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引き寄せ甲子園43

見て頂き、本当にありがとうございます。


★登場人物★


悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。 安藤の教育係。


愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。


辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。 悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。


安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。


安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。 前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。


坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。 山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。


山中:カードマジックのプロを目指している。 頻繁に野球部に遊びに来て、辰巳にかわいがられている。


木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。


笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。


江口:元陸上部スプリンター


木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督


遠山:元プロ野球選手

A校は甲子園常連校のH校を下してしまった。


球場内はメガホンを打ち鳴らす割れんばかりの音で地響きしている。


悠太が客席に持ち込んだギターをかき鳴らす音、1人応援団長の木下の「ありがとう、ありがとう」という声、その他大勢の喜び合う声。


A高の有る地元のだるま職人、辰巳と元プロ野球選手の遠山は観客席で抱き合い涙を流し合った。


「辰巳さん俺思うんだ。この球場ってさあ、もはや甲子園じゃないですか?」


「きみも?うん。俺もそう思う。メガホンを打ち鳴らす音は、すごい地響きで、この球場を甲子園化したもんだから、本物の甲子園を引き寄せちまったんだよ」


投手のマウンド付近ではA校の選手が入り乱れる。


選手同士は抱き合い、監督の安田は胴上げされた。


安田の手にはシダ植物とだるまがそれぞれしっかりと握りしめられていた。


観客席にはジャカジャカジャカジャカとギターをかき鳴らす悠太、「ありがとうありがとう」と体を美しくそらして叫ぶ1人応援団の木下がいる。


農作物を売り歩くために大きいカゴを持ってきた婆さんは、その2人の隣で、材料はなんだかよく分からないけど、長ひょろい棒を両手に持って踊っていた。


もちろん大きなカゴは彼女のそばに置かれた状態でね。


他の生徒はこの3人を軽視したり無視しているわけではない。


一緒にメガホンを打ち鳴らして飛び跳ねて喜び合った。


A校は進学校であるけど、みんな気取ったりはしないのである。


後方で垂れ流されていた親父のラジオから解説者が、辰巳が作ったバッタとだるまをコラボしたキャラクターのことを話していた。


「あのバッタはクビキリギスと言って、冬眠できるたくましいバッタであります。そのたくましさがA校と重なるのであります。どうして冬眠できるのかお分かりでしょうか?そうです。他のバッタと違って肉食なので葉っぱ以外に虫等も食べるということであります」


A校は高校野球界に新風をもたらしたと言えるだろう。


実質の監督はマネージャーとして登録してある愛子であり、監督の安田はもっぱら「ありがとうありがとう」「甲子園に行きつつある」と唱えて、選手たちに野球以外の話題で声がけをした。


それに飽きると持ち込んだシダ植物に水をあげたりしていた。


また、吹奏楽による演奏がなかったことにより、悠太がギターを掻き鳴らしたり、1人応援団の木下が「ありがとうありがとう」とシャウトしたりと、皆が自発的にそれぞれ応援した。


それから客席内での拡声器の使用は禁止なのだ。


辰巳は正直もっと拡声器を使いたかった。


自分の声は美声であると自覚しているから、辰巳は球場全体に、そんな声を届けたかったのだ。


辰巳はあらためて自分はだるま職人なのだと自覚した。


私はダルマを作成することでしか周りに喜びを届けることはできないのだと。

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