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引き寄せ甲子園50

見て頂き、本当にありがとうございます。


★登場人物★


悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。安藤の教育係。


愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。


辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。


安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。


安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。


前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。


坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。


山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。


木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。


笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。


江口:元陸上部スプリンター


木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督


遠山:元プロ野球選手

甲子園出場が決まった中、進学校のA校では無関心なのか無神経なのか休憩時間に相変わらずイヤホンをして音楽を聴きながら机につっぷしたり勉強したり読書したりしている生徒がいる。


特に隣のクラスは学業のレベルが低くイヤホン率が多かった。


イヤホンをしている者は優秀ではないわけではないが、そんな中に悠太に言いがかりをつける野村という男がいた。


悠太の何が気に食わないって、ろくにギターを弾けないのにアーティスト気取りで見下されている感じがするからだという。


「悠太は野村をバカにした覚えあるの?」


愛子はラーメンをすすって聞いた。


A校の近くにある家庭がそのままラーメン屋になった様に、玄関がちゃんと有り、そして最後にところてんを出してくれるのである。


「正直バカにしてる」


悠太はところてんをすすって、おおいにむせてから言った。


「よし。甲子園に行く前に片を付けよう。痛みつけてやる。あいつのためだ」


「やばいよ」


「だからプロレスで勝負するんだって。プロレス研究会が来週ちょうど甲子園へ出発する前日にイベントをするでしょう?本格的なリングを地元のプロレス団体に設置してもらうって。プロも1試合みせてくれるけどプロレス研究会の連中と私もリングに上がらせてもらう許可とってあるから」


悠太は楽しみで仕方なかった。


愛子から「いらない」と貰ったところてんをむせながら食べきり、おおいに声を出して笑った。


「リングでならどんなにボコっても犯罪にはならないからさ」


そう言って「行こう」と愛子は会計へ立ち上がった。


夕方になると暑さは和らいだ。


「ひゃっこい」ところてんを食べたからだ。


このへんでは冷たいを「ひゃっこい」という。


愛子の毒霧をくらいたいと悠太は思った。


たまった唾液を顔にめがけて吹っかけてほしい。


悠太は一番星を見つけると、まだ練習をしているだろうグラウンドに行きたくなった。


むしょうに苔玉に植わったシダ植物をみたくなる。


きっと愛子も同じ気持ちである。


シダ植物は戦争の話にそぐわないから。


今日も安田監督が熱心に苔玉をつくっている。


「私の前でイヤホンして音楽聞いてたら許さないから」


愛子は悠太の背中を小突いた。

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