第2話
10話の投稿が終わるまではハイペースでいきます。
そのあとは3日に1話・・・いけたらいいなぁ~くらいのペースになります。
まぁ、12話までは書き終わってるし、100話くらいまでは流れも決めてあるし書く時間さえあれば大丈夫だろ(フラグ)
カイ君が仕切り始めてから2時間くらい経っただろうか。
アホ共にはある程度決定権を与え、議論させる。
その間にこっちはやりたいことを明確にし、誘導できるように策を考えた。
その結果、多少の問題はあるものの、自由を手にすることに成功した。
「さて、我らのクラン名だが・・・color zooに決定だ」
よっしーが高らかに宣言する。
正直に言うとださい。
けど、他のものに比べるとかなりマシだ。
「アッキーとカイ君の名前に因んだいい名前だろ?」
「・・・やっぱり俺らの名前か」
「知ってた」
アッキーと呼ばれている俺は、ゲームをするときに「白狐」という名前を使っている。
そして、カイ君は「黒猫」だ。
そう、色+動物が名前になっている。
他の3人は違う名前を使っているのに何故か今回は俺たちに合わせてきた。
「じゃあ、リーダーである俺から発表するぞ?俺の名前は「虹鳥」で職業は剣士のみだ」
「え?剣士のみ?サブは?生産職は?」
「男なら、剣1本で全てを解決せねばならぬのだ」
・・・まぁ、うん。
下手に何かやろうとするよりはマシだろ。
「んじゃ、次はミッチー」
「ほいさっ、俺は「赤象」で弓と魔法で戦うぜ」
「一応聞くけどどっちがメイン?」
「ん?弓だな。ほら、俺一応弓道部だったじゃん?大会で入賞したこともあるし、いけるだろ」
そう、こいつはアホだけど何故か弓の成績はいい。
弓に興味ないから詳しくは知らないけど、大きな大会で何度も入賞してるらしい。
このアホは、好きな女の子と一緒にいたいとの理由で弓道場に通い、その子が才能ないから辞めると言って辞めた時に一緒に引退した。
「まぁ、動く的を狙ったことないけどいけるっしょ。んじゃ、次はろー君」
「あいよっ、俺の名前は「灰虎」だ。かっこいいだろ?もちろん、ロマンを求めて魔法使いだ」
「名前負けしてない?大丈夫?」
「負けないくらいの主砲になってやるよ」
「・・・え?てか、待って?お前ら3人生産職なしでやるの?」
「うん」「当然だろ?」「なんでそんなめんどくさいものを好き好んでやらなきゃいけないの?」
こいつらは・・・。
わかってたことだけどさ、少しくらいはやろうよ。
「・・・一応聞くけどさ、一応ね?このゲームでは、戦闘職がメインとサブの2つ、更に生産職が3つ選べるって知ってるよね?」
「知ってる。けど、そんなちまちま作るのは性に合わん」
「そもそも芸術とか技術の成績悪かったし?自分のセンスのなさは自覚してる」
「ロマンを求めるためには犠牲は付きものだ」
犠牲になったものはお前を恨んでいるぞ?
「で?アッキー達は?」
「あー・・・名前はいつも通り「白狐」で、職業が銃使いと魔法使いだ。生産系が錬金術師、鍛冶師、料理人の3つを選択した」
「優柔不断だな、一つに絞れよ」
「一つに絞ったらお前ら自力で全部なんとかしなくちゃいけないけど大丈夫か?」
「さっすがアッキー、頼もしいぜ」
さっすがアホ、ちょろいぜ。
初めてやるVRだぞ?普通の人生を送ってたらやれないことをメインにしたいと思うのが普通だろ。
物を作ったり弄ったりするのと料理が趣味なんだが・・・、色々と悩んだ。
現実でやれない錬金術は必須、鍛冶師なんてのもやれないから必須。
最後の枠は木工と料理、そして絶対に必要な商人で悩んだ。
商人はカイ君が選ぶから排除、どちらが現実に無い物を作れるかを考えた結果、料理に決定した。
だって現実にない食材とかあったら色々試してみたいじゃん?
