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引き寄せ甲子園3

悠太:A高校2年生。スピリチュアル研究家・唾、脱糞研究家・シダ植物研究家・プロレス好き。


同じクラスの愛子と接近したことで、スピリチュアルに目覚め、音楽活動を通して自分の壁を壊しつつある。


愛子:A高校2年生。スピリチュアル・プロレス好き。男でも容赦なくシバき倒す運動神経を持つ。


悠太の素質に気づく。彼とのフィールドワーク(散歩)を通して、人を見守り、救う事が自分の生き甲斐だと気づく。


辰巳:50代。元A高校野球部。当時はプロに注目される程の投手だったが、家業を継ぎ、ダルマ職人になる。


悠太と愛子から刺激を受け、地域貢献活動に目覚める。A高校野球部を甲子園に出場させるため監督の座をのっとった形。


安田:A高校野球部監督。A高校野球部OBで、辰巳の後輩。辰巳に頭が上がらない。


安藤:A野球部雑用係に甘んじているが、エース級の素質を持つ。


前田:A高校野球部のエースだが、中継ぎ・クローザーの方が向いている。


坂口:A高校クリーンナップの一角を担う。

ブルペンで優香と辰巳が安藤の投球を見守っている。


「すごくきっちりしたフォーム」


「あいつの性格がよく現れてるよ」


辰巳は腕組みして返事した。


「ジャイアンツにもいた木田優夫さんのフォームに似てるな」


「木田さんって明石家サンタに出てる人?」


「そうそう。愛子ちゃんは現役時代を知らないか」


部室の扉が唐突に開いた。


「私はこの歳で、だるま職人になれました。ありがとう。ありがとう。辰巳さん、見て頂けますか?前よりは上手に、ダルマに色付けできる様になりました」


「何だい?急に。たまげたな。お前、もはや野球部のことは何もしてねえじゃねえかよ。趣味にとどめておきなさい。職人の世界を舐めるんじゃないよ。バカこの。塗り直し!新しいだるまは使うなよ。その上から色を足していけ」


「すみません。分かりました。塗り直します。私はだるま職人になりました。ありがとう。ありがとう」


安田は、願望実現に向けて、引き寄せの呪文をとなえながら、扉をバタンと音をたてて閉めた。


「うるさいよ。扉は静かに閉めなさい。音霊というものがあるのだから!」


「はい。すみません」


今度は窓から首だけ出して返事した。


「バカだな。あいつは」


「安藤の育ってきた環境もあるんだろうな。やっぱり悠太にあの子の教育係任せてみる。悠太には気をつかわず何でも話してるし。この間ホームセンターから帰って来た時、すごく楽しそうだった。悠太の変態性をあいつにも注入して、固さを取ってもらうしかないな」


「いいよ」


辰巳は愛子の提案に、あくびをしながら答えた。


そばでは、前田が音をたてて素振りをしている。


中継ぎ・クローザーと、先発ピッチャーから役割が変わったので、彼は大好きなバッティングに力を入れられる様になった。


グランドでは、選手がリラックスできる様に大音量で音楽を流している。


時々、辰巳が吹き込んだ声も流れた。


「ありがとう。ありがとう。A高校野球部は甲子園に行けました」


渋めの声が、校庭に響いた。


「うるせーよ。宗教か」


体育館からバレーボール部、監督の広野が出てきて、大声でわめめいたが、辰巳を見た瞬間、やばいといった表情になった。


「辰巳さん。いらっしゃったんですね」


「いらっしゃったんですね、じゃねーよ。バカ野郎」


この市内の人間は、だるま職人に頭が上がらないのだ。


「シダ植物。ありがとう。ありがとう」


グラウンドでは録音された辰巳の声が響いた。

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