引き寄せ甲子園11
見て頂き、本当にありがとうございます。
★登場人物★
悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。
同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。
安藤の教育係。
愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。
悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。
実質彼女が今の野球部を支えている。皆がやりたい放題できるのは彼女のおかげである。
辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。
悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚めた。A高校野球部を甲子園に出場させるため一肌脱ぐ。
安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。
安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。
前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。
坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。
悠太と、愛子が外出中、彼女の携帯に着信が入った。
「安藤のメンタルが、おかしくなっている」
坂口からだった。
途中、2人は「ガリガリ君」を校門脇にある売店で買い、店内で召し上がる。
「安藤大丈夫かな?」
悠太がソーダ味を口にほうばる。
ソーダの香りは、健康な足裏の様な愛子の匂いにのっかり、いつもより唾液が出る。
本当にキレイな足と、最近野球部のために向ける真剣な眼差しなど、最近の彼女は特に美しい。
あなたの臭いモノを便器にしないで、タッパーに入れて、僕に持ち帰らせてください。
お願いですから。
「あいつ真面目だから。カワイイやつだよ」
「かわいいよね」
「悠太も、かわいいでしょ。いじりがいがある」
やっぱ自分て、かわいいんだ。
俺の唾は大人の男のように臭くないかもしれないよ。
愛子は、梨味を食べている。
2人がグラウンドに行くには、あと15〜20分はかかる。
校庭では、安藤が、泣き叫んでいた。
「引き寄せなんて、マジであるんですか?何に感謝して声出しすれば良いか、1つに絞れはしませんよ。混乱してます」
「あるよ。現にお前が今日投げた球すごいよ。引き寄せたのよ」
座り込んだ彼に辰巳が声をかけた。
「安藤ちゃん、ダルマに感謝してれば良いんだよ」
安田が部室の窓から顔を出す。
「バカこの。部屋から出てこい」
辰巳が声を張り上げると、顔だの膝だの絵の具だらけにして、裸足で飛び出してきた。
「安藤、シダ植物に感謝しなさい」
辰巳は彼の肩に手をかざす。
「あー、分からない」
安藤は横になってしまった。
「こんな時に、あの2人はどこに行ってしまった?」
辰巳は天を仰いだ。
綺麗な青空に、タカだかトンビが旋回している。
「ありがとう」
辰巳は思わず、つぶやいた。
「まーた、あなたも、ありがとうと言う」




