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引き寄せ甲子園42

見て頂き、本当にありがとうございます。


★登場人物★


悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。 安藤の教育係。


愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。


辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。 悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。


安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。


安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。


前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。


坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。


山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。


山中:カードマジックのプロを目指している。 頻繁に野球部に遊びに来て、辰巳にかわいがられている。


木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。


笹島:バッティングピッチャーに甘んじていたが、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。


江口:元陸上部スプリンター


木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督


遠山:元プロ野球選手

A高の地元のダルマ職人である辰巳は地方局のアナからインタビューを受け、スタンドで気持ちを良くして応援団長の木下と「ありがとうありがとう」と叫び、生徒やその関係者を盛り上げた。


当初は木下の応援スタイルを冷めた目で見ていたA高の生徒たちは今や微笑ましく


わあ、どどどどどんと、メガホンを打ち鳴らし盛り上がった。


どんかどんか、とメガホンの音が球場にこだまする。


「いやあ~バッタのクビキリギスとダルマをコラボしちゃうなんてインパクトありすぎですよ。こいつを甲子園に連れて行っちゃいましょう」


元プロ野球選手の遠山は、そう言って辰巳の肩をポンポンと叩き、自分が指導した選手たちがグラウンドで躍動してるのが嬉しくて、目をうるわせた。


「そんなに良いですかね。遠山さん、最高でしょ。こうやって頑張ってるあいつらを見てると誇らしくて誇らしくて。ああ。幸せだな。気持ち良いねえ。さっきも言ったけど、美味しいコーヒーを入れるのが俺の次の目標だなあ。美味しいコーヒーを飲みてーなー。あたしビールは呑めないから」


「今から俺はビールを呑ましてもらいます。へへっ」


辰巳は立ち上がると拡声器で


「ありがとうありがとう。A高は甲子園に行きつつある。美味しいコーヒーを入れつつある。」


「そうこなくちゃ辰巳さん。引き寄せの法則は、もうやめたのかなと思ってましたよ」


観客席は、わぁー、どんかどんかどんかどんかと、湧いた。


ベンチにいる監督の安田は立ち上がり帽子を高々と上げると涙を流し、客席の辰巳の声に応えた。


「お客さまに申し上げます。拡声器のご使用はおやめください」


「辰巳さん、駄目じゃんかよ」


悠太は苦笑いをして呆れてふり返ると、辰巳はベロを出して、おどけた。


かわいい。どどどどどん。


「悠太。お前、最近きどってるぞ。いろいろと行動に移してないじゃんか。2、3週間前はギターをかき鳴らしたり、必死にシダ植物を採取したりしてただろう。お前恋してんのか、女のケツを追っかけてんだろう。さあギターを弾いてみろよ。ギターは大丈夫だよ。おねぇちゃんに注意されることはねぇだろう」


わはは。わー。どどどどどん。どんかどんかどんか。


悠太が追っかけてるのは、同年代の女性のケツから出てくる神聖物である。


おっさんの言う通り、最近の自分は頭でっかちであった。


「悠太。照れてんでねーよ。見てみ、木下を」


1人応援団の木下は体をそらして、ありがとうありがとうと叫んでいる。


頑張っているあいつには球場内のコンコースでジュースを買って差し上げよう。


ジャカジャカジャカジャカ


試合はゼロゼロのままの膠着状態で球場内は緊張感が漂っている。


A高側の余裕はドコからくるのかと、相手のH高としては不気味であった。


球のキレが良くて、タイミグをずらされる上に高速で変化するから依然としてA高のピッチャー安藤を攻略できない。


プロ注目の山辺が打席に立つと一斉にフラッシュがたかれ、メガホンを打ち鳴らす音が地鳴りの様に響いた。


ここって阪神戦が行われている球場だっけ。


それから、いろいろな音をかきわけて打った初球はライトスタンドにすいこまれていった。

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