え?」


「役作り、設定だよ。ジルツァークは上手でしょ?ジョマ!装飾神として一緒に考えて!」

「はい!喜んで!」

ジョマがニコニコ顔で現れると一緒に設定を決めた。


戻されたジルツァークは少しだけ意地になっている事。

ジェイド達の共存も最終的には受け入れるけど最初はゴネる事。

戦闘になったら付き合ってあげる事。

後は女神の威厳を失わない為にもキチンと女神として振る舞う事。

そんな事が決定した。


王様と黒さんは反省していると言うので話し合いの最中は正座させておいたらジルツァークが「千歳って1番怖いの?」と聞いてきた。

「そんな事ないよ」と言うのだが周りは「そうだよ」「それなのにジルツァークが胸の事を言うからこんな目に遭うんだよ」「この群れのリーダーはチィトだ」等などと普段から皆が私をどう思っているのかよーくわかるコメントが殺到した。


「そうだ。向こうではテキトーにそれらしく話して、全部言う必要なんて無いからね。タカドラもだよ」

「うん」

「はい。わかりました」


「よし、それじゃあ私達が見守っているからやり切っておいでよ!」

「うん。ありがとう千歳。

ありがとうアート。

ありがとう皆。

行ってきます」


こうしてジルツァークはエクサイトに帰った。

ボロボロになったジルツァークが戻った所でタカドラには時間を進めさせた。



**********



うまいなー。

ジルツァークは演技派女神だと思う。

まあ500年も繁栄と平和の女神ジルツァークとしていたし夜は争いと残虐の女神モビトゥーイをしていた演技力は中々のものだ。


エクサイトに帰ったジルツァークは尻餅をつきながら登場し、服はボロボロ、髪はボサボサ、そして涙目と何とも哀れで見ていられない感じになっている。まあこれは私達が実際に付けた傷だから作り物では無い。


直感でジェイドは何かを悟ったのだろう。

普段通り「お帰りジル」と声をかけている。

ジルツァークもジェイドの声に敵意がない事に気付いて嬉しそうにしながらも見抜かれないように演技を続ける。


「何なのよ!メガネに関わったせいでエクサイトがあのお騒がせの神々に目をつけられて介入されるし!今も散々な目に遭うし!

なんとか仕返しにあの神の世界に入ろうとすれば5つとも防衛の神が作る世界並に厳重で小石一つ投げ込めなかった!」

きっと今の涙目は本当に辛かったんだと思う。


「俺たちの体感では10分だったがジルはどれだけの目に遭ったんだ?」とジェイドが嬉しそうに聞く。


「はぁ?4日よ4日!丸4日!!

出会い頭に文句つけたら爆破されて、あいつらの世界に仕返ししようとすれば斬り刻まれて、斬り刻まれて、斬り刻まれて、斬られて、斬り刻まれて、変態と同じ部屋に神の力を封じられたまま入れられて!散々な目に遭ったわよ!」


あはは、あった事を全部話すんだ。

これは映像を見ている皆で笑ってしまう。

確かにテッドに斬られて黒さん、ツネノリ、お父さんにビリンさんとこれでもかと切り刻まれたしその後で覗きの神と同じ部屋に入れられた事を伝える。



「そうか。大変だったな。それで何か言われなかったか?」

「ジェイドの裏切り者!あんな奴らに取り込まれて私を騙すし!

なんかタカドラまで生きて居るし!アンタ達の加護ってもう私じゃなくてタカドラの加護になっているじゃない!

