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白い黒いで、もめない

悠太は愛子と出会ってから心に余裕がでてきた。


一気に時間の流れが遅くなった。


動物、風景、その他が1つ1つ愛おしいのだ。


小さなことはあまり気にならない。


これまで、あれが足りない、これが足りないと思っていた自分に気づく。


足るを知る。


ラーメン店内のテレビで、彼が住む県のテレビ局による情報番組が始まった。


女子アナのふくらんだ胸を見て、彼の脳内で、裸にしてみる。


エロ本でみた経験を活かして。


情報よりも、あなたの素晴らしい胸。


「そろそろ行こうか」


愛子の言葉で現実に戻される。


あぐらをかいた彼女が立ち上がる際、彼は全身の神経を目に集める。


ほうら下着が見えた。


これらの興奮はきっと彼を男として豊かにする。


彼女の甘い匂いがした。


彼はくらっとし、彼女が脱糞してるところを妄想する。


臭いモノがあるから、良い香りがある。


劣等生がいるから優等生がいる。


うんこ好きの悠太がいる。


「どうした?」


彼女に声をかけられ、慌てて立ち上がった。


水槽がにごっていて金魚が忙しく潜ったり浮いたりしている。


彼女が餌をあげすぎた為である。


レジに進み会計を済ませると、小走りで引き戸を開けて、笑顔で私達を見送ってくれた。


おもてなしは、ラーメンの味の良し悪しを、それ程気にならなくした。


外に出ると通りを挟んで真向かいに中学校が見える。


運動部の女子生徒数名がジョギングしている。


前を通り過ぎパイナップルの様な制汗スプレーの類の匂いがした。


そのうちの一人の子が咳き込んだ。


彼はその子が唾を吐き出す妄想をする。


「どうしたの?じろじろみて。悠太ってロリコン?」


「えっ。いやいや。」


少し間があった。


変態性は違和感として女子に伝わるものだろうか。


彼女は道路を横断すると楽器店に向かう。


「音楽教室 生徒募集中」の旗が風でなびいている。


彼の視線は彼女のヒップ付近へと。


目も忙しい。


「ギターをください」


彼女は、そう言って入っていった。

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