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誘拐されたので脱出します  作者: 抹茶闇ラテ
報告書一
47/51

僕は生きていた

「…結花…?」


彼は結花という人物を探している。

もしかして、さっきの子どもの事かもしれない…


「少女なら、さっきあの扉の中に入って行ったわ。

 もしかして貴方もここから脱出したい訳?」


…ヤバい、無反応だ。ただただじっと、睨まれている。

もう解雇されたから、実験体と縁を切ったつもりだけど…

…どうしよう。


「…お前はなんなんだ」

「…私は解雇されたの、だから今の私は一般人……え?名前?

 阿津夏 美希(あずか みき)よ」

(…何も…聞いてないが…)

「……と、とりあえず貴方は脱出するわけで良いわよね?

 だったら、私が出口まで案内してあげるわ。これから出口に向かうから…」

「悪いけど断る。僕は結花ちゃんの居場所を聞きたかっただけだ。

 それに…結花ちゃんを置いては行けない」

「…そう、それなら私はもう行くわ」


私はこの場を後にする。

…良かった、この気まずい雰囲気から抜ける事が出来た。

早く…この研究所から出て普通の生活を取り戻すんだから。

やり直すんだから、あの日からの出来事全部。

……でも…ちょっと待って。

私は立ち止まった。

…解雇されてここから出て行った人は沢山見てきた。

誰かが研究所を終わらせるために…この研究所の事を言うのではないのか?

言っているんだったら、研究所は終わってるはず。

…嫌な予感がする。このまま、普通に研究所から出たら…




~~~~~~~~


…結花ちゃんは生きている。

信用出来ないが多分、生きているのだろう…

はぁ…僕は全身ずぶ濡れ、それもそう溺れていたからね…

最初、このプールに落ちたときは何が何だか分からなかった。

…泳げると思ったけど……ダメだった。

初めてだからと言う言い訳は出来るには出来るけど、なんか恥ずかしい。

後で結花ちゃんにはパニックになっていたと言おう…

少し冷たい風が吹く…寒い、このままだったら風邪を引いてしまいそうだ。

室内に入る、替えの服がほしい所だ…いや、今のやることは結花ちゃんを探すこと。

どこにいるんだろう、懐器君達から貰った物はなくなったし…

自分の頼りにしよう。




しばらく歩いていると、ある部屋を見つけた。

その部屋は色々な服がある。

…自分の勘と言うよりも運で来たような感じだ。

とりあえず自分のサイズに合う服を探す、とりあえず着替えたい。

それにしても多いな、服の数。実験体が最初に着ていたものなんだろう…

適当に服を選び着替える。靴もあったのでついでに靴も履いてみた。

これが靴か…正直に言うと履くのは十数年ぶりだ。

…ん?何かがガサッと動いた気がする。

あの服の山からだ、部屋に入った時からあった服の山から。

少し怪しんだが服の山に近づいてみた。

すると突然、服の山から人が出てきた。


「うわああああッ?!」


あまりに急だったものだから、僕は声を上げた。今年一番の大声だと思う。

少し落ち着いてみる、冷静に、冷静に…


「えぇっと…君は…?」

「あ、うん、私?私は叶得 瞳美(かなえ ひとみ)、えっと…驚かせてゴメンネ!!」


叶得瞳美と少女は名乗った。僕はイマイチ状況が読めなかった。

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