命がかかっている
…奴が言ったその言葉は…
「命を賭けるっていっても、君が背負っている小娘の命だけどね」
背負ってる小娘…ななしの事だ…
ななしの命を賭けてゲームだなんて…考えられない。
「…ゲームを断ったら、問答無用で殺すよ?その小娘は
それを踏まえて、ゲームをやる?やらない?」
「…もちろんやる、ななしの命を救ってやる」
「立派、立派。じゃあ早く始めよう。
さぁ椅子に座って。…おっと、その小娘は預かるよ」
ななしを取り上げ、鳥かごらしい形をした檻に入れた。
…僕は奴の言うとおりに椅子に座る。
ななしはすやすやと眠っている。
「…なんのゲームをするんだ」
「まぁ、そう焦らずに…自己紹介だ。私の名はジャック、もちろん偽名さ。
本名は言えないんでね」
ジャック…絶対勝たなくては。
静かに拳を強く握る。
そんな僕をよそにジャックはしゃべり続ける。
「それで、お待ちかねのゲームの話をしよう。
ゲームはただのババ抜きさ。簡単だろう」
「…ババ…抜き?」
多分、皆知っているゲームなんだろう、五歳くらいからここにいたからそんなゲームなんて
知らなかった。
ジャックは、カードらしきものをシャッフルしている。
「あぁ、君は最長年、しかも幼少期からいたから、知らないのも当然だった様だね」
「…悪いけど、ルールを教えてくれないかな」
「もちろん、このままじゃ不公平だからね。ババ抜きは簡単」
そう言ってジャックはゲームの説明をし始めた。
その中で「君達」という言葉が聞こえた
「…君達?僕以外にもいるという事?」
「もちろん。君と同じ実験体で、命を賭けてる。
あ、肝心の事を言ってなかったね、最後に手札を残した人は…死だから」
…大体のルールは分かった。結構単純だ。
それにしても他の実験体がこのゲームに参加してるのか。
だが、今この部屋には僕とジャックしか見当たらない。
「それじゃあ、ゲームを始めよう。横と後ろのカーテンに注目さ」
そうジャックが言ったので、カーテンの方に注目する。
よく見ると、うっすらと人影が見える。
カーテンが開かれる、数人の実験体が座っている。
「ちなみに私は参加しないから、君達4人だ。
健闘を祈ってるよ」
カードが配られ始める。
…ななしの命がかかっている…ほかの実験体は誰の命がかかってるのか。
全てのカードが配られた。手札を確認する。
ペアが少しある、ジョーカーはなさそうだ…
皆が最初のペアを捨てたところでゲームスタート。
「最初は私から」
そう言ったのはオレンジ色の瞳の少女。そこそこ年下だ。
余裕そうな表情だ、カードを引く。
…しばらくババ抜きは続いた。
ジョーカーを引いた時は焦ったが、なんとか切り抜ける事が出来た。
さっきのオレンジ色の瞳の少女は一抜け。
…ギリギリだが、僕は三抜けで終わった。
「おおっと、終わったようだ。まぁまぁ楽しめたよ。
そして最後の人は、サヨナラ」
そういってジャックは最後の人の後ろに立ち…
持っていた剣を振りかざした。
頭が転がる、血だまりが出来る。
オレンジ色の瞳の少女はうろたえている様子だ。
「どうかな?人を犠牲に生きる喜びは。
あぁ、そう…最後の一人になるまで、このゲームは続く。
もっと楽しむといいよ。じゃあ、次のゲームに移ろう」
…あと三人。




