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第九話 「闇の森」

こんにちは、白野斬夜です

文章がなかなか思い付かず、お待たせしてすいません

文章力をもっと鍛えなければ……

「「ご主人様!クエストに行きましょう!(行くのです!)」」

「おおふ……いきなりだね」

朝目覚めるとベットの両端に登った狼獣人姉妹のステレオボイスを浴びせられる

「弓も直ったので、早くご主人様のお役に立ちたいのです!」

うーん、朝から気合十分だなぁ……頼もしいことこの上ない

「まぁとりあえずはご飯を食べてからね」

「「はーい」」


――――――――――――――――――――――――


宿屋での朝食と出かける準備を手早く終わらせ、二人に引っ張られるようにギルド教会へとやってきた

今日も冒険者がひしめき合っている

「人が多いのではぐれないようにしてくださいねアーちゃん」

「了解なのです」

実は何回か俺とここではぐれて困ったことになったことがあるローリエちゃんがアニスちゃんに忠告する

経験者は語る……か

「さてと……」

とりあえずDランクの討伐クエストを見てみるか……

「トロル……オーク……流石にEランクよりも強そうなモンスター討伐が多いな…」

「あ、これなんてどうですかご主人様!」

ローリエちゃんが依頼書を一枚取って渡してくる

「行商人の馬車を襲うリザードマン3体の討伐……か、確かにトロルとかに比べれば弱そうだね」

「では決まりなのです!」

とここでクエストの場所が目に入る

闇の森(ダークフォレスト)……結構遠いし危険って噂の場所だねこれ……」

「そうなんですか?」

「うん、なんでも夜みたいに暗い森なんだとか、それにここから行くと着く頃には夕方頃になるからさらに暗いだろうね」

そう言いながら依頼書を掲示板に戻そうとすると、アニスちゃんが服の裾をクイクイッと引っ張ってきた

「暗いだけなのです?」

「え、うん」

「なら問題ないのです!」

自信満々で宣言するアニスちゃん

「むしろ好都合ですよご主人様」

「え?好都合ってどういう……」

「行けばわかるのです!」

う、うーん……二人がここまで自信満々にグイグイ来るなんて……

大丈夫……なのかな……?


――――――――――――――――――――――――


結局俺は二人の押しに負けて闇の森(ダークフォレスト)の入り口までやってきた

噂通り森の中は暗く、まさに闇…と言う感じだ

「あたりもだいぶ暗くなってきたな……」

「ささっとやっつけちゃいましょう!」

「なのです!」

やる気満々だな……ってあれ?

「アニスちゃんその上着は?」

いつのまにかアニスちゃんが黒いフード付きの上着を来ているのに気づく

「ふふふ、これが私の戦闘服なのです」

「戦闘服?もしかしてそれで闇に紛れるっていうこと?」

「正解ですご主人様!実はアーちゃんは暗いところでの戦いが得意……」

「二人とも伏せるのです!」

急に叫ぶアニスちゃんに驚きながらも言う通り伏せる

シュン!

