引き寄せ甲子園34
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★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。 安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。 悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。
山中:カードマジックのプロを目指している。 頻繁に野球部に遊びに来て、辰巳にかわいがられている。
木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。
笹島:バッティングピッチャーに甘んじていた が、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。
江口:元陸上部スプリンター
木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督
遠山:元プロ野球選手
A高は予選を順調に勝ち進み、A市内も盛り上がりを見せている。
A市内の城が復元される前、石垣のみ残る、お城山であった。
幼児の頃、寂れた休憩所で買ってもらった「蛇」のおもちゃ。
現在では同じ商品を容易に100均でみつけることができる。
当時の光景を思い出すと、ユーミンの『ハローマイフレンド』が頭に流れてくる。
昔は女子トイレも全和式だったろうな。
臭くても良い。
それが良いんだ。
お城にもA高の野球部を応援するたくさんの旗や応援メッセージを書き込める掲示板が用意された。
全国放送のマスコミがA高に目を付けてから、地方の放送局が連日放送する様になった。
監督がシダ植物を育てて、あらゆる所に飾ったり、練習中にダルマだのをつくってんだから注目もされわな。
応援団長の木下が「ありがとうありがとう」と1人で叫んで、脇でワカメや野菜を売り歩いてる老婆が舞を舞ってるんだもの。
元プロ野球選手の遠山も指導に来て株を上げてよ。
なにしろプライド高く頑固な人間だから、仕事を選んで干されていた。
次の準々決勝まで1日程開いたので、悠太と愛子はショッピングモールの帰り、ふたりきりで河原を歩いていた。
ここを抜け国道に出て、愛子を送りに駅に向かうところである。
2人共、川っぺりの草木に夢中になっている。
虫だのいたらスケッチして後で調べようねと、どちらかが言った。
何の鳴き声だろうね。
ちょっとした将来、検索すればすぐ調べられる時代がくるなんて。
愛子がしゃがんだら、悠太は胸元を覗いたりして、まあいやらしい。
なんで共学になると決まった時A高は、あんなに胸が見える制服にしたんだろう。
当時のエロ男教師は、さぞ机間巡視が楽しかったでしょう。
いろいろと敏感になっている現在はきっと対策を練られ、改善してるに違いない。
胸元がはだけない様にモデルチェンジしているだろう。
ああ、焼却場から煙が出ている。
夕日に映えた燃えかすの気体よ。
昔曾祖母の家の五右衛門風呂を沸かした時の黒い煙を悠太は思い出していた。
薪がパチパチパチ言って。
薪と一緒に茶色い葉が付いた枯れ枝も燃やした。
新聞や広告の燃えっカスも舞っていた。
あの枝は何の木だったんだろう。
知らないことは知らないままに。
そんなことができた、あの時代。
今や曾祖母は亡くなっていて、もう会えない。
幼き頃入った、あの風呂は記憶の中にしか無いのだ。
そんな哀愁が、今散歩している心情に加わり悠太は嬉し泣きをしたくなった。
覗き込むとブラが見える、まず出来ることで欲求不満をごまかしていこう。
「シダ植物にナイトランプがあたっててさ。それをガラス越しに見ながら檜風呂に入るんだ」
悠太は、こんな家に住みたいと夢を語った。
「間違った。引き寄せの法則に習えば、檜風呂に入った、ありがとうありがとうの、完了形で言わなきゃだった」
「言霊系よりも、ノートにひたすら書く方が悠太に合ってると思うけどな」
「何かこう書くのが楽しくなる、ときめくノートが欲しい」
「今度一緒に買いに行こうよ」
千円も有れば、良いノートを購入できるだろう。
ノートだったら100円ショップに行くと、何冊も何冊も買えてしまう。
ああ、なんて私たちは恵まれているのだろうか。
愛する愛子と久々のデート。
悠太は幸福感でいっぱいだった。




