お友達の為に
「おーい?固まらないでって、君の名前を教えて!」
「え?あ、う、うん。僕は矢代鎌都、この研究所の最長年だよ。
ところで君はなんでここに?」
「こっちだって聞きたいけど…まぁいいや、私は友達を探しているの!
そしてその友達と一緒にここから出るの!」
「…脱出って言う事だね、僕もだよ」
「え?!そうなの!だったら一緒に出ようよ!」
…一緒に脱出、白羽に突き落とされた記憶が蘇る。
本当に一緒に脱出していいのか?
あの時は運が良くて助かったが…次は…そんなことは起きないだろう…
時には疑うことも大切だ…
でも彼女は本気の目をしている。
……どうしよう。そう思った時。
「あ、鎌都。生きてたのか」
「…結花ちゃん!無事だったんだね!」
結花ちゃんがこの部屋に入ってきた、よかった…見た感じは怪我はなさそうだ。
瞳美ちゃんは少し驚いている様だけど…
「……鎌都、まぁ…色々と聞きたい事があるが…こいつは誰だ?」
「初めまして!私は叶得瞳美、小学四年生!」
「…あー…私は光乃結花、お前と同じ小四だ」
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こいつは私が苦手とするタイプの奴だ、まだ一人でいた方が良かったんじゃ無いかと思うし、
鎌都に関してはなんか着替えているし、ホントに何があったんだ。
と言うよりも、こいつの目的は何なんだ、白羽のような腹黒い奴はごめんだ。
「小四!私と同じなんだね!私ね、友達を助けて脱出したいんだ。
君も鎌都と同じで、ここから出たいんでしょ?だったら協力しよう!」
「…友達を助けたい?正気か?」
「正気だよ、君だって友達が困ってたら助けたいと思うでしょ?それと同じだよ」
「…私は友達なんて者、助けたいなんて思わない。
それに、友達なんていない」
「……そう…だったら私と友達になろうよ!」
「…はぁ?どうしてそうなる、私は友達を作らない主義なんだ」
「だったら私は友達を作る主義だね!だからさ、友達になろ~!」
「だから………はぁ…勝手にすればいい、だが私はお前を友達とは思わないからな」
「分かったよ、私はお友達だと思ってるからね!」
「まぁまぁ落ち着いて、二人とも…」
鎌都の声で、私はハッとする。
…少し取り乱してしまった、ちょっと熱くなりすぎた気がする。
軽く咳払いをする。
それにしても、友達を助ける…か、命知らずの奴だ。勇気と無謀は違うものだと教えたいが
面倒な事になりそうなので言うのはやめた。
「あ、あのさ…そろそろ行かないかな?皆目的は一緒なんだし」
「…そうだな、行くか。いつまでもこんな所にいたくない」
「でも結花。服が汚れちゃってるよ?私達、先に出てるから着替えたら?」
「…あぁ、そうさせてもらう…死体にまみれてたしな…」
とりあえず着替える事にしたので二人は部屋を出て行った。
…服を探している途中、ポケットから何かが落ちてきた。
それを拾い上げる。…駒に取られてなかったのか。
母がくれた大切なペンダント。母いわく、幸運を招くとかだが…とてもだが信じられない。
服を着替え、髪を結び直す。ついでにペンダントをつけてる。
更についでだが壊れたトランシーバーをポケットに突っ込む。
よし、準備バッチリ。二人が待っている、私は部屋を出た。
…部屋を出たタイミングが最悪だった。
「ゆ、結花ちゃん、奴らが…」
「……最悪だな、どこが幸運だ。走るのもあれだしな…」
なんか走って逃げるのも億劫だ。今さっきポケットに突っ込んだトランシーバーを取り出す。
もう壊れているんだ、使う所はここしかない。
私は駒に向かってトランシーバーを投げつけた。
見事に頭部にヒット、鈍い音と共に駒は倒れた。これ、結構重かったんだ。
「え、えっと、結花ちゃん?今のって…」
「トランシーバー、壊れていたから武器にしたまでだ」
「…えぇ……」




