曲で言うところの間奏とやら。その2
…憂鬱な廊下、一人。裏切り者を殺したけど、もしかしたら私…殺されるかも。
足が竦む。でも進むしか無い、今更彼女らの仲間になるなんてあり得ない。
そしてもう後戻りが出来ない…だって、だって、柊を殺してしまった。
奴らに言われるがままに命を奪ってしまった…
私は…重い罪を背負っている。
…気がついたら奴らが待っている部屋に着いた。
私はノックをし、その部屋に入る。
「失礼します」
「お前か、始末したか」
「…裏切り者は始末出来ましたが、肝心の光乃結花達は取り逃してしまいました…」
「…裏切り者は始末出来たか、初めてにしてはまぁまぁだ」
そう奴が言った時、私の腹部に痛みが走った。
…ナイフは刺されていない。殴られた。
予想外の痛みに私はうずくまってしまった。
「ッ…」
「次、そいつらを仕留め損ねたらお前を処分する。覚えておけ」
そう言って、奴はその部屋を立ち去った。
…立場が上だから奴は……
私は立ち上がる。そして奴が去って行った方を睨む。
調子に乗るのも今のうち、きっと彼女らが奴らを倒してくれる。
…私には、それしか出来ないから。信じることしか、出来ないから。
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何故か出てきた涙を乱暴に拭い、歩き続ける。
ななしは私と鎌都を心配そうに見ている。
懐器はさっきの銃を注意深く見ていて、奈子は不安げな表情で廊下を歩く。
「おにーちゃん、結花…大丈夫…?」
「うん、大丈夫だよななし。心配してくれてありがとう」
「…大した事はない」
鎌都は優しくななしの頭を撫でる、ななしはとても喜んでる様だ。
「あ、あのぅ…結花さん。どこまでがここの階層でしょう…」
「30階までがここの階層のようだ」
「そうですか、ありがとうございます」
私は地図を見てそう答える。
ジャックがこの階層の駒を制御してると思うと、
なんだか気が楽になる…訳では無い。
仲間の死が重かった、時々思うことがある。
私のせいで皆が死んでいくんじゃないかと言う事を。
今まで死んでいった仲間は四人。まるで疫病神だ、私は。
「…やっぱ結花、いつもと違うよ。なにか悩んでる」
「…私は至って普通だが…それに悩みも無い」
ななしはそう言ってくるが、私はきっぱりと否定する。
だが、ななしは折れなかった。
「嘘ついてるね!いつもよりしょんぼりしてる、やっぱなにかある!」
「そうダそうダ、目が悩んでるっていってるヨ。
目は口ほどにものを言うってやつだネ!」
め、面倒な事になってきた、懐器が乱入してくる。
これ以上面倒な事にしたくないし言うか、大した事じゃないが。
「はいはい、二人の言うとおりだな。
ただ、わたしのせいで皆が死んでいくんじゃないかって思ってただけだ」
「ちょ、そ、それは、結構深刻な、悩みですよ!」
「俺たちは仲間サ。大丈夫だヨ、そんな事はないっテ!」
「それは偶然が重なっただけだから。結花ちゃん、そんなに悩まなくていい」
…これを、励ましというやつなのだろう。きっとこれが友達というやつなんだろう。
私は少し笑った。
「…こんなに悩みを聞いてくれるだなんて初めてだ、ありがとう」
「悩み解決だね!それじゃ、悩みが解決したところで次の階層に向かおう」
そんな感じに色々な話をしながら、とうとう30階まで来た。
ここから下は次の階層だ。
下の階に降りようとした時だった。
「ねぇ、光乃結花達」
「…なんだ?」
「あ、あの。私達、ここでお別れです…突然ですみません!」
「どうして?」
「俺たちの元々の目的はこの研究所を破壊するこト。
今、この階層はその破壊するための爆弾を作るのに最適なんダ!」
今は駒達はいない。絶好の場所だろう。
「そ、それに。なにかあったときのトランシーバーがあります!
だ、だから、大丈夫ですよ!結花さん達は結花さん達の目的に向かってください!」
「…そうだな、お互い頑張ろう。少しだがありがとう」
「いつかまた、会える時まで!」
私達は、懐器と奈子と別れた。
彼らにも目的がある、その為に彼らは全力を尽くしている。
私達もその目的の為、全力を尽くそう。
…少しでも多くの仲間と一緒に研究所から脱出してやる。




