引き寄せ甲子園12
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★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。
同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。
安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。
悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。
実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。
悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
悠太と愛子が外出から戻った。
さっきまで泣いていた安藤は、何事もなかったようにピッチング練習を再開している。
「大丈夫なの?」
愛子は辰巳に聞いた。
「大変だったんだぞ。めずらしく、安田のフォローがあってな」
「確かに安藤の目は赤く腫れている」
気づくと、安田が泣いている。
「バカこの。なんで今度はお前が泣いてるんだよ」
「私の助言を、安藤ちゃんが聞いてくれて、嬉しい」
安田の手には、ラメ入りの6色ボールペンが握られている。
「その文房具どうしたんですか?」
悠太が安田に聞いた
「感謝する対象は、1日ひとつに絞り、引き寄せはノートを重点に引き寄せをワークしていくことを、あの子にアドバイスしたのよ」
「なんかお前、話し方変わったな。オネェみたいになってんでない?」
「私、自分に正直に生きるようになったんです。辰巳さんのことは好きです。これからも、ついていきます。こんな私でも、辰巳さんに、どうせ愛されますから。
私カミングアウトさせていただくと、部室でムラムラした時、一人でこいてしまいました。ごめんなさい。ありがとう。誰かにバレてるんじゃないかって、不安だったんです」
「周りが必死こいて甲子園という夢に向かって取り組んでる時に、何をお前は部室を私物化して、個室ビデオにしてんだよ」
「まあ辰巳さん。安田は部室をいつも綺麗にしていて、みんな過ごしやすくなってます。男は、たいていコクじゃないですか。家でこくか、部室でこくかの違いですし、こうして監督が率先してあそこを出してるんですから、周りもオープンになれるんじゃないですかね」
悠太は変態に、やさしい。
「文房具屋でね、おしゃれなかわいいペンとかを探してくるのよ。それでノートに書くと、テンションが上がるってやつをね。安藤のように混乱しちゃう子は、私みたいなやり方を指導していく方向性にする」
「お前は一応ここの監督だからな。なに股間かいてんだよ」
辰巳が話してる最中、安田の手は股間にのびていた。
「すいません。今さっきコイたばっかりなんで、玉がかゆくて。ちゃんとティッシュでふかなかったもんだから」
愛子は安藤の近くで見守っており、3人はキャッチャーの後ろ、バックネット裏にいるので、会話は聞こえないで済んでいる。
「ありがとう。ありがとう。感謝は1つに絞れ。ありがとう」
テープに録音し直された辰巳の声が、グラウンドに響いた。




