悪夢でしかない
彼の言うとおりに別の所に移動した。
「と言っても、ここは僕がいつもいる部屋だけどね」
「へぇ、綺麗だね。私の部屋よりすごい綺麗」
「…そうだな」
機械化の実験体は意外と扱いが良い方なんだろう、いろいろと。
「ここなら大丈夫かな。それよりもいつこのイベントが終わるのか…かな」
「…その内終わるだろう、大処分と言ってもある程度は残すだろう…」
しばらく待ったが、駒がくる気配すらない。
…時々悲鳴が聞こえてくる。あぁ、殺されたのだろう。
一応私達は異物という奴だ。イベントが終わっても駒に追われる…
そんな事を考えていると鎌都がいきなりこう言い出した。
「あのさ、二人とも。君たちはここから出ようと頑張っているんだよね。
凄いね、一度もそんな事思ったことなかったよ。僕さ、夢があるんだ」
「夢ってなに?」
「普通の生活がしたいんだ。なんか君たちと一緒だったら、その夢が叶いそうなんだ」
「いい夢だね!私はおにーちゃんの夢を応援するよ!
結花、おにーちゃんも一緒でいいよね!」
夢か…別に断る理由はない、それにまぁ、心強い。…少し怖いが。
「…私について行くのも行かないのも自由だ。
その夢を叶えたいならついてこい」
「ありがとう、二人とも。僕は君たちを守るよ」
こうして、鎌都は私達と脱出することになった。
割と和やかな雰囲気の中、さっきのブザー音が鳴り響く。
ついでに放送も聞こえる。
『鬼ごっこはこれで終わり、次は8時間後に始めよう。
ちなみに階段は使えないままだ。現在生き残っているのは4分の3かな。
まだまだ処分するつもりだから覚悟してるといいさ』
…イベントは中断…その内に逃げたかったが無駄の様だ。
これが終わるまではこのイベントを参加させられるのか…
なんだろう、だるさを感じる。
横になる。
「…少しだけ、寝かせてくれ…」
「うん、わかった」
と言うことで少し眠ることにした。疲れてたんだ…
…しばらく寝た。私は目を覚ます。
起き上がる。少し眠い目をこする、そして辺りを見渡す。
…異常なことしかなかった。
さっきまで二人がいたところが血だまりになっている。肉や機械の破片らしきものが転がっている。
どういう事だ、意味がわからない、私の身体には異変はない…
…正常な判断があまり出来ない、部屋を出て様子を見る…
「…」
言葉を失う程の酷い有様だ…気持ち悪い。
実験体、駒が原形をとどめてないくらい、銃で撃たれていたりナイフで刺されていたり。
なんでこんな事になっているんだ?なんで私は無傷なんだ…
もう何も考えられない!!
直線の廊下の先。誰かがいる、遠くて姿がはっきりと分からない。
誰かが持っている物がキラリと光る。
…誰かが私の方に振り向き…笑った様な気がした。
そして私の方に走り…
誰かが持っている物…包丁を突き刺した。
「…!?」
…ゆ…夢…どうやらこれは夢の様だ冷や汗をかいているのがわかる。
二人が心配そうにこちらを見ている。私は起き上がる…
「大丈夫?」
「…大丈夫だ」
「それよりも、もう次のイベントが始まってるんだ」
「…また鬼ごっこか…?」
「いや、違う…次は『殺し合い』だ…」
殺し合い…さっきの夢と重なる、あれが予知夢だって言うのか。
頭が痛んだ気がした。




