この階層も恐ろしい
私達は懐器達と別れ、下の階層に進んだ。
ここからは駒がいる、ここからは警戒して進まなければ。
…どうせなら少し彼に情報を求めるか。
「…ジャック、聞こえるか」
『あぁ、聞こえてるよラッキーガール。なんの用かな?』
「…今、下の階層に着いた。この階層の情報を求む」
『分かった、教えてあげよう。ここの階層は臓器系の階層だ。
私の階層は捕まえるスタイルだけど、ここは容赦なく殺す階層さ。
それはその人の臓器を得るため。物騒だね』
「…なかなかの恐ろしさだな」
『あ、そうそう…27階はこの階s』
「わ、悪いジャック、駒が来た!後でまた聞く!」
嫌なタイミングで駒がやってきた。数は3。
私達は一目散に逃げる。
…なんだこの駒達は、前の階層と比にならない位早い。
「結花ちゃん大丈夫!?」
「私は大丈夫だが…」
「おにーちゃんこそ大丈夫?私を抱っこしたままで重くない?」
「あはは、重くないよ。…と言うか、どうにかしないと殺されるね…」
今走っている廊下はずっと直線。曲がり角は今のところ見当たらない。
…ちょっとキツくなってきた、打開策を見つけないとなにか、なにか。
色々袋の中身を漁る、この袋の中には懐器から貰った物もある。
漁っていると、笛らしきものが出てきた。
…もしかしてこの笛で怯ませる事が出来るのかもしれない。
よく防犯とかで笛を見る、それと同じなんだろう。
「…耳を塞いだ方が良いかもしれないぞ」
「え、嘘、今僕は両手が塞がっていr」
鎌都の言う事を無視して、息を思い切り吸い、笛を吹いた。
私の思った通りだ、この笛、バカみたいにうるさい。よくこんな兵器を作ったな、懐器。
その煩さで駒達は怯んだ。よし、今のうちに逃げよう。
「み、耳が…おかしくなったような…」
「鎌都、それは私もだ…それより今のうちに逃げるぞ」
正直に言おう、私が一番ダメージを受けていると。
そのせいで走るのが辛いという事を…
…だいぶ走っただろう、あの笛の音で他の駒が来ると思ったが来なかった。
…これも幸運、ってところなんだろう。信じないが。
なんか身体中が痛く感じる、さっきの笛のせいだな。
「…ごめん、鎌都」
「い、いや。大丈夫だよ…ななしは大丈夫だった?」
「私は大丈夫!」
元気に飛び跳ねてる。…あぁ大丈夫そうだな。
そういえば、ジャックの話の続きを聞かないと。
私はトランシーバーを近づける。
「…ジャック…私だ、駒をまいてきた」
『そうか、それは大変だったね。…さて、話の続きをしよう』
「あぁ…頼む」
『大丈夫かい?なんか疲れてそうだけど…まぁ、いいや。
27階はここの階層の一番偉い奴の部屋があるんだ、まぁ私みたいな人だね。
しかも27階には部下がたくさんいるんだ、気をつけた方が良い』
「そうか、と言うかこの階層の駒はやけに早くないか?」
『そう、ここの階層は運動神経が良い奴しかなくてね…
集団で動いてるから厄介なんだ』
「…ふぅん…分かった。今回はこれぐらいで構わない、ありがとう」
『あぁ、また何かあったらいつでも頼ってね』
…はぁ、この階層はとても大変だ…早く行こう。
トランシーバーをしまって周りを見ると、ななしと同じくらいの年の少年が
こっちを見ていた。
「…誰だ?」




