第一話「低スペ冒険者誕生」
こんにちは、白野斬夜と申します
最近小説を書き始めた友人に触発され初投稿を果たしました
素人による稚拙な文章ですが楽しんでもらえれば幸いです
目覚めると冒険者になっていました
…わかってる、いきなり何を言ってるんだと思うだろうが俺も何を言ってるかわからない、ポル◯レフ状態というのはこういうことを言うのだろう
とりあえず記憶を整理するからしばらくそのまま聞いてほしい
俺の名前は「九戸 海」、18歳の高校3年生だ
通ってる高校は特筆するところもない普通の高校の普通科、成績は中の下、特に運動が得意なわけでもなく、特別得意なことがあるわけでも無い
まさに「どこにでもいる普通の高校生」を絵に描いたような男だ
その日俺は学校が休みで、親は二人とも仕事で家にいない状態
俺は自由を満喫していた
特にどこかに出かける用事もないので部屋にこもってゲーム三昧、至福の時間
だが人間生きている以上出すものは出さないといけない
俺は要を足すため立ち上がって歩き出し、一歩目で床に転がしていたゲームの箱を踏んでバランスを崩し…
そして気付くとこの何もない平原で一人、冒険者としか表現でできない格好で寝転んでいた
よし、まとめるとこんな感じだ……
あれ…これもしかして……
「俺……死んだ…?」
衝撃すぎる真相にたどり着き、つい口に出しては呆然としてしまった
「つまり、これはあれか…漫画とか小説とかで見た異世界転生ってやつ……?」
現実にあり得るのか…?いや、現実に起こってるんだからあり得るんだろう……
「うーん……」
しばらく色々と自問自答して
「ま、いっか」
この答えに辿り着く、単純な俺
「もうなっちゃったものは仕方ない、第二の人生を楽しもうじゃないか、っとその前に」
まずは自分のことを知らなければ、そう、ステータスである
「異世界転生って言ったらやっぱチート能力とかあるのかな?まぁ無くてもせめて平均的なステータスぐらいでしょ、転生前も普通の人だったし、しかしどうやって調べよ」
なんかこう、ステータスウィンドウ見たいのでないかな
適当に空中に手をかざしてみると、黒地に白文字のウィンドウが表示される
あ、出るんだ
「何々…うぇ!?lv99!?カンストしてんじゃん!なるほど、王道かつテンプレなチート系転生者ですね」
ホクホク顔で他のステータスに目を通す、まぁ全部カンストしてるんでしょ……あれ……?」
「何これ…HP10にMP50……?え?何これ、初期ステータス並みなんだけど………」
急いで他のステータスも確認する
全て、そう全てにおいて、ステータス数値がほぼ初期ステータス…いや、むしろ少し低いくらいの数値だった
「lv99で、伸び代なしで……これ……?嘘でしょ……」
顔面蒼白、まさかの展開に絶望を抱えながらその場に崩れ込む
「終わった…俺の人生……いやもう一回終わってるんだけどさ……」
これ以上見ても仕方がないのでウィンドウを閉じる
これからどうするか…とりあえずは近くの村を探そう、この世界がもし魔物とかで溢れてる世界ならここにいると危ない、そう考えて俺は重い気分を引きずりながら歩き出した
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案外簡単に街が見つかった
心配してた魔物に関しては杞憂で終わった
いや、正確にはいたんだよ、魔物
ただこの辺の魔物は大人しい上人間に友好的らしく、たまたま道でばったり出会ったゴブリンに町の場所を教えてもらったのだ
ついでにリンゴももらった、それをかじりながら今は歩いている
「はぁ…低ステータスとはいえ死にたくはないから生きるためにお金がいるわけだが、どうやって稼ごう」
えーと、前読んだラノベだったら……そう、ギルド協会とかでクエストを受けるんだ、魔物なんかもいるわけだしそういうのもあるだろ
そう思った俺は早速ギルド協会を探し、無事加入した
名前を登録しなきゃならなかったのだが元の名前をそのまま書くと変かなと思い「カイ」と書いといた、これからはそう名乗ることにしよう
加入が終わる頃にはすっかり夜になっていた
「…宿に泊まる金もないんだよな」
俺は街の広場の隅っこで体を横たえる
はぁ………これから俺……どうなるんだろう
そんな不安を抱きながらその日は眠りについた……