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誘拐されたので脱出します  作者: 抹茶闇ラテ
報告書一
44/51

ひたすら逃げる回

その何者かはジャックだった。

しばらくすると俺らを殺そうとした奴がどこかに行った。

…九死に一生を得る。この言葉が今の俺たちにぴったりな言葉。

ジャックはこちらの方を向いた。


「怪我をしてしまったのかい!?それは大変だ…すぐにあの階層に戻ろう」

「…ジャック、それよりも、奈子が…狂った…壊れた…」

「…奈子は大丈夫さ、それより今はあの階層に戻るのが優先だ、

 戻れば安心だからね」

「…うん、分かった」




~~~~~~~~


「どこまで追って来るんだアイツは…!!」

「結花ちゃん!あの笛はどうしたの?!」

「…壊れてるんだよ」


私達は駒達と恐怖の鬼ごっこをしている。

下の階に降りたが、こいつら…しぶとい、しぶとすぎる!

荷物を漁ったが、使える物はあの笛しかない。と言うかその笛も壊れている。

逃げるしか方法はないっ。

すぐそこに部屋が見える、そこに隠れよう。

私は目で合図を送り、部屋に入り隠れる。

手に汗を握る、気づかないでくれ…心臓の音がバクバクする。

足音が遠ざかっていく…

足音が遠ざかってもしばらく隠れたまま、ジッと待つ。

…数分たってようやく隠れるのをやめる。


「あ、危なかった…」

「出ようか、この部屋から」


大丈夫だろう…私達はこの部屋から出た。

…部屋に感謝する日が来るとは、考えてなかった…


「はぁ、また階段探しか…」

「うん、まただね…なんで僕たちって階段をよく見失うんだろうね」

「さぁ…?」


そんな会話をしながら右の方を向いた。

……駒が立っている、距離はあるが駒が立っている。

駒が見えただけで反射的に走り出した。


「階段、階段はどこだろう」

「階段降りても、逃げられるかは分からないがな…」


一応階段を探す、どこだどこだ…!

駒はノコギリや斧を持って追いかけてくる。

改めて思うけど、この研究所は狂気に満ちている…!

さっきから走り続けてたせいで足が疲れてきた。

持久走の方がずっとマシだ。


「結花ちゃん大丈夫…?」

「あぁ、全然大丈夫だ…しかし隠れると言う手が効かなくなってる気がする。

 …どうする…」

「…走るしか、無いんじゃ無いかな……」


命からがら走っているとある、大きな扉を見つけた。

きっと何か打開策があるかもしれない。


「…その部屋に入るつもり?」

「あぁ…一か八かだ」


私達はあの大きな扉を開けて、その部屋に入って行った。

そこは……巨大迷路だった。


「えっと、そうだね。迷路だね…戻る訳にも行けないし」

「…進むしかないようだな」


進むしかない。駒が来る前に進む。

幸いな事に他の駒はいない…そこそこ歩いた所で立ち止まる。

ここはどこだ、同じ光景がぐるぐる。

足が少し悲鳴をあげている、私は座って休む事にした。


「…疲れた……」

「そうだね、休もう…ホントに足は大丈夫?」

「休めば大丈夫だ、しかし…この迷路、出口はどこなのか…」


…同じ光景と言うか全面が鏡というかガラスというか。

なんだか目が回る。

白羽は鎌都に抱きかかえられて眠っている、まるでななしの様だ。

休んでいると、いきなり鎌都はこう言い出した。


「…なんか嫌な予感がしてくる、結花ちゃん…立てる?」

「あぁ、もう大丈夫だ。それより移動するのか?」

「うん、その通りだよ。さて…出口に向かって行こう」


鎌都の言葉で私達は出口に向かって歩き出した。

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