引き寄せ甲子園55
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★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。
木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。
笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。
江口:元陸上部スプリンター
木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督
遠山:元プロ野球選手
野村:校内でイヤホンで音楽を聴いて他人に心を開かない。目立つ奴が大嫌い。
「あなーしゃ!!」
叫ぶとザ・グレート愛子は、ふらふらと立ち上がった野村の脇っ腹にトップロープからドロップキックをくらわせた。
たまらず野村は再び倒れて、えずきこむ。
そこへ愛子はフラッシング・エルボーを打ち込むと、野村は苦しそうな声をウっとあげると同時に体が浮きあがった。
野村の体を起こして無理やりコーナーに寄りかからせると、愛子はスペースローリングエルボーを華麗に決めた。
「おー」
リングを囲った学生たちは、手を掲げ飛び跳ねている。
野村はリングに倒れこんだ。
愛子はリングアナからマイクをとり上げて野村にかたりかけた。
「あなーしゃよ、休憩中にイヤホンをして過ごすのは楽だっただろう。面倒なコミュニケーションを避けて自分に都合の良いやつだけと話をして、気に食わないやつには一緒になって嫌がらせを仕掛けてたんだから。あなーしゃよ。日本は平和よ。普通にやってれば食う事にも困らないでしょう。あなーしゃは結局人と対立することで刺激を求めていたんだろうね。イヤホンをして音楽だけ聴いてれば楽に過ごすベストな方法なのに、なんでだろうか。あなーしゃが「作品」として残した、人を不快にした行動・発言は、今リングの周りと同様なポジティブな反応をもらえただろうか。今日からお前の名前は、野村を改めて「あなーしゃ」と命名して応援団長、木下のもとで部員を命ずる。元プロ野球選手の遠山は自分のプライドの高い性格を改め、気付いたらA高のアドバイザーとして甲子園出場に貢献しているよ。「あら?遠山さんて応援団部員じゃないのですか。プライド捨てて体をそらし大きな声で叫んでみなさいよ」等、今や皮肉を言われなくなったんだよ。今後のあなーしゃの変化次第よ」
愛子がそう言うと
「じゃあ、応援団はお仕置き部署みたいなもんなのですか。我悲しくやりきれん。ああ、いけない。申し訳ありませんでした。ただひたすら「ありがとう」と叫ぶのが私の務めでした。応援団長は人の心を更生させる尊いポジションでした」
「感動した。ありがとうありがとう。あなーしゃの入部をお待ちしています」
木下は涙をながして体を大きく後ろへそらして「ありがとうありがとう」と、またやり始めた。
愛子はリングアナにマイクを両手で丁寧に返すと。
素早くトップロープに上り、必殺技ムーンサルとプレスを野村にお見舞いした。
カウント3が入り、愛子の勝利となった。
倒れこんで動けない野村の体の上に愛子は応援団への入部申込書をのせた。




