幸運なんて信じる気はない
私が目覚めたきっかけは強烈な異臭だった。
腐った、その激臭が私を起こした。
…ここはどこだろうか、地獄だろうか。
何かに埋もれている状態の私はなんとかしてこの状況を脱しようとした。
しばらく何かを退けていると、空が見えた。雲に覆われている空。
暗闇だった視界に光、景色、その他もろもろ…色々見えてくる。
私は立ち上がって景色をみる。
…まず始めに見えた物、埋もれていた何か…それは死体の山だった。
…そして次に、研究所の建物が見えた、ここは中庭だった。
ある意味地獄だ、だがそれは、私は生きているという事を表す。
幸い…か分からないが、怪我は一つも無い。服は汚れに汚れたが…
そんなのはどうでもいい、鎌都は、鎌都はどこだ。
死体の山に埋まっているかもしれない、死体の山を漁る。
私が生きているんだ、まだ目を覚ましてないだけでこの中にいるに違いない。
悪いが、もう一人は嫌なんだよ…
その時の私は無我夢中。死体の山を漁り続けた……
だが、それは無意味となった。そう、いなかった。鎌都はこの死体の山にはいなかった。
…もしかして、ここより下に落ちて…死んでしまったのか…?
………また、一人か…?
…一人?いや、待て。完全に忘れていた、懐器達がいたんだ。
ポケットの中にトランシーバーが入っている。
他の荷物は全部上…これも信じる気も無い幸運と言うやつか…
動くか分からないが使ってみる。
…反応なし。叩いてみたが余計に壊れた気がした。
やっぱり一人だった、鎌都はいなくなった、懐器達との連絡手段が消えた。
…いや、一人になっても私は脱出を目指すべきだ。
目指すんだ、一人になっても、死が怖くても、弱くても。
この研究所から脱出するのが最大の目的なんだ。
それに、私はある物も持っている、万が一の時は…やりたくないがやるしかない。
私は歩き出す。脱出という大きな目的に向かって。
扉の前までさしかかって来たとき、いきなり扉が開いた。
その直後に駒が現れた、釣り竿らしき物を持っている。
駒は私の方を見た、あまりに急だったものだから動けない。
だが、駒は私を殺すつもりはなく、捕まえるつもりも無く、ただ通り過ぎていった。
…どういう事だ?死んでいたか?いや、しっかりと見ていたから死んでる事はないだろう。
謎だらけだが、まぁ…いいか。私は室内に入っていった。
そもそもここは何階だろう、地図はないし……
…まずは階段を探すとしよう。
~~~~~~~~
さっきの子どもは…あぁ、脱走した実験体の一人だったか。
もうこの研究所とは関係なくなった。
私の部下が派手にやらかして、機械化の実験体を全滅させるし…
そのせいで私は解雇、趣味の死体釣りも今回で最後。
深い深いビニールプールに向かって竿を投げる。
まぁ、面白い死体が釣れたらいいな…
そう思った矢先、なにか手応えを感じた。あ、ラッキー。
これは大物かも、なかなかの重さだし…
…釣り上げた者を見た瞬間、私は目を疑った。
なんで最長年がここに?
機械化の実験体が……ここにいるの?
恐怖を感じるものがあった、だって、こいつ…生きている。
彼の瞳が威圧感を出している。
そして困惑する私に彼はこう言ってきた。
「結花…ちゃん、は……どこ、だ…!」




