引き寄せ甲子園46
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★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。 安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。 悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。
木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。
笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。
江口:元陸上部スプリンター
木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督
遠山:元プロ野球選手
甲子園初出場が決まったA校はトーナメントで対戦カードを決めるため、会場入りをしていた。
主将の坂口と、ユニホームを真っ黒にした安田監督がインタビューを受けていた。
「A校の特色は、とっても明るい安田監督が指揮をとる
投手王国です」
坂口が安田監督を紹介すると、汚れたユニホームにマスコミの注目が集まった。
「うちは、すべての選手が土をこねて苔玉づくりをしています。集中力の向上とリラックス効果が期待されるもんですから。コケ玉にシダ植物を植えると趣がものすごいんですう。こちらの会場にも飾らせていただきました。控室にも土を持ってきまして、さっきまで練ってたんですわ。球児のユニホームの汚れは感動を誘うけど。ははは。苔玉をつくってユニホーム汚した監督ってのは、どうかね?」
会場は爆笑と「まあ趣深いシダだあ」と感嘆の渦となった。
「甲子園への出場が決まるまで、単なる愛らしい「シダ植物」でしかありませんでした。鉢植えにして選手とスタッフ、取り巻きが愛でていたたのですが、甲子園出場が決まったタイミングで、うちのスタッフが「苔玉にシダ植物を植えてみたらイトヲカシですよ」と言うもんだから試してみたら、まあ風流だこと。ありのままの姿が良いと決めつけるのも、ある意味、人間がしてることですよ。だから苔玉を使わせてもらって手を加えるのも悪くないのです」
安田の会見が終わると会場は拍手喝采となった。
今日も悠太は愛子とゲーセンに来ている。
彼は自分の個性的な性癖を消化させようと日常生活のあらゆることにアンテナを張って、まず感動、それから言葉にして作曲の題材にする。
それが功を奏して「苔玉にシダ」という斬新なアイデアが採用された。
愛子もグラウンドでの監督業をいったん離れて初心に戻り悠太と散歩することに意味を見出した。
愛子は選手登録しているので、ユニホームを着て指揮を執っている。
今日、甲子園で対戦の組み合わせを決める抽選会に安田と坂口が行っているんだっけ。
甲子園でも実質私が指揮をとる。
部室で名ばかりの監督の安田は苔玉づくりに夢中だが、それはそれで良いのだ。
安田には時折、マイクに向かって自己啓発の言葉を発してグラウンドに垂れ流してくれれば、それで良い。
また言ってるよ、あの愛らしいおばか様がと選手の変な力が抜け、だからと言ってバカにせずスピーカーから流れる言葉をひろい復唱して、いろいろなことに感謝するのである。
悠太は冷房で涼んだ店内で時折、汗と香水で混じった愛子の匂いを意識して吸って、あー愛子の臭いのも欲しいと自分の欲を確認してからUFOキャッチャーに100円を入れた。




