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引き寄せ甲子園27

見て頂き、本当にありがとうございます。


★登場人物★


悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。


同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。


安藤の教育係。


愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。


悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。


実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。


辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。


悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。


安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。


安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。


前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。


坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。


山辺:甲子園常連B校にスカウトされたが、高校野球には肌が合わないと、A校に進学して山岳部に入る。


野球部が超変革したと噂を聞いて、中途入部する意思を固め、再テストを受け合格した。


山中:カードマジックのプロを目指している。


頻繁に野球部に遊びに来て、辰巳にかわいがられている。


木下:応援団団長。勝手に応援団を結成した。今の所、一人でやっている。


笹島:バッティングピッチャーに甘んじていた


が、絶妙なコントロール、抜群の制球力を山辺に見出され、急遽先発枠に入る。


江口:元陸上部スプリンター


木村:元甲子園出場常連高、B高野球部監督。

坂口はここまで3三振と調子が上がってこない。


彼は、日に日に宗教じみてくる、この野球部に馴染めないでいた。


「なんで甲子園の優勝旗が東北に渡らないか。これといった理由は分からないけど。なんか坂口を見てると、その理由が分かる気するんだよね」


バッターボックスに入る坂口をベンチから見守る愛子が、つぶやく。


坂口は、かつて甲子園に何度も出場していたB高に対し、ここまで試合を優勢に運べる展開を、全く予想していなかった。


かつて控え・バッティングピッチャーだった2人が完璧なピッチングをした。


途中入部の山辺はホームランを放ち、この回、前田も続いた。


坂口は今の超変革した野球部を認めざるを得なかった。


応援団長・木下の発声「ありがとう」や応援歌に合わせて舞を舞っていた物売りの老婆は疲れたのか、M字開脚の格好で座りこんでいる。


彼は何気なく土手を見て、今日まで独りよがりになっていた自分に気づいた。


そして、初球の浮いたストレートを振り切ると、ボールはセンターの頭を超えホームランゾーンに落ちた。


感情むき出しにバンザイの格好で、ダイアモンドを全力疾走。


勢いそのままでナインたちにハイタッチしていく。


愛子も珍しく歯茎むき出しの笑顔で彼を迎え入れた。


かわいい。


悠太は彼女を見ると思わずギターを弾く手をとめた。


唾液を顔にかけて欲しい。


ポカリみたいな香りの、すっぱい唾を


「お前さっき、どのバット使った?」


辰巳が、何度も坂口の頭を雑に、いい子いい子しながら聞いた。


「あっ。木製のバットだ。俺、金属バット使わないで、あすこまで飛ばしたんだ」


辰巳も満面の笑みである。


「おい悠太。おめー、1人だけ座ってギター持って」


悠太は座ったままハイタッチで迎えた。


「俺も立ってちゃ、ベンチに客観視するのが誰もいなくなるべ。敵のベンチ見てみ。みんな不貞腐れるどころか、スタンディングオベーションだよ」


坂口は帽子をとって相手ベンチに返礼した。


彼を取り囲む人間たちの「愛」。


土手でM字開脚している老婆であれ、ベンチでギターを弾いている悠太であれ、「姿」なんてどうでもいい。


「美しい木目調」


坂口の膝上にのったバットに、大粒の涙が落ちた。

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