ハイドロイド
1
外在に要するすべての時間を私にくれ――千足分の飢餓をくれ。可能性を確かめたいのだ。世界標準時は一切閉じられた「主権国家」だと思う。十を切り万を売れ。気に入った相手ならどれでもよいのだ。撞着は可笑しな禿鷹だ。湖の色を私はすべて理解している。──ところで一つの夢想を禿鷹は思い出させてくれる。一つの剥き出しの戯画だ。
──外在は空元気なり。
人を集めて夜を呼び寄せるべきだ。
君は自分が何者かよく思い知っている・・・過誤だ。
この島国で回復してみろ。──「返信は無、適時の迷信。」然らばすなわち飢餓だ。飢餓しかない・・・存在は可能性を呼び起こしておくれ。1+2+3+10──蟠りの塊だから。すべて今回の「在る」についてのレポートなのだ。君は理解しろ。
──さあ、猛牛たち、迷信を致そうではないか・・・。
2
もうすぐ力のすべてが手に入るのだ。──アブラカダブラ?違う、血の雨だ。問題は所与にある。どこまでも所与のお話なのだ。完璧な音色に沿っている──誰にも聞こえはしないものだ。君の手は宇宙に化ける。そして私の手ではないのだ。懸念は二つある・・・──おっと、そんなこと書くんじゃない。君は私の最期を見たいのかも知れないからだ。世迷言を口にするな。
──罫線の上辺に沿え。
世迷言を散らして下さるだろうよ。
さて、君が世迷言なら・・・どうしような?
ニッカーボッカーズを穿いた男を見つけた。──さて、殴りかかろうではないか。用意はいいかね?グーでやるのだ。世迷言を散らしたまえ。――君は女神かね?君・・・後ろ姿の・・・というところで、誰かは間違いに気づいたようだ。──全く情けというやつは・・・、
──ところで君、靴下を穿き直せ。それでは入らないのだ・・・。
3
「括弧」つきの依頼がある。狙いは寡婦のようである。事実として会社勤めである。全くの「素人」であり同業者だ。冷却水を要する・・・間柄は深いのだ。――張り切りたまえ。泣きつきたまえ。汚らわしい電話は鳴れ。・・・──モシ、モシ・・・モシ、モシ、モシ・・・──深い意味はないのだろうよ。──うら若い労働者よ、よく聴きたまえ。
──時勢に叛逆したまえ。
しかしなあ、君、
そのスープは美味いぞ・・・汚らわしいと思わないのか?
それでだ・・・おっと、もうこんな時間ではないか。しかし会社?カンパニー・・・?それは何だい?通念として君たちは山師だ。会社勤め?へえ・・・それで世迷言はどうするのだ?君の理だ。年増には用がないだって?向こうに用があるかも知れないではないか・・・?
──それでだ、殺すのだろうな、君は・・・?
4
パブで蛆虫を百匹ほど飼うことにする。教壇で鞭打たれる格好だ。よいではないか。しかしそのグラスに入っている生き物は何だろうな?平穏な暮らしをしてみたいだって?恒久の粛清?そして蛆虫が湧いて湧いて湧いて・・・・・・──バン!・・・──バン!──テーブルの隅で仕留めて見せよう。覚悟はいいかい?──そして淀んだ海と空とが・・・。
──へっ、へっ、へっ、
二人でエレベーターに乗るんだなあ・・・。
ゲーム機というやつはなあ・・・。
銀行強盗というのはあれかね?銀幕のスターのように勘違いされることがあるのだろうかね?──どこかの国ではな。それだから経費を山積みにしておきたまえ。無茶苦茶な戯画というものはしかし、よく生き永らえるものだな・・・。素直になろう・・・な?
──しかし生きられないとは苦しいことだな・・・──ジーザスのように?
5
暗黒色の蜜を呑み干す思いがする・・・──「ハイ、ジョニー。」──「ハイ、バニー。」ここはアメリカなのか?蛆虫の掃除で忙しかったのでよく分からなかった。彼女は誰だっただろうか?果たしてここはパブなのだろう・・・チキンを焼いたものが置かれてある。「取扱注意」というやつで、屈折して歪曲され・・・とにかくそういう生き物である。平らげればよいはずだ・・・。
──ところでどうかね?
全くカネではないだろうかね?
