違和感を感じる
…謎の違和感、どこにその違和感があるのか分からない。
でも、この結花ちゃん…どこか違う気がしてくる。
なんか気のせいで終わらせない方がいい気がしてきた。
「…鎌都、どうしたんだ?私の顔をジロジロ見て」
「いや、別になんでも無いよ、それよりも元気そうでなによりだよ」
……見た目には違和感なんて無い、いつも通り。
…僕には分からない何かが違和感、なんだろう…
「…チッ、壊れてるか」
「うん、壊れてるよ。って言うか結花が壊れているって言ってたじゃん」
「…そうだったか、なんだか思い出せない部分があってな……」
「記憶喪失的なやつ…かな。記憶はいつか戻るはずだから大丈夫だね」
もしかしたらその違和感は記憶喪失だったことかもしれない。
これで一つの疑問は無くなった。なんだかスッキリした気分だ。
「それより、お腹すいたなー…誘拐されてから何にも食べてなかったし」
「そうだな…そろそろ何か食べたいところだ」
「食料、無くなったもんね…探しに行こう。結花ちゃん達はここで待ってて」
「いや、私も行こう。もう大丈夫だしな」
「だったら私も行く、一人よりも二人、二人よりも三人。そうでしょ」
「…そうだね、皆で行こうか」
と言う事で、僕たちは食料を探しに行くことにした。
すると、僕のお腹の音が鳴った。なんか恥ずかしい気分だ。
僕は気づかないふりをして歩くのが精一杯だった、凄い位無言で僕の後に続いている。
とても…気まずい。
しばらく何も無い廊下を歩いていると、階段を見つけることが出来た。
まだ食料は見つけられていないけど脱出へ少しづつ進んでいる。
それは僕たちにとって嬉しい事だ。
「おぉ~階段だね、やっと下の階に降りられるね」
「まぁな、しかし…腹が減っているから、あまり力が出ないな」
「…それに、今は何時だろうね…」
「お昼じゃない?私が誘拐された時は早朝だったし」
「そっか、と言うか早く下の階に行こう」
僕たちは下の階に降りることにした。
…やっぱり…お腹がすいた、何か食べたい、美味しい物が食べたい。
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…奈子は、大丈夫なんだろうか。
部屋の隅で体育座りをしながらそう思う。
ジャック曰く、休憩させれば大丈夫。そう言っていたけど…
あぁ…それに、光乃結花との連絡が取れなくなった。
心配事が増えるばかりだ、長いため息をつく。
「…さて、もう少しで完成させることが出来る。やっと目的を達成させることが出来るね」
「あぁ、でも…どうやって実験体達を逃がすか…
一斉に逃がしたら殺される人が確実に出る…」
「いや、職員達はこういう場合になったときは直ちに逃げると指示されていてね。
だけど逃がしたら問題になる、自分の身の安全がとれたら実験体を殺しに行くからね」
「…だったらどうすれば」
「簡単ことさ、足止めをすればいい。出口は一階の扉しかないからそこを塞げばいい。
もちろん、実験体達を出してからね」
ジャックはその脱出のプランについて色々な事を話してくれた。
…とてもわかりやすく、正確で……さすが、ここの職員。
「…って感じかな、ボートまで行ければもう大丈夫」
「まぁ、大体分かった……そういえばジャック、あの時言っていた我が子?だっけ?
それって誰?」
「あぁ、そうだね。ついでに本名も言おう、もう偽名とかどうでも良いんだよね」
…次のジャックの言葉は俺が全く予想のしなかった事だった。
いや、違う。薄々気づいていた。




