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引き寄せ甲子園66

さあ盛り上がってまいりました。

夏の甲子園、a校の試合が明日に控える中、愛子は三重県の甲子園代表・b校から応援に来た男子とプロレスの試合をすることとなった。


この子が対戦相手に選ばれた理由は、イヤホンをして音楽鑑賞しながら甲子園屋外の阪神タイガースショップで買物をしていたからである。


見るからに、まあ不良不良していて、愛子が彼、坂元の肩をたたいて声をかけたのである。


「あんた。なぜイヤホンをしているの?挨拶されたら返せるの?鳥のさえずりは聴こえる?自分勝手なファンキーボーイ。私とプロレスのリングで闘え」


試合当日。愛子は口に「毒霧」を仕込んで、彼の少しエラの張ったお顔に吐きつける予定であった。


しかしそれを止めたのは、悠太である。


彼女のことがあらためて好きだと最近思い詰めては胸のあたりが苦しくなる。


「愛子監督。毒霧をかけるのは、彼に喜びを与える行為でしかない。女子に唾液をかけられて嬉しい男もいるのだから」


女子に唾をかけられたいと、いつも願望を抱いているのは悠太である。


「毒霧は僕がかける。セコンドにいる付き人がリングに乱入して攻撃するのは、よくあることだから」


入場テーマ曲無しの無音で坂元がリングに上がった。


今日はこの付近のプロレス団体の慈善試合に便乗させていただいている。


グレート・ムタの入場曲で入場したかったが、著作権もあるので愛子も無音で入場した。


リング上で選手紹介の最中、愛子は坂元の脇腹にローリングソバットをくらわせると坂本は倒れ込み悶絶して、えずき始めた。


すかさずフラッシング・エルボーをくらわせ、足4の字固め。


そこに悠太が乱入して坂元の顔に毒霧を食らわせた。


坂元は体をねじらせて苦しんでいる。


愛子は足をほどき、コーナーポストに登るとムーンサルト・プレスをくらわせ、スリーカウントが入った。


会場内は「ピュー」と手笛をならす者や拍手喝采で溢れた。


マイクを渡された愛子が彼に言う。


「おい。坂元よ。もう人前でイヤホンをするな。聴こえる?この歓声。気持ち良いでしょう。どうした?その汚れた顔。まず洗顔して、私達の仲間になりなさい。ドラゴボールやワンピースでも、その流れでしょう?高校の違いとか何なの?馬鹿野郎。関係無いじゃない」


坂元は立ち上がると声を上げて泣いた。


「僕が悪かった」

ご覧いただき、ありがとうございました。

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