言われたわよ!きちんと向き合ってこいって、神の力で世界の外側からズルするなって言われたわよ。ズルしなきゃ今以上の介入はしないで傍観するって約束されてきたわよ!」


さすがは演技派女神。

アドリブがうまいなぁ。

後ろでジョマが嬉しそうにワクワクしながら「千歳様!私ジルツァークが好きになりました!あのアドリブ力なら装飾が思う存分出来そうです!」と言う。


「よかったね。これもアートのお陰だね」

「はい!」


そして話は進んでいく。


「そうだな。ジルから脅迫のネタを全て奪い取って話し合いをしたかったからな。

ジルがエクサイトを見捨ててもタカドラが神になるからエクサイトは滅びない。

俺たちの加護を解いて死ぬぞと脅してきてもタカドラの加護があるから俺達は問題ない。

亜人共の命を使って脅迫しようにも全ての亜人は消し飛ばした。

これで話し合いができるな」

ジェイドが清々しい顔で言う。

本当に辛かっただろうな。


「アート、良かったね。ジェイドは辛かっただろうけと報われたよ」

「うん。嬉しいよぉ」

アートがニコニコしている。


そしてジルツァークは予定通りにすぐに受け入れずに提案を拒む。

「嫌よ!何で話し合うのよ!何で私のエクサイトなのにそんな決定を受け入れなきゃダメなのよ!」

さすがは演技派だ。髪を振り乱して拒否をする姿は本心にしか見えない。と言うかこの状況を楽しんでいる風に見える。


「そうか」とジェイドは一歩踏み出すと「ふんっ」と言って聖棍エルでジルツァークの頭を思い切り殴る。


「わ!?ジェイドが殴った!!?」

「わぁ、あれは痛い奴だ」

殴られたジルツァークを見てアートと私だけではなく皆が慌てる。


ゴツっと言う音と共に吹き飛んだジルツァークは「痛っ!?何するのよ!?」と涙目になる。



「話し合いが進まないからな。

戦うしかあるまい。

セレスト、ミリオン、構えろ。

相手は女神ジルツァークだ。

本気で挑め」

そう来たか。

頑張れジルツァーク。


「ええぇぇぇ、話し合い…」

「無理だ」


「仮にも女神様…」

「なんだ?男神なら良くて女神は嫌とか言うのか?」


このやり取りで3人の勇者は覚悟を決める。



「じ…ジェイド!よくも殴ったわね!」

「ジル、かかってこい!」

ジェイドはニカっと笑うと構えをとった。


「ジェイド嬉しそうだよ千歳」

「うん。やり過ぎなきゃ良いけどね」


演技派女神の演技だと思いたいのだが「人間が舐めんじゃないわよ!」と叫んだジルツァークが拳を光らせてジェイドに殴りかかる。


あれは電気なのだろう。

「がぁっ!?」と言ってジェイドが苦しむがすぐに回復して「ふんっ!」と言ってジルツァークの頭を殴打すると「痛っ!!」と言って左手で頭を押さえてジェイドを睨む。


だが次の瞬間にはお互いの傷は治っていてまた殴り合う。

そのやり取りが何回も続く。


「ジェイドは相当ストレスが溜まっていたんだね」

「チトセの言う通り発散させてあげて正解だね」

王様と黒さんが納得の行った顔をしている。


この状況を打破する為にジェイドが動く。

「セレスト!援護だ!早く動け!粗末な男が!」

「何!?僕はグローバルスタンダードだ!」

そう言いながらセレストが刃を飛ばすとジルツァークと一緒にジェイドにも当たる。

2人とも楽しげに「よく狙え下手くそ!」

「私に当てるんじゃないわよ!お粗末君が!」と悪態をつく。


「どいつもこいつも!僕はグローバルスタンダードで周りがクソデカいだけだ!!」


「チトセ、チトセってセレストの気持ちわかるの?」

「黒さん?セクハラって知ってる?神如き力キャンセラーしてからフナルナの僻地に送り込むわよ?」

黒さんを注意すると戦神が「私を巻き込むな千歳!」と慌てている。

まあ、王様と黒さんを送り込まれたら迷惑だよね。


こんなやりとりの中でもジェイド達は止まらない。

「ミリオン!お前は年長者ぶるならさっさと攻撃をしろ!率先して動け!!」

「何よ!こんな時ばかり年長者って言って!言うこと聞く気なんか元からないじゃない!ランダムサンダー!」

ミリオンの魔法で地下なのに暗雲が生まれて勢いよく雷が降り注ぐ。


「お前達、俺は仲間だろ!無差別攻撃をするな!俺まで巻き込むな!」

「どうせ不死身なんだから我慢しなさい!」


「いいなあれ。テツイに見せて再現させよう」

「…王様?本当に神如き力を止める日とか作ろうか?なんかリーンさんの心配する気持ちがわかるよ」


「なんなのよアンタ達は!私は産みの親なのよ!女神なのよ!」

「なら子供の不始末は親の責任だな。ジル!俺達の育て方を間違えたんじゃないのか!?」

そう言いながらジェイドの一層強い一撃がジルツァークに入る。


「ぐぅっ…。さっきからガンガン殴ってきてムカつく!私はか弱い女の子なのよ!」

ジルツァークが平手でジェイドの頭を掴むと掌が光って爆発を起こす。


「戦闘もやれるなんてジルツァークは何の神なんだろうね。チトセは聞いているんだろ?」

「うん。でも私は言ってはいけないと思ってるんだよね」

「そうだね。これは今度ジルツァークがわかったら教えて貰うのを楽しみに待とうね」



「か弱い癖に亜人王並の攻撃力だなジル!」

ジルツァークは狙いをミリオンに狙いを切り替えるとアイスランスを撃ち出す。

ジェイドは見事に反応をしてミリオンの盾になる。


「ジェイド!」

「俺はお前達の盾だ。ジルを倒すぞ!ミリオン!メルトボルケーノだ!」


おい…マジか?

嘘だろ?

大魔法まで使うのかよ?



