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第駟幕 転倒な昇天

この話には残酷・・・というよりは痛い描写があります。

苦手な方はご注意下さい。

永遠ってどんな先輩?

「いい先輩っすね。ただよくわからない人でもありますね。真面目なんですけど基本的にやる気が無いですし、文句が多いのにしっかりと仕事をこなす。矛盾してっるてゆーか、あやふやってやつっすかね?。まあ、でもやっぱいい先輩ですよ。


目付きが恐いって一点を除けばっすけどね。」









◆◆◆





暗転


衝撃


激痛


動転


鈍痛



「がはっ!!」

グシャリと潰れるような音に掻き消された自分の呻きで意識が戻る。

戻るということは意識を失っていたということ。

意識を失う程の‐何か‐に遭遇したということだ。

でも正直に言おう、何でもいい、とにかく何でもいいから痛い。

痛すぎる。

全身くまなく激痛だ。


痛い痛い痛い

熱い熱いはつい

はついってなんだよ。

ちくしょう。痛みで思考が追い付かなねーじゃねーか。

ちくしょう。なんで公園の地面と友達にならなきゃいけねーんだよ。なんで倒れなきゃいけねーんだよ。

トラックにでも撥ねられたか?、まさか、公園の中だぞ?。んじゃなんだよって痛てーー。

なんでもいいから痛てーよ。誰か助けてくれ!。

「何故一般人がいる?」

あ?

「結界はどうしタ?」

誰だ?。

「問題ないが・・・。」

問題大アリだろうが!。何冷静に話してやがんだよ。助けてくれ!。

「‐奴‐の眷属カ?」

高校二年生だよ!。てゆーかお前ら一瞬見えた二人だろ!。

「違うと思う。」

違わないと思う。つーか痛い。両腕と左手が滅茶苦茶や痛い。首を動かすと痛いから確認できないけど絶対にヤバイことなってる痛みだってこれは。

「それはないだろウ。だが厄介なのは確かダ。」

もうなんでもいいから救急車を呼んでくれ。

「確かに、死体は厄介だ。」

生きてるよっ!

「あ゛ぁ゛、が。」

言葉が出なぁぁい!

「!。生きてるゾ?」

気づいた!?。気づいたのなら救急車を!

「事実だな。」

事実だよっ!だから消防車を!?

「運がいイ。オマエの攻撃を受けて生きているとはナ。」

運が悪いよ!。って、攻撃ぃぃ?。なんだ!?、お前らが俺をこんな状態にさせたのか!?

水晶のスーツ男か?、黒人の山伏か?、どっちが俺に一撃を与えやがった!?

「巻き込むつもりは無かったのだが。」

てか、さっきから聞こえる会話って例の二人組なのか!?

「うかつだったナ。よもや‐奴‐との間に入り込んでくるとハ。」

声だけで姿が見えねーし。

「しかも、‐奴‐を閉じ込めた結界の時間ぎりぎりにな。」

やばい・・・足先の感覚が無い。

「直撃か・・・。意識はあるようだが。」


ああ、ちくしょう、この態勢と位置じゃ見えねー。立ってって

「---ぁ!!っ」

痛てー。いたたたた。足が・・・足が動かないぞこれっ!?。どうなってんだ!?

「だが、時間の問題だろう。助からん。」


助からんって、諦めるなよっ!。いや、諦めてもいいから救急車を呼んでくれ。

「!!、‐奴‐が動きだしたゾ!」

俺は動いてないぞ。

なんだ?、なんかいるのか?

痛ーー。首を動かすだけでとんでもねーくらい痛い!!。空しか見えねー。

星すらない夜空しか見えねー。

真っ暗だ。


「流石は腐っても霊獣か。準備不足の現状では限界があるな。」

俺もそろそろ限界っぽい。なんか痛みが無くなってきた。

これは冗談じゃなくヤバイんじゃないか?

「仕方ないナ。一旦退こウ。」

だからせめて救急車を・・・。

「あの男はどうする?」

助けて・・。

お前らはアレか?車で当て逃げするタイプなのか?

「後で供養してやろウ。今は置いとケ。」

置いとけ!?

死体遺棄か!?

まだ生きてるけどよっ!


「!!、ちぃー、回復が速いぞっ!急げ!」


俺は快復する見込みがないぞ!。


「ーーーではナ少年、いヤ青年。来世で会おウ。」




もし、


もし来世会うことがあったら、・・・。


呪ってやる。

いや、直接ぶん殴ってやる。




「ーーーー」

「ーーーー」


待てって!

「が、ぁ゛、ぁ゛!」

声が出ねー!。


「ぁぁぁ・・・。」


・・・


・・・


・・・



呼吸が辛い。


「ひゅー・・・ひゅ・・ぁ゛ぁ゛」

俺の息ってこんなに荒かったか?

そしてこんなに苦しかったか?



「‐‐‐」



静かだな。


話し声が聞こえない。


本当に俺をほっといて帰りやがったのかよ・・・。





あ‐‐‐。

痛い。

痛いが寒い。

寒いが痛い。

ちくしょう。このまま死ぬのか?

