ここに来たのは間違いだったかも
「どうした」
「生、生首!大量の…!」
う、本当の様だ…生首が保存されてある…
「こっちには赤黒い液体…血…か。血も保存されてるのか…」
「なぁ結花。お前、足が震えてるぞ?怖いのか?」
な、なんて事だ、足が震えている。あんな奴に怖いのが苦手なのが
知られたら、一生の恥だ。言い訳、言い訳を考えよう。
「は?何を言っている。ただここが寒いところだからだ。
怖いなんて思ってない、アホ。」
「だから、アホって言うな!」
「断る」
なんか、一度言った事があるような気がしたがそんな事は
どうでもいい。
とりあえず、一歩…足を踏み出そう。
でも、寒いのは本当だ。
電気…はつけなくてもいいか。と言うかどこにあるのやら。
「…こ、こここっここにはもうこれと言ったものはなさそうね!!
速く出て次の所に行きましょ!」
美夏はこの部屋から出ようとした。まぁ、確かにこれと言ったものはない。
出ようとした瞬間だった。開いていた扉が閉まった。
「え、ちょっと!ちょっと!なんで!」
美夏は扉を押したり引いたりしたが無駄だ。
アホが扉をご自慢の拳の力で扉を壊そうとしてるがびくともしない。
「シンプルにこれは、罠だ」
あきらかにそうだ、罠としか言い様がない。
変に探索をするんじゃなかった。
絶対何かが起こる、そう…絶対に。
「どうなるのかしら…」
美夏は怯え、アホは扉を壊すのに奮闘中。
いきなり、ただでさえ暗い部屋が光も届かなさそうな真っ暗な部屋になった。
「な、なんだ!?何が起きるんだよっ!」
「落ち着けアホ、私達を捕らえるか、殺すかのどちらかだろ、安心しろ」
「安心できるか!アホっていうな!」
「それもそうだな、お前らは安心出来ないな」
「嫌だわ!こんなところで死ぬなんてぇ!!」
ぎゃーぎゃーわめいてる、そんなに騒ぐ必要があるのだろうか。
死ぬかもしれない時にそんなくだらない事を考えて本当にいいのだろうか。
急に明かりがついた
「ひっ」
美夏が少し変な声を出したのはどうでも良いとして、ここは…
さっきいた所ではない。
それに…
「…お前、誰だ」
誰かが立っていた。見知らぬ…誰かが。