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誘拐されたので脱出します  作者: 抹茶闇ラテ
報告書一
9/51

こいつはヤバい奴かもしれない

あのゲーム機(?)に向かって歩き出したのは

あのどこかお嬢様気取りの美夏だ。


「…お前の実力は知らないが……死ぬぞ」

「フン。まぁ、私に任せなさいよ」


とりあえず、任せてみるか。

美夏はゲーム機(?)の前に立つ、彼女の目つきが変わった気がした。


「さて、どんな面白いものか…お手並み拝見よ」


…何だろう、彼女はこの罠を楽しもうとしているのか。

さっきまで怯えていたが…

例えるなら、ハンドルを持つと性格が変わる…まるでそんな様だ。

なんだか、期待できる。期待できると思ったのは何年ぶりだろう。


「強気でいるのも今のうちなのさ!覚悟しやがれ!」


ゲームスタート。それと同時に爆音。耳を塞いでも音楽が聞こえる、

そんなのでろくにプレイできる訳がない。

爆音のせいなのか分からないが全身が痛い。


「…」


美夏は無言だ。いや…爆音で声が届いていないだけかもしれない。

なによりも…なにもかもが正確だ、軽く画面を見たら鬼畜難易度。

だが、彼女の顔をみれば余裕というのが分かる。

私達はしばらく爆音に耐え続けた。

…爆音が止んだ、どうやら終わったらしい。


「フフン、どうよ」

「うぅ……

 …

 ……クックク……

 これで終わりとでも!?まだまだゲームはある!

 全てクリアしてみるがいい!!」


…だと思った。

あのゲーム機(?)は消え、今度はリングらしきものが出てきた。

美夏の手にはよくあるゲームのコントローラー。

そしてそのコントローラーで操るものは…


「な!体が勝手に!?何でだよ!」

「私がコントローラーで動かしてるからよ」

「や、やめろよ美夏!」

「黙れ、それとも敵の前で死にたいのかしら?」

「わ、分かった…」


恐ろしい、ホントに恐ろしい…

…またゲームスタート。

コントローラーをカチャカチャと動かし彼を操る。

華麗に敵の攻撃を避ける、そして攻撃を当てる。


結果、簡単に敵を倒した。


その後、パズルゲームやらレーシングゲームやら…ジャンルを変えてきた。

私も巻き込まれたが、美夏は次々にクリアしていった。


「…そこまで難しく無かったわね。さぁ、次のゲームは?!」

「う…そんなに簡単にクリアするなんて…

 も、もうゲームなんてないよ…」


急に弱気になった、こいつはそういうタイプだな。

勝てたことには変わりは無い。この部屋から出られるだろう。

おかしな空間は元の部屋に戻った。

ドアを開けて様子を見る。見張りなどはいない、大丈夫だろう。


「…早く行くぞ」

「ま、待ってくれ!」

アホが私を呼び止める。

「この子も連れて行こうよ」

「…バカだな、こいつは奴らの手駒だ。

 こいつが仲間になったとしても裏切るだろう」

「裏切るって決まった訳じゃないだろ!元々は俺たちと同じ

 この研究所から脱出しようとした仲間じゃないか!!」


…ものすごい迫力だ。いつものアホじゃないみたいだ。


「…好きにしろ。これで奴が裏切って大変な事になっても私はしらない」

「あぁ」


広太は奴の駒に優しく声をかける。


「なぁ、お前。俺たちと一緒にここから脱出しないか!?」

「…いいの…?」

「あぁ!もちろんだ!」


広太は奴の駒に手を伸ばす。


「そういえば、お前の名前は?」

「あたしの名前は…」


奴の駒の名前を言おうとしたときだった。

美夏は何かを感じ取った。そして力いっぱいこう叫んだ!


「広太!!!ここから離れて!危険よ!!!」

「どっどういうk」


この言葉を言い切る前だった。


爆発が起きた。




私の頬に血が付いた

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