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誘拐されたので脱出します  作者: 抹茶闇ラテ
報告書一
35/51

曲で言うところの間奏とやら。その2

…憂鬱な廊下、一人。裏切り者を殺したけど、もしかしたら私…殺されるかも。

足が竦む。でも進むしか無い、今更彼女らの仲間になるなんてあり得ない。

そしてもう後戻りが出来ない…だって、だって、柊を殺してしまった。

奴らに言われるがままに命を奪ってしまった…

私は…重い罪を背負っている。

…気がついたら奴らが待っている部屋に着いた。

私はノックをし、その部屋に入る。


「失礼します」

「お前か、始末したか」

「…裏切り者は始末出来ましたが、肝心の光乃結花達は取り逃してしまいました…」

「…裏切り者は始末出来たか、初めてにしてはまぁまぁだ」


そう奴が言った時、私の腹部に痛みが走った。

…ナイフは刺されていない。殴られた。

予想外の痛みに私はうずくまってしまった。


「ッ…」

「次、そいつらを仕留め損ねたらお前を処分する。覚えておけ」


そう言って、奴はその部屋を立ち去った。

…立場が上だから奴は……

私は立ち上がる。そして奴が去って行った方を睨む。

調子に乗るのも今のうち、きっと彼女らが奴らを倒してくれる。

…私には、それしか出来ないから。信じることしか、出来ないから。



~~~~~~~~


何故か出てきた涙を乱暴に拭い、歩き続ける。

ななしは私と鎌都を心配そうに見ている。

懐器はさっきの銃を注意深く見ていて、奈子は不安げな表情で廊下を歩く。


「おにーちゃん、結花…大丈夫…?」

「うん、大丈夫だよななし。心配してくれてありがとう」

「…大した事はない」


鎌都は優しくななしの頭を撫でる、ななしはとても喜んでる様だ。


「あ、あのぅ…結花さん。どこまでがここの階層でしょう…」

「30階までがここの階層のようだ」

「そうですか、ありがとうございます」


私は地図を見てそう答える。

ジャックがこの階層の駒を制御してると思うと、

なんだか気が楽になる…訳では無い。

仲間の死が重かった、時々思うことがある。

私のせいで皆が死んでいくんじゃないかと言う事を。

今まで死んでいった仲間は四人。まるで疫病神だ、私は。


「…やっぱ結花、いつもと違うよ。なにか悩んでる」

「…私は至って普通だが…それに悩みも無い」


ななしはそう言ってくるが、私はきっぱりと否定する。

だが、ななしは折れなかった。


「嘘ついてるね!いつもよりしょんぼりしてる、やっぱなにかある!」

「そうダそうダ、目が悩んでるっていってるヨ。

 目は口ほどにものを言うってやつだネ!」


め、面倒な事になってきた、懐器が乱入してくる。

これ以上面倒な事にしたくないし言うか、大した事じゃないが。


「はいはい、二人の言うとおりだな。

 ただ、わたしのせいで皆が死んでいくんじゃないかって思ってただけだ」

「ちょ、そ、それは、結構深刻な、悩みですよ!」

「俺たちは仲間サ。大丈夫だヨ、そんな事はないっテ!」

「それは偶然が重なっただけだから。結花ちゃん、そんなに悩まなくていい」


…これを、励ましというやつなのだろう。きっとこれが友達というやつなんだろう。

私は少し笑った。


「…こんなに悩みを聞いてくれるだなんて初めてだ、ありがとう」

「悩み解決だね!それじゃ、悩みが解決したところで次の階層に向かおう」




そんな感じに色々な話をしながら、とうとう30階まで来た。

ここから下は次の階層だ。

下の階に降りようとした時だった。


「ねぇ、光乃結花達」

「…なんだ?」

「あ、あの。私達、ここでお別れです…突然ですみません!」

「どうして?」

「俺たちの元々の目的はこの研究所を破壊するこト。

 今、この階層はその破壊するための爆弾を作るのに最適なんダ!」


今は駒達はいない。絶好の場所だろう。


「そ、それに。なにかあったときのトランシーバーがあります!

 だ、だから、大丈夫ですよ!結花さん達は結花さん達の目的に向かってください!」

「…そうだな、お互い頑張ろう。少しだがありがとう」

「いつかまた、会える時まで!」


私達は、懐器と奈子と別れた。

彼らにも目的がある、その為に彼らは全力を尽くしている。

私達もその目的の為、全力を尽くそう。

…少しでも多くの仲間と一緒に研究所から脱出してやる。

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