入った部屋は不気味
…はぁ、なんとか奴から逃れることができた。
ここは何の部屋なんだ?
息を整える、あたりを見渡す。
「よし、美夏。これで一応大丈夫なハズ…」
「包帯…緩くないかしら…ちょっと」
「え、あ、そうか」
美夏は大丈夫だろう。ナイフが腕に刺さったぐらいだし。
「ちょっと貸せ、アホ」
「お、おい!アホって…」
「私は真実を言ってだけだが」
綺麗に包帯を巻き直す、よし…我ながらいい出来のほうではないかと思う。
「…アホ、よくここの部屋にある包帯をすぐに取ってきたが…
何故だ?」
「あ、あぁ…えと、俺、よくここで人体実験をされてる。
だから包帯がどこにあるとか…分かるんだ。後アホって言うな」
「断る」
「即答ね…あ、ありがとう」
「ここには何があるんだ?それを聞いてから行動を開始したい」
「………………」
「あら、黙らないで話しなさいよ。それか…なにか…あるのかしら…」
「…そうか?」
「……わ、わりぃ。俺……この部屋、ここしかしらねぇ…」
ほら、思った通り。アホには大した事情など基本的には持ってないのだ。
と、なると…リスクはあるがその分収穫はでかいだろう。
「さて、と。美夏、動けるか」
「余裕よ!」
「それは何より、では行動を開始しよう。リスクは多少あるが…
この部屋の探索と行こう」
ここはかなり不気味だ、危険な香りがしまくる。だが…いろいろな事が分かるかもしれない
そんな予感がするような、しないような。
果たして、どんな事が待ち受けているのか…
少し、期待しよう。
そして、私達はこの部屋の奥に行った……
ちょっと、ほんの…ちょっとだけ…後悔した気がする。
「きやぁあああっ!?」
美夏の声が響いた。部屋中に。