「それでいいのか・・・。んんっ、じゃあ俺だな。こっちもいつも通り「黒猫」で職業は剣士と魔法使い。で、生産系が錬金術師と鍛冶師、最後に商人だな」
「結構被ってんな。あと、商人って何すんの?」
「まぁ、そこまで種類があるわけじゃないからしょうがないだろ。商人は取引を行う際に必要な能力を持ってるんだよ。逆に言えば商人を持ってない人同士だとサメトレができる」
「うっわ、クソじゃん」
「だから俺が商人取ったんじゃねーか。感謝しろ」
「あざーっす」
まったく心がこもっていない、クソみたいな感謝の言葉を聞く。
コンビニの店員ですらもう少しマシだぞ?
ちなみに、俺たち全員の戦闘職業はバランスいいのは偶然じゃない。
最初に俺が、
「前衛2中衛1後衛2のバランスいいパーティにしよう」
と、提案したからだ。
ろー君をこっちに抱きこみ、簡単に押し通すことが出来た。
全員剣士や全員魔法使いとかは絶対に嫌だからな。
「これで全員の発表が終わったな。まだなんかある?」
「あ、はい」
俺が手を挙げる。
いや、手を挙げてまでアピールする必要はないけど、一応無視されないためにね?
「ほいアッキー」
「俺から2つほどある」
「2つ?なんぞ?」
「1つ目が、名前についてだ。本名だろうとアッキーだろうと、白狐以外を連想させる名前を呼んだ瞬間に俺はお前らを見捨てる」
「流石にそれはねーわ」
「そこのアホは前科があるぞ?」
「流石に2度目はねーわ」
「俺の分も合わせると2度目がありえてるな」
「大変申し訳ありませんでした」
知らない人達とプレイしてるなかで、人の本名を晒すとかマジでやめてほしい。
もし、そうなった場合のことを想定して、先に釘を刺しておく。
・・・多少は効果があるといいな。
「まぁ、あれだな。ミッチー以外は特に気にしなくていいだろ」
「気を付けます・・・」
「俺もほぼミッチーピンポで言ってるかな。で、2つ目が、序盤の動きだ」
「序盤?なんかあるの?」
「や、俺リアルで銃撃ったことないからさ、一人で訓練したいんだよ」
「普通は撃ったことないだろうな。あ、てか俺も剣握ったことすらないわ」
「だろ?まぁ、近接組と魔法は実戦あるのみかもしれないけどさ、俺は弾薬消費するわけじゃん?最初から実戦ってのはなんかなぁ・・・って感じなんよ」
「まぁ・・・うん。わからなくはないかな?俺は賛成してもいいぞ?」
リーダーのよっしーが賛成の意見を出してくれた。
あとはカイ君への根回しが完了している以上、序盤は自由に動ける。
「あ、俺もアッキーと一緒。剣も魔法も使ったことないからさ、序盤は練習してある程度戦えるようになってから一緒に行きたい」
「カイ君は剣士じゃん。魔法の練習なんているの?」
「・・・お前はミッチーか?俺は死に戻りとか嫌だから色々練習したいって言ってんの」
「俺をアホの代名詞にするのやめてくれる?」
「確かにな・・・。あれか、死に戻りとかなんか怖いし俺も最初は練習しようかな・・・」
おっと、よっしーの考えがまずい方向に向かってる。
これはちょっと阻止しなければ。
「それもいいと思うぞ?ただ、あれな?一緒に練習は嫌だぞ?お前らに当てて文句言われるのはめんどくさい」
「あー・・・こっちも同じく一緒は嫌だな。剣を学び終わった後に魔法もやらなきゃいけないのに、冒険いくぞとか言われてもうざいだけだし」
「お前らって何気にひどいよね」
「だって事実じゃん」
「それな」
「はー、キレそー」
「まだキレてないからセーフだな。で、だ。序盤は一人でシコシコ練習させろって意見賛成か?」
若干納得していない顔をしているものの、意見を認められた。
最初・・・ではなく、序盤と言っていたのも意味がある。
のんびり楽しみたいのにアホ共に連れまわされるのは嫌だからな。
ある程度目指す方向性が決まるまではあいつらは放置だ。
これで多少の面倒事が見えているものの、自由が確定した。
ゲームの発売が楽しみだ。