しかしまあ・・・陛下は大事にしておいたほうがよいと思う。
差し当たり用意しておかなければならないものは何か?──棺桶だ。巧くは言えないが肌に馴染むところだ。借金の塊にもなれそうだ。哀しいではないか、プロメテウス・・・先は愉しみだったのにな。今では君は「ヘロイン」に浸かり、姿はすっかりマントヒヒ・・・どうしようもない。
──さて、始めよう・・・屍を越えよう。
6
風景というのはよく分からないものだ。ゴキブリが二匹排水溝へ入って行った。煙草を咥えた老人が歩いて行った。私は棒立ちだった。余計なことは何もしたくなかった。彼女のことを考えて、考えるのをやめにしようと思う。──彼女は人間だ。それでしかし陸橋というのは素晴らしい物語だ。物を運んでいるぞ。右から左、左から右へだ。
──鉄兜を被りたまえ。
チュートン人になれる。
君たちには全く似合わない・・・な?
そこでお話は「永遠」に戻る。ラザロはねえ・・・ロヨラはなあ・・・すべて外国人だ。お祈りを捧げてみよう。そんな日は来ないからだ。原始人ではないのか?宗教の荊は懐かしむためにある。「構造的」にそうなってしまっている。ニュートンが創始者だ。
──ない時にあれ、屍・・・君は未熟だった。
7
ケツ・・・癌、遺伝子は「絶対精神」の趣きであって、ルソーよりはるかに低いところに私たちはいる。癌・・・ケツ、いや少しばかり待て。タバコという下らない兵器を吸いたまえ。公職選挙法違反──酷い雨だ。血の雨はしかしこのナイフより滴るに相違ない──私はかぶりはしないのだよ・・・警察官、君たちの新しい名前は君。しかしひん曲がるぞ・・・ロヨラはなあ・・・。
──そこで君、
感慨深い思惑の中、
宗教には逃避できない──なあ、ロヨラ。
だから言わんこっちゃない。宗教は屍なのだ。とにかく寒い・・・私たちはな。しかしあの悲惨な京劇たちを観ろ。いつから中国人は京劇になれるようになった?私たちの憎悪の対象でなかった月日はどれほどだろう・・・見知るまでは、気の遠くなるほどの・・・。
──それでキャンティを買えばいい。理由がつくのだ・・・。
8
狂おしい・・・言葉が出ない。キャンティはクラシコで特別で上級、私の妾は可哀想だという。しくじるな、しくじルナヨ・・・必ず仕留めるのだ。あの汚らわしい阿婆擦れの売女・・・しかしなあ、君はいつからインド人になった?クンダリニーが暴れている・・・責任は腸にあるのだ。下らない誘惑に現を抜かして・・・そして責任は完全に私にあるのだ。ボブ・マーリー・・・誰だそれは?
──一貫性がない。
君・・・どこにいるのだ?
背徳の奥深く・・・君、君の居場所だ。
責任は果たされなければならない。あの売女のおかげでわが家は崩壊した・・・あの売女のおかげ?あの売女・・・あの売女はしかしどこにだっている・・・壁紙の裏側にも?・・・ふむ、鷹揚。そして殺し屋は組み合わせている・・・あの世とこの世、石ころが二つ、愛が一つ、殺し屋が一人・・・。
──いいか?これは悲劇なのだよ。夫人はいなくなったのだ・・・。
9
階段の手前、鼠が生きている・・・チュウチュウ・・・チュウチュウチュウ・・・私はいい加減な島国だ。もっと仕事に励まなければならない。かの有名な女山師、ミヒャエル・サッチャー氏も言っているではないか?――自由なのだよ。貧困線は引き上がらない。われわれはキリスト教徒にはならないのだ。――ファクト、ファクトは私を蝕め。私は私――バン!
――聾唖者、
責任感と虫よ、
せめてお前の女を感じ取れ。
私の中の責任、私の中の虫、責任・・・それは「変化」を望んでいる。中東は過誤の吹き溜まりとなった。われわれは行方不明だが、案外これでよいのだ。――行方、そのようなものは吹き飛んでしまえ。私は責任を紙に書いて、それはどこかへ行ってしまった・・・。
――後ろ、左、右、後ろ・・・。
10
私は崩壊などしていない。私は統合失調症気味・・・?ふむ、そうとも言う。「国民性」というのはしかし君、ひどく初心な概念ではないか?――私は私だ――するとまた蛆虫が!――バン!バン!バン!私は壁をぶっ叩いてやった。この壁はベルリンの壁というやつか?それはどこにでもあるし、どこにもない。――神・・・お前が私の病でなくて何だ?
――後ろめたい?
