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あこがれ

作者: 阿部つくも

☆診断メーカーのお題で書きました。

阿部つくもさんには「海に向かって叫ぶ夢を見た」で始まり、「これから何かが始まる予感がした」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字程度)でお願いします。

#書き出しと終わり

https://shindanmaker.com/801664

ーーー

 

 海に向かって叫ぶ夢を見て、ぼくは目覚めた。

 叫んだ内容は覚えていないが、ぼくは確かに海に入って波と一体になっていた。

 ぼくはベッドから体を起こしてため息をつくと、デスクに手を伸ばし特殊なゴーグルで目と耳を覆った。透明なポップアップのコンテンツをタップする。

 いつものようにVRで浜辺に立って海を見つめ、押し寄せる波の音に聞き入った。

 ふたり暮しの母はぼくの海への憧れを快く思わなかった。だが、ぼくは体が弱く家から外に出られない。求めに応じてしぶしぶ色んな海のコンテンツを与えてくれた。

 ある時、VRの海から老女が現れると近づいてきて、ぼくの顔を覗き込んだ。

 ところどころ歯の抜けた大きな口が笑った。

「部屋から外へ出てご覧。海に入れるよ」

 ぼくの胸は高鳴り、ゴーグルをはぎ取ると壁に刻まれた絵のような窓に飛びついて、力いっぱい押して開けた。何度もVRで見た海がそこにあった。

 ぼくは興奮して窓を乗りこえ初めて部屋の外に出ると、砂浜に直接足をつけた。胸いっぱいに潮の香りを吸い込んで、憧れの海へゆっくり向かった。

 自分が陸に上がった人魚の末裔で、海に入ると泡になることを知らなかった。

 波が足を舐めようとする。

 これから何かが始まる予感がした。

お読み下さり、ありがとうございました。

よかったら、ほかの作品も読んでくださいね。

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