始動
『ベニアとアカは一緒に連れてこれないの?』
地上へと足を進めながらノースがアスナに問いかける。
ノースはベニアと交わした約束を忘れていないようだ。
「ん?
あぁ、あの実験動物のことか。
もう奴らは用済みだからな、欲しいなら後で組織に送ってやろう」
アスナは見知らぬ名前を聞いて一瞬戸惑うが、すぐにノース達を助けたゴリラの親子の話だと理解したようだ。
『ホント!?
ありがとう!!』
アスナの言葉を聞いてノースは笑顔になり、アスナに感謝を伝えた。
「ついに地上に着いた、、!」
それから数分アスナの後ろを着きながら歩いていくと、ようやく一階に辿り着いた。
一階に続く階段は従業員専用の扉を隔てた先に作られており、人気は無かった。
{泣くのは早いわよナリア、そういうのは外に出れてから流すものよ}
感動の余り涙を流すナリアを横目にアインが励ますが、アイン自身も涙目になっている。
「お前達を病院の表に出す訳には行かないから裏口から外に出てもらうぞ。
既に車は手配しているからそれに乗って組織まで行く手筈だ」
アスナは病院の表に繋がる従業員入り口とは反対側の扉に足を運び、扉を開けていく。
外は明るく、扉の空いていく隙間から徐々に太陽光が差し込んでくる。
『外だぁ!!
皆出られるよ!』
[ここまで長かったようで短かったな]
【ホッホ、まぁ一日も経っていないからのぉ】
{これから警察を相手にしないといけないのね、、
あたしとしては複雑だわ、、}
「俺のジャーナリズムの血が騒いでるぜ」
〈じ、自分は今日変わったんだ!
もう前の弱虫な自分じゃない!〉
《こんだけの非日常がこの世界にあるなんて、、
ワクワクが止まらないよ!》
アスナが扉を全開にすると、全員の前に外の景色が広がっていく。
「さぁ行きましょう。
私達の二度目の人生のスタートです!」
アオイの言葉を合図に全員が外へと足を踏み出す。
それを見ることなくアスナは振り返り地下への階段へと歩き出す。
アオイ達を見送るつもりは無いようだ。
全員は外に出れた嬉しさで涙を流しながら抱き合い、喜びあった。
見た目は全員同じ。
しかし、アオイ以外の人物の中身は全く違う魂が入っている。
そんな異質な8人はついに研究所から脱出する事ができたのだった。
第一章 研究所脱出編 完
物語は一旦完結です。
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