私の神、
私の君・・・。
ワインは彼の血だ。私はいつでもカソリックだったし、これからもずっとそうだろう。私は気狂いの類ではなかった。私は正気だったのだ。覚悟を以て言おう――それは充分に可笑しなことさ。実存主義者が一体、何だって?狂気の中で正気を保つ?
そしてカソリックは孤児になる・・・。
11
大変な過誤があるから言っておく――ハイデガーは狂人ではない――しかし狂人になる。それは不可避だからだ。少なくとも彼がそう思うからである。必然の闇を生きて、判断という神を克服し得ない・・・私たちには責任感があるのだ。私たちは無責任ではいられない。確率など呑むわけにはいかない。それは汚いことであり、醜いことでさえある。
――さて、狂信者、
お前が酒なら、
お前の血は誰が飲むのだ?
ナザレのイエスは酒神だったか?見棄てられた男で異邦人・・・彼はさて、私生児だったのだろうか?生活が順風満帆で宗教に奔るわけがない。――勢いが――ついて・・・そしてどうなった?彼はクライストになった。しかし彼は神ではなかった・・・誰が、どうした?
その答えはこれから分かるだろう・・・。
12
つまり君、殺人はいつも神学的なものだよ。われわれはいつも騎士道を生きている。われわれはつまりナザレのイエスになるのだ。要するにこれは贖罪であり、それ以外の何物でもない。われわれは罪を働いたのであり、従ってそれは贖われなければならない。われわれは浄化される――間違いなく、浄化されるのだ・・・分かるかね。私がワインを飲むなら、さて、浄化は近い・・・。
――そうだ、これは必然だ。
私は神であり、
そして自らを贖うのだ。
――分かるかね?これは何一つ異常なことではない。これこそまさに規範に則った事柄であり、私そのものだ。私は私になるのであり、そして蛆虫が――バン!――それはどうしてだ?私の中に何か躊躇があるのだろうか?もう少し幻覚が必要・・・。
そして私の意志は何であろう・・・?
13
それはつまり難しいお話かも知れない。神が真理でないなら、人間の意志がそうなのだろうか?神はそして単なる虚偽か?虚偽が私の上辺であり、私の神学は嘘の塊で、私は要するに火の塊で、要するに火の塊とは何だ?うら若い思春期は過ぎ去ってよい。結論が大事であり、教会と同様で、要するに私はカソリックの色魔だからだ。天空神が何とやら・・・。
――ブラックでホワイトだ、
俺たちは俺たちだ。
パンク・ロック?それは王族のことだ。
それで俺は何が気に入らない?俺は一体、何なのだ?一体お前は誰だ?俺がお前でお前・・・?そうではないだろう。俺はお前だ。そして俺は俺だ。俺はお前を殺すし、お前は俺だ。俺は俺だし、お前はお前だ。お前はお前で、お前は俺だ。
だから言ってるだろう?神なんだよ・・・。
14
神がこうするように命じている。その豚のような女は義しくて愛され、そして罪であり、俺たちだ。俺たちの自由は外在していない――神だけが自由であり、それだけが外在している。安直にそれは夢なのだが、要するに俺たちが遊牧民だからそうなのだ。――歴史?そのようなものは何でもよい。俺たちが正気に戻ればそれは狂気なのだし、その逆もまた同様だ。
――俺たちがヘブライ人?
違う、俺たちは遊牧民だ。
俺たちは遊牧民で、それだから破壊だ。
それで俺たちは原始的で野蛮な猿だが同時に高貴、権力がこの謂れだ。――間違いなく俺たちは猿で猿、俺たちは絶えず模倣をしている。ナザレのイエスになる日は来る。リチャード獅子心になる日も来る。チャールズ一世にだって俺にはなれる。
俺は実際、何にでもなれる・・・俺は立派な祭司だからだ。
15
漸く俺は気づいたんだが、要するに法悦は美しい響きだった。それはやはり快楽だし、それはやはり認められてよいかと思う。明らかに俺は気違いの住処に住んでいて、あいつらのように振る舞わなければならない。俺は超然としていられないし、社会主義者ではないし、要するに俺は俺なのだろう。俺にはもうよく分からない。要するに俺は模倣から生まれたわけだが・・・。
――それで人間がどこにいるかって?
決まっている。
聖書の中だ。
俺はあいつのことなんか何も知らない。あいつが伝説になり、こういう世界を作ったか?そしてあいつがやたらと増えた。あいつらは結局、どこにもいないし、それでよいのだろう。恐ろしく不思議な世界であり、要するに俺はそれを観ている・・・。
さて、あの豚はどうなるんだ?
