小説家、誕生!?
『私、中川めぐみ。16歳の高校一年生。好きなものは可愛いもの、特に猫がモチーフになっている小物が大好き(ハート)』
設定は最近流行りの、乙女ゲーム転生もので、悪役令嬢に転生して、ヒロインから『ざまぁ』される……。いや、『逆ざまぁ』の方が面白いのか?
攻略対象は、王子と、公爵家の次男と、あとは適当でいいや。
あ、主人公の転生したあとの名前決めなきゃ。王子と王太子ってどう違うんだ?公爵と侯爵、どっちが格上?
魔法って使えた方が便利そうだけど、魔法の属性とかワケわかんない。チートって何?起承転結、何それ?美味しいの?
だああああああ!もう、ヤバい。意味不明。
小説を読むのが好きで、最近になってWeb小説なるものを知った私は、『自分も書いてみようかな』なんて軽い気持ちで、執筆を始めたのだが……。
とにかく、語彙力が無さすぎることに気づいてしまった。
他の方の小説を読むと、『うわぁ、この表現いいなぁ』って思ったり、『こんな難しい言葉があるんだなぁ』って感心することしきり。
本を読むことに関しては、人の倍以上のスピードで読めるのに、表現することは下手くそという、救いようがない小説家がたった今、誕生した。
まず、小説を書くに当たっての起承転結がなく、主人公がブレまくる。こんな小説誰が読むんだよ?って思う。
それでも、一度書き始めたものを宙ぶらりんにはしておけない(しておけば恥をかかなくてよいものを)。
主人公の『中川めぐみ』をどう動かそうか思案の真っ最中である。設定もさることながら、肝心のプロットさえできずにいきなり書き始めて、面白い小説ができるのか?いや、できない。
義務教育プラス普通高校卒業で培った国語力は、あまりにも心許ないものであった。