**********



ジェイドがミリオンにメルトボルケーノの大魔法を指定した。

それもこれも演技派女神ジルツァークの演技力が半端なかった結果だろう。

だがここまで激化すると思っていなかった私達は大慌てだ。


「どうする千歳!?」

アートが真っ青になって驚いている。

メルトボルケーノは見たことがないがかつてのジェイドの発言や今のジルツァークの慌てようを見ればとんでもない威力なのは嫌でもわかる。


「どうするもジルツァークに任せるしかないよ!」

ジルツァークも大魔法を使われるなんて思って居なかったので慌てて止めようとする。


「はぁ?ここでメルトボルケーノ?ジェイド!こんな場所で大魔法なんて使わないでよ!」

「知らん。セレスト!前進してジルに回避の隙を与えるな!」


「わかっている!ジルツァーク様ももう諦めてください!」

「諦めて何になるのよ!」


本来欲しいのはこの会話だ。

これで共存や他にジェイドの願う事を引き出して完全解決に導きたかった。


「1からやり直せばいい!」

「だから!それをしようとしたら拒否したのはジェイドでしょ!」

演技派女神が熱くなっているのが良くわかる。

これは良くないな。


「意味を履き違えるからだ!俺は今ある命を消してやり直せなんて言っていない!」

「意味わかんない!」


「くそっ、セレスト!ジルに追いつかせるな!剣速を引き上げろ!」

「やっている!ジルツァーク様が凄いんだ!」


ジルツァークは手のひらを光らせながらセレストの物凄い剣撃の全てをいなし続けていく。


「なら亜人王と同じだ!俺が右!お前は左だ!エル!リミッターカットするぞ!」

ジェイドは肉体の損壊を無視して聖棍を鞭のように使って振り回しセレストも負けじと剣を振るう。


「遠慮くらいしなさいよ!」

「誰がするか!父さんと母さん!グリアの民!そしてエルムの恨みを喰らえ!」


その時ミリオンの用意が終わってしまった。


「ジェイド、発動可能よ!」

「よし、撃て!」


「だから!やめなさいよ!こんな地下であんな魔法使ったらアンタ達が死ぬわよ!」

「構わん!ここでジルを止めるぞ!ミリオン!撃て!」

ジェイドはジルツァークを羽交い絞めにするとミリオンに指示を出す。


「メルトボルケーノ!」

ミリオンの大魔法は部屋の中心で巻き上がる業火が天井を溶かしながら燃え広がる。


捨身の攻撃?

まさかあのジェイドがセレスト達を巻き添えにするの?

一瞬そう思ったが違って居た。

ジェイドはヘルケヴィーオに教わった魔法の中にあった「転移」の魔法を使いセレストとミリオンを階段に飛ばす。

そして2人が居なくなったことを確認してから階段をエア・ウォールで塞ぐ。


「ジェイド、良くやる。流石にこの火力は熱い。私は死なないないけど大怪我を負う」

正直適当な所で介入してしまおうかと思ったのだが人の世界に介入は好ましくない。

悩んでいるとジェイドが神の世界にいるタカドラに声をかける。


「タカドラ!俺は亜人殺しの責任を取る!加護を外せ!」


「「「ジェイド!?」」」

それは私とアートとジルツァークだった。

3人の声がハモる。


「タカドラ!」

私がタカドラを見るとタカドラは「ダメだジェイド!そんな事が許されるはずがない!」と言っている。


「良いから外せ!後はセレストとミリオンの加護も外すか外に逃せ!今のままだとエア・ウォールを破りかねない!奴らはここで死んで良い人間じゃない!

死ぬのは俺とジルで十分だ!!」


「ジェイド?死ぬの?何で?」

アートがその言葉に混乱している。


「タカドラ!最低限まで加護を弱めて!ここは話を合わせなさい!」

ジョマがタカドラに指示を出す。


ジルツァークも必死になって「ジェイド、離れなさい!やめなさい!」とジェイドを止める。

だがジェイドに止まる気はない。

それを察したジルツァークが行動をした。


「タカドラ!後は赤毛の女神!他の神々も見ているなら誰でもいいから加護外しはやめて!ジェイドを死なせないで!ジェイドは死んでいい人間じゃない!!」


「あれがジルツァークの本気の顔と声。あれだけ真っ直ぐに人間を見れる女神ならうまくいくよ。タカドラ、ジョマの言う通り加護を最低限まで引き下げるんだ。

後はセレストとミリオンを地上に退避だ。やれるね?」

東さんの言葉でタカドラがジェイドに流れる加護を弱めてセレスト達を逃すと「がぁっ!?」とジェイドが苦しみながら両腕をメインに全身から血が流しながらジルツァークを羽交い絞めにしたまま倒れ込む。


「ジル…、命を消さずに1からやり直せばいい。

この火で死んだ事にしてエクサイトはタカドラに任せてジルは別の世界を作ってもいい。

だがこれだけは覚えてくれ命を無駄にしてはダメだ…」

倒れ込みながらジェイドはジルツァークにそう言って意識を失った。

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