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《詩》紫の光

作者: 楠木凜

さび付いたビニール傘に

雨が当たる不規則で無機質な音


子供の頃は楽しくて仕方なかったのに

今では鬱陶しい水溜り


商店街はシャッターを下ろし

買い物客を拒絶する


雨から守ってくれるはずのアーケードは

破れ、ひしゃげて、汚れている



あたりに漂う

ショーウィンドウに忘れ去られた仏具のような空気



車道の反対側を

誰かが通り過ぎる


スマホをひたすらに見つめ

こちらに気付く素振りもない


微かに音漏れしたやけに楽しそうな音楽が

シャッターに反射して聞こえてくるだけ



道路のくぼみに写る暗澹たる雨天を

次から次へと壊す波紋



でも、私には分かる

これが空の本音じゃないことぐらい


晴れて生き物を楽しませたい

本当は、そう思ってる



神様に言われて、しぶしぶ雨を降らせているだけなんだ


だからこそ、紫陽花はこんなにも美しい


空のお詫びのしるしだから

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― 新着の感想 ―
[良い点] 梅雨のうっとうしさが鮮やかなイメージとして 伝わってくる、 美しい詩だと思いました。 [一言] 僕の小説も感想くださいね。
2019/09/23 14:28 退会済み
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