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第八話 「弓の修理と謎の少女」

こんにちは、白野斬夜です

うまく文章が出てこずちょっと今回短めになってしまいましたが少しでも楽しんでもらえれば幸いです

アニスちゃんを仲間に迎えた次の朝

朝から何故か妙に体が重い……そんな感覚で目を覚ます


「う……ん……んん?」


「おはようなのですご主人様」


目を覚ますと腰のあたりに跨ったアニスちゃんと目が合った


「……何してるの?」


「ご主人様を起こしに来たのです」


え、えーと……


「起こしに来たのとそこに跨ってるのとなんの関係が……?」


「揺さぶっても起きなかったのでとりあえず昔父上にやってた方法でやってみたのです」


「できるならもうちょっと頑張って揺さぶって欲しかったな……」


そこまで寝覚悪い方じゃ無いはずだし……

それに布団越しとは言えその位置に跨がられるのはいろいろ問題が……


「アーちゃん、ご主人様起きましたか……って何してるんですか!?」


遅れて部屋に来たローリエちゃんが驚いて叫ぶ


「ご主人様を起こしてるのです、父上式で」


「ご主人様にお父さん式の起こし方したら失礼ですよ!めっ!です!」


「う……ごめんなさいなのです……」


耳と尻尾をしゅんとさせアニスちゃんが謝る


「あぁいや、俺はそんなに気にしてないから、アニスちゃん気にしなくていいよ!ローリエちゃんもあんまり怒らないであげて」


3人もいると朝から賑やかだ……


部屋から出た俺たちはいつもの通り朝食を取る


「今日の朝食も美味しいですねご主人様!」


「はふぅ……スープが染みるのです……」


もぐもぐと元気よく食べるローリエちゃん、染み染みと味わうアニスちゃん

それぞれの反応を見ながらの食事はなかなかに楽しいものがある


「あ、ご主人様、ちょっと提案があるのですが」


不意にローリエちゃんが食べる手を止めて話しかけてくる


「ん?何?」


「アーちゃんにも討伐クエストの手伝いをさせてもらいたいんです」


「アニスちゃんに?」


「姉上ほどではありませんが私も戦闘は得意な方なのです」


そう言えば弓使いだって言ってたっけ


「ただ、そのために弓を修理したいのです・・」


「なのでその材料の調達に行きたいんですが」


ふむ、なるほど


「特殊な材料とかいるの?」


「いえ、自分なりの調整があるだけで素材にはさほど拘ってないのです」


「ふむ……武器用の材料なら……あそこで決まりだな」


「あぁ、あそこですね!」


俺とローリエちゃんが目を合わせてうなずく


「じゃ、食べたら早速出発しようか」


「了解です!」


「なのです!」


――――――――――――――――――――――――


俺たちは宿屋から東区に移動し、件の「あそこ」ことクロハ武具店の近くまでやってきた

そう、あの関西弁のお姉さんクロハさんが経営する武具店である

実は俺たち、あれ以来ちょくちょく足を運んでおり、今ではすっかり常連になってしまった


「あの喋り方もすっかり慣れましたね」


「だねぇ」


「そんなに特徴的な喋り方なのです?」


「まぁ、会ってみればわかるよ」


そんな話をしているうちに店の前まで来た


「あれ?」


「ご主人様?どうかしまし・・あ、他のお客さんが来てますね、珍しい」


このクロハ武具店へ俺たち以外の客が来ているのを初めて見た

その客は俺と同い年くらいの少女

今は店の中でクロハさんと何やら話をしている


「やっぱり弾は置いてないのね?」


「すまんなぁ」


「まぁ、こんな田舎じゃ仕方ないわよね」


「せやなぁ、『魔銃』自体この辺じゃあまり使われへんからなぁ、一番近くても「デレキオン」まで行くしかあらへんやろうな」


「はぁ……仕方ない……デレキオンまで行ってくることにするわ…じゃ、また来るわねクロハさん」


「まいどおおきに」


話を終えた少女は入り口へと歩いてきた

入り口に立っていた俺と少女の目が合う


「………」


「………」


2秒ほど見つめ合った後


「何よ」


と言いながらムッとした顔で睨まれた


「あ、いや別に……」


「ならどきなさい、邪魔よ」


そういうと少女は俺を押し退けるかのようにして出て行った


「なんだったんだろ、あの子……」


「だれやおもたら兄ちゃんやないか」


急に真後ろから声をかけられる


「うわぁ!?」


「あっははは!相変わらずええ反応や兄ちゃん!」


「し、心臓に悪いんでやめてくださいよ……」


「にゃはは、すまんすまん、兄ちゃんの反応がおもろくてついな」


割と毎回やられてるんだよこれ……いや学習しない俺も俺なんだが……


「お、ローリエちゃんも元気そう……ってあれ?」


今クロハさんは俺の後ろにいたアニスちゃんに話しかけている


「あれ……ローリエちゃんなんか雰囲気変わったな……?あれか?いめちぇんっちゅーやつか?」


「クロハさん!私はこっちですよ!」


ここで俺の横にいたローリエちゃんがクロハさんに話しかけた


「え……あれ……ローリエちゃんが二人おる?」


「私は妹のアニスなのです」


「お……おお!そういうことか、あぁびっくりしたわ……てか、見つかったんやな妹さん」


「昨日俺が一人でクエスト行ってる時に偶然見つけたんですよ」


「ふむ……ちゅーことは今日来たんはこの子の装備のことやな?」


「ええ、正確には武器の修理の為の材料が無いかと」


「オッケー、まかせとき!ええ武器用素材揃えとるから!ほなこっちや!」


そう言ってクロハさんは俺たちを店の奥へと招き入れた


武器素材コーナーに置かれた大量の素材

アニスちゃんはその中から弓の弦に使えそうな糸などを手に取る


「おお、これならすぐに修理できそうなのです」


「他に欲しいものとかあったらまだ在庫があるかも知れんから言ってくれれば探すで?」


「ありがとうなのです!」


ふむ、順調に進んでるみたいでよかった


「久しぶりにアーちゃんの楽しそうな姿が見れて良かったです」


ローリエちゃんも満足げだ

そうこうしてるうちにアニスちゃんが素材を選び終えたようだ


「これだけあればちょちょいのちょいで修理できるのです」


「よし、じゃあクロハさんお会計お願いします」


「まいどおおきに……そういえばアニスちゃんは首輪はいらへんの?」


あぁ、そういえば……ローリエちゃんにはここで首輪を買ってあげたんだっけ……

アニスちゃんも多分つけたいって言うんだろうな……


「いえ、私はいらないのです」


……あれ


「いらないの?」

「はい、ご主人様がどうしてもと言うならつけますが私は姉上と違ってアレをつけるのは嫌なのです」


「ええー!落ち着くじゃないですかコレ」


「それで落ち着くのは姉上だけなのです!」


うーん……姉妹でも価値観って違うんだなやっぱり

とりあえず、アニスちゃんがそこらへんの良識がある子で助かったよ……

これ以上変態扱いは勘弁だ……


――――――――――――――――――――――――


「よし、できたのです!」


宿屋に戻ったアニスちゃんは早速弓の修理を終わらせた

ボロボロだった弓はしっかりと弦が張られ、弓自体もしっかり磨かれ綺麗になっている


「これならどんな敵でも楽々貫通、大量虐殺なのです!」


「言い方がなんか怖いよ君!?」


何はともあれ、明日からはアニスちゃんという新たな戦力を加えたパーティーでクエストに行くことができる

ローリエちゃんとの共闘でどんな力を見せてくれるのか

少し楽しみだ……

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