こいつ、怖い。
「…はぁ」
なんかとんでもない奴だと言う事が分かった。
それに、機械化実験…ここの階層はそんな実験を行っているのか。
だが見た目の変化は見られない。
「…まぁ、私達は奴が言っていた異物というやつだろう」
「私はななしで、こいつが結花って言うんだよ」
「そうなんだ、よろしくね」
なんだろう、鎌都という奴といると、調子が狂う気がしてくる。
「…鬼、というより研究所の人は来なさそうだけど…
すぐに別の所に行った方がいい気がするんだ」
「どういう事だ」
「いや、なんとなく。でも僕さ、勘がいいって自負してるんだ」
「へぇ…すごーい」
「私は信用出来ないな、だったらここに居て何かが起こったら
お前の勘を信用する」
「うん、分かった。ここにいよう」
と言う事で私達は今居るところで隠れ続けることにした。
…基本的に幸運とか勘とかは信じないスタイルで生きている。
早々に信用することは出来ない。
しばらく待っていると実験体が駒に追いかけられているのを見た。
ここからは私達の存在に気づかないだろう。
…一応警戒をしていると、駒は立ち止まる。
諦めたのか…
そう思ったのだが、駒は何かを取り出す。
その何かを床に落とす。結構重たい物の様だ。
警戒すると、何かガスが漏れてるような音がする。
なんだか、嫌な予感がする。
「ほら、やっぱりこうなった…これはガス系だね。
あまり吸わない様に、すぐに別の所に行こう」
と言って別の所に移動したがそこは中庭だ。
「やっぱ、研究所の人たちは甘い」
「…ここは、奴の駒はゼロか」
「ほかの皆は中庭以外にいるからね」
「ここは一応隠れておいた方が無難だろう」
「そうだね、そうしよう」
…駒はアホのようだ。この研究所にはアホしかいないのかと疑うほどのアホさだ。
さて、いろいろ奴から聞き出すか。
「そういえばお前、機械化の実験とか言っていたが…見た目は普通。どういう事だ」
「機械化って言っても見た目じゃないんだ。中身の方なんだ。
ほら、この腕の傷。実験…と言うか改造した痕なんだ。
痕、片目が機械にされてるけど、それは見せたくないんだ。ごめんね」
「別に、見せろとは言ってないからいいが…」
「へぇ…だからおにーちゃんの目、よく見えないんだね」
「おにーちゃんか、僕ってそう見えるかな…?」
…彼は…照れてる。
確かに、兄に見えなくはないが…結構身長高そうだし。
「そういえば二人とも、いつからここにいたの?」
「私は誘拐されたばかりで家に帰りたいから、今こうしている」
「私は覚えてないよ」
「へぇ、行動力凄いね…ちなみに僕は五歳くらいにここに来たんだ。
普通だったら、今は高校二年かな…」
「…結構年上だな」
「五歳って私と同じ…長い間ここにいたんだね」
突然の事、鎌都が立ち上がる。
その時初めて気がついた。チェーンソーを持った駒がいたことに。
すぐに鎌都は駒がいるほうに向き、駒に右ストレートを打った。
中身は機械の腕。威力は人間以上だろう…
駒はもちろん倒れる、もしかしたら永遠に倒れたままかもしれない。
再び鎌都は私達の方を向き
「中庭も危なくなったね、そろそろ別の所に移動しよう」
と言った。
…この時私の背筋が凍った。なんだこいつ、怖い。
ななしは目を輝かせているが。




