幼い少年
私は反射的に名前を聞いた。
と言うか、明らかに実験体の少年がこんな廊下に出ているんだ?
こいつも駒か…?
「僕は天満月 白羽。皆は何をしてるの?」
「私はななし。研究所の人から逃げていたところなんだ」
「…私は光乃結花、ななしと同じだ」
「僕は矢代鎌都。二人と同じだよ」
…ななしと同じくらいの年の少年…天満月白羽はななしが言ってた事に驚いている様だ。
そして目を丸くして彼はななしの方を見ている。
「それより…研究所の人から逃げてたって本当?」
「本当だよ。私達はここから出るために逃げてるんだよ!!」
「逃げる為…凄いねななし達って!僕も外に出たいな…!
僕もななしたちの仲間になりたい!」
なんとなく予想してたが、やっぱりそう来たか。
まぁ、良いだろう…
「良いよね結花!」
「…もちろんだ、よろしくな」
「よかったね!白羽!」
「ありがとう、ななし!」
ななしと白羽は手を取り合って喜んでる。
そういえば、だいぶ階段から離れてしまったな…別の階段を探すか。
もしかしたら白羽がしってるかもしれない。
「白羽、他の所に階段はないか?」
「階段…?ごめん、分からない…」
はぁ…階段の場所は分からないか…しょうがない、
ジャックにでも頼るか…あまり頼りたくないが…
地図にも書かれていないし…
私はトランシーバーを取り出し、近づける。
「…ジャック。聞こえるか」
すると突然トランシーバーからノイズが聞こえてきた。
さっきここでジャックと会話をしたときには問題なかったが…
距離は問題じゃ無いとしたら、故障か…仕方が無いか。
自力で階段を探そう、今戻ったらきっと駒にまた会うだろう。
まだ、けだるさはあるが行くとしよう。
「そろそろ行くぞ」
「あぁ、分かったよ。二人とも、行くよ」
「はーい」
私達は階段を探しに行った。駒に気をつけて。
一応さっきの笛を片手に持ってるがあまり使いたくは無い。
出会わなければいいだけだが。
しばらく階段を探し歩いていると、よく分からない部屋にたどり着いた。
なんか見覚えのある様な感じがしてくる。
…あぁ、生首に血液。同じような部屋にまた来てしまったな。
どこもそうだが、ここの様な部屋でも苦い思い出がある。
あの時初めて死を見たあの思い出…
「ねぇねぇ、ここって色々な物が保存してあるんだね」
「うん。僕、ここには何度か行ったことあるよ。
ここは色々な臓器があるんだ…
僕の肺の片方がここに保存されているかも」
「それは本当か?………ジャックは臓器系と言ってたがまさかこうやって
少しづつ取っていくのか…」
この階層は他より恐ろしい、早いところここから去りたい。
「早くここから出よう」そう言おうとしたその時。
鎌都は何かを言い出した。
「ねぇ、なんか人が入りそうな隙間があるよ」
「…ななし位が入れそうだな…それで、どうするつもりだ?」
「ほら…向こうに何かある」
鎌都は指さす、確かに何かがあるのは確認できた。
ななしと白羽がよってくる。
そして鎌都は二人にこう言った。
「ちょっと手伝ってほしいんだ」
「手伝うって?」
「この先に何があるか調べてほしいんだ。もちろん、無理にとは言わないよ」
結構ハードなお手伝いだな。




