引き寄せ甲子園57
前書き 見て頂き、本当にありがとうございます。
★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。
木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。
笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。
江口:元陸上部スプリンター
木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督
遠山:元プロ野球選手
野村:校内でイヤホンで音楽を聴いて他人に心を開かない。目立つ奴が大嫌い。皆からアナーシャと呼ばれている。
甲子園初出場にしてA高校の対戦相手は強豪高のB高校となり誰もがA校が初戦で散ると予想できる固い対戦カードだった。
それはさておきA校は今夏甲子園大会の話題の中心となっている。
シダ植物とダルマをコラボレートさせたマスコットキャラクターや阪神ファンに馴染む応援スタイル、ベンチには実質監督業をこなす女子高生の愛子がいる。
名ばかりの安田監督はベンチ内をうろついて「ありがとうありがとう」とポジティブな言葉による「引き寄せの法則」を活用して、優勝に導びこうとしている。
以前、木下応援団長は「ありがとうありがとう」と選手にひたすらエールを送っていたが、今日はスタンド内でお客さまにトイレの場所をご案内したり、ポリ袋いっぱいに入ったミニだるまへ目を、そこいらの子どもに描いてもらったりしている。そのポリ袋を持っている、あなーしゃ(野村)の表情も明るい。
今日の甲子園大会3日目の第1試合に組まれた強豪校との試合を前にしてA高側応援スタンドで辰巳と遠山の2人は試合の展開を予想していた。
「先発の安藤くんのピッチングのどツボにハマれば、B校は簡単に打ち崩せないんじゃないですかね」
「遠山くんよ、安藤を育成した自分を信じてみんさいよ。安藤くんは今年のドラフトでB+の評価をもらってるけど、なんでA+じゃねぇんだと言ってたじゃねぇか。なんで笹島の方がA評価なのかと」
「そうなんすよ。投手では2人もドラフト候補に入って、うちは投手王国って言われてますけどね。安藤くんを見る目がねぇなって。まぁ嬉しい悲鳴ですけどね。笹島くんじゃなくて安藤くんを先発させるのは勇気入りますよ」
「安田は、その責任を全部背負うって言ってるな。監督なんだから当然よ。それはさておき、安田団長とアナーシャ(野村)を見てみろよ。まあ楽しそうだこと。球場内のトイレを案内したり、子どもたちにダルマに目を描かしたりよ。あいつらなりにヒトが喜ぶツボは、どこにあるのかと必死に探しているわけよ。はじめ俺は自己啓発系だるま職人として、わぁわぁやってきたけど、なんか飽きたよね。でも安田は自己啓発系監督になりおって、あいつは本物よ。全部あいつに引き継いだ。甲子園に来れたのは引き寄せの法則や、あなた遠山くんの協力もあるけど、一番の理由は選手やスタッフ一人ひとりが、ヒトが喜ぶツボを押すために自発的に動くことができる様になったからさ。ヒトの笑顔をを喜べる能力はプロに必要だべ」
「いやいや。汚れていたA校野球部という名の、ため池を循環させ綺麗にする仕組みをつくったのは辰巳さんですよ。すべての基礎をつくったのは辰巳さんなのです」
「いやいやそう言われると、まんざらでもないけどね。それはさておき最近悠太くんは元気が無いな。安藤くん専属の育成コーチをしたり、A校グラウンド内の男女共用便所をいつも綺麗にしてたり、これはたいしたもんだぞ、なかなかできることじゃないぜ。また、ベンチ内でギターを弾いたりしているのを見て感心していたのだが。ほれ、この双眼鏡でベンチを見てみんさい。悠太くんはギターかついだままで演奏しようともせず放心状態にあるようだぞ」
「ええ。ちょっと心配ですね」
悠太は共用便所に女子が利用してくれないため、どうしたら利用していただけるかと悩んでいた。やはり大学に進学してアルバイトで稼いだお金でトイレ系風俗に行こうか、また自己啓発系アマチュアミュージシャンや、安藤の教育係として次にどうステップアップしていこうかと悩みに悩んでいた。
今日明日中、悠太にとあるアイディアがひらめき、甲子園大会でA校の躍進に大貢献するとは、誰も思っていなかった。