16
ぶりしゃりと――なあ君、そんなことはどうでもよいだろう。私は私――バン!――蛆虫め・・・理解力が足りていない。畜類は農奴だって?そして支配者はケンタウロス?そうでなかったら、さてやはり神なのだ。あの連中はまだ生きている。そして5秒前と6秒前、私を分かち合え。あの女はどうしているだろう?どこにでもいるさ、女などというものはな。
――それで祭司は女だって?
巧妙なストイズム?
それこそまさに女だって?
私がつまり絵であるとして、私はつまり彼女なのだろう。私は彼女を模倣していたが、いつかは私の心となって、しかし待て・・・彼女も同様のことをしていたらどうする?防衛的な模倣戦略?そしてわれわれとは一体、何だ。鼻で笑って去ろうか、ニヒリスト・・・?
――そうだ、お前こそ真の人間かも知れない。
17
躊躇して、前を向き、キャンティを一口――来る。振り返れば鷲、もっと幻覚をよこせ。あのような女はどこにもいない。いや、ひょっとして私もいない。すべては夢であり、それだけのお話だ。あの女が私を売って、私をカネにしようとしたが、しかしそれが一体、何だというのか・・・蛆虫、どこに湧いている?高等批評をしてくれ。ナザレのイエスはどこにいた?
――私はつまりアジア人種だ。
私は遊牧民で砂漠の民、
捨鉢で自棄で自画自賛。
アジアの深い懐、幾何学の届かないその辺り、辺りは空と草原、純粋にアーリア的なもの?純粋にアーリア的な図式主義・・・そして何がどうなったのか?――仏教徒?儒教徒?あらゆる猿で祭司、あの連中はどこから来た?あの連中はユーラシアを渡り、新大陸まで席巻している。
すべてはケンタウロスの病、そして俺たちは何をしている・・・?
18
もういいだろう。思春期の遊びは終わりだ。物語としては判然としない。あの気違いの猿まがいの豚がどうなろうが、俺の知ったことではない。しかし法悦があの快楽の豚を染めて、そればかりを追い求めさせるのなら、いや正気などというものが一体、何の価値もないもので、あの連中はあの連中らしく気違いの猿で、それだけが唯一の生き甲斐だったなら・・・?
――それでプラトンはどこにでもいて、
ロマン主義の人形、
お前らもどこにでもいる。
俺たちは確かに批評を熟したに違いない。しかし一歩二歩間違えればすぐ快楽のどん底に落ちていく。汚いものは綺麗になるし、醜いものは美しくなる。あらゆるギーク、あらゆる祭司、お前らが現世を美しくしたか?・・・いや、醜くした、恐ろしくな。
お前ら最悪最低の反価値、それこそが至高の価値、絶対・・・。
19
明らかにもうすべてはどうでもよい。あの女は誰かを殺すのだろう。感傷主義の病、ドグマティズムは、人間をあのような妖怪にしたが、あれこそが人間らしさで、同時に動物・・・いや寧ろ動物なのだ。すべてのものが逆さまになった。あの猿どもが支配者だった。あの猿どもはイデオロギーのため、アイデンティティのために自殺する。猿どもは絶対的だ。
――さて、アジア、
お前の見納めをしよう。
お前はもう草原には帰れないし。
すべてはパラドクスだが、すべては順調だった。俺の友だちは結局、どこにもいなかった。あいつはあいつを殺すし、そのようにして一つになる・・・そしてすべてが満足であり、戦慄を要する何か、気違いどもの様子を鑑みて、エリック・サティがどうの?すべての未熟児がどこかへ去る。
すべての図式がどこかへ消える。すべてあいつらはいなくなる・・・。
20
それでもうやめにしよう。今さっき見たあいつはカソリックなんだろう?それで俺はそうではないから、それが要するに結論なのだ。昔見たあいつがあいつ?そんなことはない。あいつが右向いて左、俺たちが左向いて右、あいつはとてもいい奴だった。よく分からない騎士さまはしかし死んだ。――ナンシーが誰だったかって?俺たちには責任感なんてないだろう・・・?
――それがあの女のことだ。
あの女はどこにでもいて、
すべては万物流転。
大体、猿が女で女が猿で、あいつらは要するに奴隷――それが一体、何だって?俺はお前じゃないんだから、お前はあっちへ行け。お前が勝手にやってることで、俺はお前に関係しない。男と女は恋愛するな。よく分からない生き物になる・・・そうだ、そうだろう?
そしてロマンスは終わり。そして俺は、酒を飲んでいる・・・――。