数秒前まで頭のあった場所を風切り音を鳴らしながら矢が通過した

「危なかった……よく来るってわかったねアニスちゃん」

「弓を構えたリザードマンが見えたのです」

「え、見えたって……」

俺には暗い森の影しか見えないけど……

「細かいところは姉上から聞いてください、第二射がくる前に行ってくるのです」

そう言いながらアニスちゃんは上着のフードを被り、弓と矢を持って森へと入っていった

「あ、アニスちゃん!一人じゃ危ないよ!」

慌てて追いかける

しかし素早くローリエちゃんに腕を掴まれた

「ご主人様!ここはアーちゃんに任した方がいいです」

「だ、大丈夫なの?」

「はい!今からそれを説明します!実はですね、アーちゃんの目は………」


――――――――――――――――――――――――


闇の森(ダークフォレスト)の中

三匹のリザードマンが何やら話している

「ギャ、ギャウ?(仕留めたか?)」

「ギャウギャ(いや、避けられた)」

「ギャギャギャルル(あの距離でか、珍しいな)」

「ギャギャルルギャウンギャ(なんだかこちらのことが見えてるように思えた)」

「ギャンギャウンギャルルギャウン(バカな、俺たちでも慣れるのに相当かかってるのにそんなわけないだろう)」

「ギャンギャンギャギッ!?(とにかく少し警戒した方がッ!?)」

突然一匹のリザードマンが話をしている途中で脳天を矢で穿たれる

「ギャウ!?(なんだ!?)」

「ギャルギャ……!?(いったいどこから……!?)」

リザードマン達は目を凝らして辺りを窺う

「……ギ?(ん?)」

一匹のリザードマンが何かを見つけた

「ギャ・・ガハッ!」

リザードマンが声を上げようとした次の瞬間、喉を矢が貫いた

「ギャ……ギャウウウ!!(う……うわぁぁぁ!!)」

逃げ出すリザードマン

その様子を遠くの木の枝の上から見ている者がいた

アニスである

「逃げても無駄なのです……」

木の枝の上を次から次へ飛び跳ねながら移動し追いかけていく

何故この暗闇の中的確に枝を飛んでいけるのか

その秘密は彼女の金色の左目にある

「私の左目は生まれつき「夜目」の能力がついてるのです……この暗闇の中ならどこに逃げようがはっきり見えるのです」

リザードマンの進行方向を予測し先回りする

目の前からリザードマンが走ってくる状態で弓を構える

「そして森での狩りは子供の頃からやってて得意中の得意なのです、つまり私にとってここは、真昼間の開けた平原と変わらないのです」

弓を引き絞りタイミングを待つ

「これで終わりなのです・・狼影(ウルフシャドウ)弓撃(スナイプ)ッ!」

勢い良く放たれた矢は木々の隙間を縫うようにして真っ直ぐ標的を貫いた

リザードマンが最期に見たものは、木々の上から冷たくこちらを見つめる金色の瞳だったという……


――――――――――――――――――――――――


「へぇ、アニスちゃんの目にそんな能力が……」

森の外から中を警戒しつつローリエちゃんの話を聞いていた俺

話を聞いてるうちにアニスちゃん一人で行かせた理由がよくわかった

確かにその能力使って一方的に攻撃できるなら俺たちが居ない方が潜みやすいだろう

「あ、戻ってきたみたいですよ」

「ご主人様〜、全部やっつけたのです」

「本当!?早かったね……」

さっき森に入ってから10分もしないうちにアニスちゃんが帰ってきた

「これくらいなら朝飯前のちょいちょいなのですよ」

「そっか、ありがとうね、じゃあクエストも終わったし早めに…」

「あ、あのご主人様」

早めに帰ろうか、そう言いおわる前にアニスちゃんに声をかけられる

「ん?どうかした?」

アニスちゃんは一瞬ローリエちゃんに目配せする

ローリエちゃんがコクコクとうなずくとアニスちゃんはこちらに向き直り話し始めた

「その……できればでいいのですが……ご褒美が欲しいのです」

もじもじとしながら話すアニスちゃん

俺はもちろん

「うん、いいよ、何が欲しいのかな?」

快諾した

当然だ、今回は真に俺は何もしてないし命まで救ってもらってるんだから

「ではその…ナデナデを所望するのです」

ナデナデ…?

てっきり買って欲しいものとかを言ってくると思ってたから困惑してしまい、ついローリエちゃんの方を見てしまう

「アーちゃんはナデナデが何よりも大好きなんです」

察したのか、すかさず説明してくれた

「まぁそれくらいならいくらでもしてあげるよ」

「ではお願いするのです」

差し出してきた頭に手を乗せ、髪の毛に沿って頭を撫でてあげる

「ん……はぅ……あの、ご主人様…」

「ん?」

「できれば両手で、顔の横の方からもお願いしたいのです」

「えっと……こうかな?」

頬の方から手を入れ横髪を溶かすように撫でてみる

「はふぅ……それなのですぅ……」

そのまま撫で続ける

アニスちゃんは心地良さそうに目を細めて撫でられている

「んっ……はぁ……くぅん……」

……なんだかイケナイ事をしてる気分になってきたんだけど

「ア、アニスちゃん……そろそろいいかな?」

「あ、そうなのです…もう帰らなきゃなのです………名残惜しいですが我慢するのですよ」

さっきまでバタバタ振ってた尻尾がしゅんとなる

本当に名残惜しそう

「また後でしてあげるから、ね?」

「本当なのです!?」

一気に尻尾の振りが全開になった

「ではそろそろミズルタに帰りましょうかご主人様」

「なのです!」

「うーん、それなんだけどね……」

俺は周りを見渡す

あまりは夕どころかすでに夜というレベルで暗くなっていた

「ここまで暗い状態でミズルタまで戻るのはちょっと危険かな」

「では野宿ですか?」

「いや、あっちを見てごらん」

俺が指を刺した方向を見ると遠くの方がうっすらと明るくなっている

「あれはなんですかご主人様」

「明るいのです……」

「あそこに街があるんだ、ミズルタよりは随分近い、今日はあそこで泊まって行くよ」

「了解です!」

「なのです!」

二人の返事を聞いた後、俺達はその街へと向かったのだった

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