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引き寄せ甲子園29

見て頂き、本当にありがとうございます。

★登場人物★

悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。 同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。 安藤の教育係。

愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。 悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。 実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。

辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。 悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。

安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。

安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。

前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。

坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。

山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。 野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。

山中:カードマジックのプロを目指している。 頻繁に野球部に遊びに来て、辰巳にかわいがられている。 木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。

笹島:バッティングピッチャーに甘んじていた が、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。

江口:元陸上部スプリンター

木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督

遠山:元プロ野球選手

県の放送局にも度々取り上げられるなど、A校への関心は日に日に高まっていった。


夏の甲子園出場に向け、地方大会が始まろうとしている。


愛子がユニホームには校章だけでなく「シダ植物」のデザインを取り入れようと提案した。


辰巳も賛成で即決となった。


モデルとなるシダ植物の選定は悠太が行い、デッサンする者は未だ決まらずである。


同県A市出身の元プロ野球選手、遠山が臨時コーチを買って出た。


「打者の山辺くんは甲子園でも間違いなく通用するでしょう。江口くんの足も現役高校野球児のトップクラスなので、山辺くんの前で塁に出て、どれだけかき回すかが鍵です」


「あなたの目から見て、ピッチャーはどう映る?」


辰巳はダルマに色を塗りながらそう聞いた。本業もしっかりこなさねばならない。


「笹島くんはコントロール、球速申し分ないです。だけど投球回は3回が限度でしょう。素質ナンバーワンの安藤くんは現状、実力的に2番手です。ただ精神的に弱いので、笹島くんの後を任せるのは心もとないです。クローザーの前田君は面白いですよ。スピードは甲子園でも十分通用しますからね」


「なるほどな。安藤は色に狂っている。女と体ごと交渉したくて、たまらないのだよ。俺には分かる。だから悠太にメンタルフォローをしてもらっている」


辰巳は筆の手をとめて、鉢植えのシダ植物の葉に手を伸ばし、軽くつまんだ。

それからマイクを持ち


「ありがとう。ありがとう。あなた方は県大会も勝ち進み甲子園に出場しつつある」


校庭に設置したスピーカーから辰巳の声が流れた。


「私から提案したいのは山辺くんを二刀流にすることです。明らかにプロになれる逸材です。県外からも注目され、全部蹴ってA校の山岳部に入ったとか。軸は笹島君で良いので、山辺くんと併用して投げさせてはどうでしょうか」


「ふむふむ。なかなか秀逸なご指摘だ。検討しよう。いや決定だね。それはさておき、悠太の音楽センスをどう見てる?」


葉っぱから手を離して、辰巳は遠山の目をみつめた。


「さあ、私は音楽にはうといので」


「バカいいなさい。音楽は野球と結びついているのだよ。悠太はテクニックを身につけるよりも、まず作曲をしちまって、心から音楽を楽しんでいる。あいつにはリズム感が有る。リズム感って何だかはあんたにも分かるだろう?遠山さん。あんたは臨時コーチ兼、悠太について音楽の見習い、応援団、木下の元で部員1号を命ずる」


「ありがとうございます」


遠山は泣いて喜んだ。

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