まてまて、それはないだろう。そんな簡単に人は死なないって。

「が、あ゛ぁ゛ぁ゛」

でもこれはヤバイなぁ。マジであの二人が帰ったなら助けがこないから本当に死んじまう。

せめて誰かに連絡を、


って、そうだ携帯!!

携帯電話があるじゃねーか。いくら動転してたとはいえ何で忘れちまうんだろう!?。

たしか左のポケットに入ってって

「あがぁ゛」

痛てーー!!。なんでこんなに少しでも動くと痛いんだよ!。

「あ゛ぁ゛」

痛い痛い痛い痛い痛い。

何だ何だ何だ何だ何だ。

いったい俺の左手はどうなってんだ!。

くそっ、骨でも折れたのか。痛!、っよ、あがっ。イテテテ、こ、これで左手が見えるはず・・・


「ぁ」


無い。




えっ?、無い?



いやいやいやいや、



もう一度確認だ。


すっげー痛いけど確認だ。

視界が霞むけど確認だ。

凍える程寒いけど確認だ。


あっせーの!


「ぁぁ゛!」


無い。


やっぱり無い。

手首から先が無い。

ひ、ひ、左手が無い。


あ゛あ゛あ゛あ゛、どうして無いんだよっ!

俺の左手!

血が、血がドクドク出てる手首の先はどこいった。

「‐‐‐ぁー‐‐」

ちくしょう!、痛いし、寒いし、視界は霞むし!

あいつら、

俺を見捨てた二人め、

せめて左手ぐらい拾ってくれよ!




‐ざっ‐



‐ざっ、とし、とっ‐


足音?


‐ざっ、ざっ、さく、っざっ‐


足音!


しかも近づいて来てる。


た、助かったー。

てゆーか助けてー。


「ーーーー。」

ちくしょう、もう声が出ねーや。助けも求めれねーよ。


‐すたすた、すた‐


あ〜、痛みももう無いや。

とりあえず寒い。

寒くないけど寒いよ。


‐すた。‐


耳元で止まったってことは、見下ろされてるのか?

この状況で助けてくれないってことは・・・こいつも普通の奴じゃないのか?

ちくしょう、ついてねーなー。


『      』


誰だか知らないけど遅すぎです。

もう身体が動かねーよ。

いきなり力が抜けてきたし・・・。

ああ、俺はこんなとこで死ぬのかな。

誰に殺されたのか・・・いや、何にあったのか、何に出会ったのか、誰に出合ったのかも分からないまま、知らないまま、知ることもできないまま死ぬのかな。

『   ?   』


ああ、もう耳も聞こえない。

ああ、もう霞んで何も見えない。


『 ?  !  ? 』


だめだ思考もできない。

どんどん、どんどん、力が・・・何かが身体から抜けてく・・・って血かぁ・・・。

こりゃ死ぬなぁー。

死んだら、死んだら浮遊霊にでもなって漂ってみたいなー。映画をタダ見して、世界中に行ってみたいな。ああでもその前に日向と亜岳に言わなきゃな。

お前らが噂してた二人組の不審者は血も涙も無い、車で人を轢いたらそのまま逃げるタイプだってな。


『        』


ああ、もうダメっぽいなぁ。


『?』


最後に、さいごに見てみようか、俺のさいごをみとる人を

霞んでいるけど輪郭ぐらいは・・・。


「 ぁ  ぉ゛ 」


犬?

でかいなぁ。

猿?

でもないなぁ。

虎?

つばさはないだろう。

鷹?

四本足っぽいし。

人?

絶対ない。

じゃあ・・・なんだろう?


「ぁ・・・。」


『 !? 』


だれだこれつーか、なんだこれ?


『 』


ぁぁ、おれのさいごをみとるのはわけのわからないやつか・・・


『?』


それもまあ、いいや。

それでも・・・いい。

とうとつすぎるし、こうかいもあるけど、おもいのこしだらけだけど。


いい、 



いい‐じんせい‐だった・・・よな?。



『  ?  』


「あり・・が・・・と・・・・・ぅ。」

ございました。

父さん母さんお祖母さん、弟、みなさん。


『 !!  !? ! ! !? ??   ?!  !? !! 』 



・・・・・・・・


・・・・・・


・・・・


・・











◆◆◆










なあ兄貴。


なんだ?


兄貴は明日死ぬとしたら、

どうする?


唐突だな随分。


死ぬのはいつだって唐突だろ?


まあ、な。


んで、明日死ぬととしたら、殺されるとしたら何をするんだい兄貴?


あ〜〜。そうだな、死ぬとしたら・・・どうするかと聞かれれば、どうもしないと答えるしかないな。


どうもしない? 


ああ、明日までしかなと時間が無さ過ぎてどうすることもできないからな。


ほほう、現実的だね。


ああ、でも。


でも?


‐何‐をするかと尋ねられたらこう答える。





「死ぬまで生き抜いてやる。」 










陳謝

一応この話でプロローグ的なものは終了です。次回からようやく本格始動します。

コメントや感想がありましたら送って頂けると嬉しいです。

それでは失礼しました。

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