実験体大処分イベント
私達は階段を降りた。
…一階分で行き止まりになった、なんかおかしい。
「行き止まりだね、そう簡単には行かせてくれないってことだね」
「…そうだな、ここの階に別の階段があるんだろう、探すか」
35階。ななし曰く、さっきとは別の階層らしい。
確かに、さっきよりも廊下とかがこぎれいだ。
ここら辺には駒はいないだろう…
「…ここって何があるんだろうな~」
その時、ブザー音らしきものがなった。とってもうるさい。
ブザー音と共に、なにか聞こえてくる。
『実験体は直ちに中庭に集合せよ』
その放送が終わると、ブザー音も止んだ。
「中庭…へぇ、この階ってそんなのあるんだ」
「…とりあえず、他の奴に紛れて行ってみるか…?」
「うん!そうしよ」
私達は他の実験体に紛れながら中庭に行った。
中庭と言われても、高い塀だったり、と言うかガラスドームみたいになっている。
実験体はいろんな所にいる。
実験体の見た目は普通の人と一緒、これじゃあなんの実験を行っているかわからない。
とりあえず、気づかないような所に隠れる。
なにか起こったら大変な事になりそうだからだ。
実験体はざわついている。
学校によくある朝礼台らしき台に誰かが登った。
白衣らしいものを着た人物だ、あぁ、こいつは駒だろう。
実験体のざわつきが止まる。
「さて、実験体共。今回ここに集めたのは他でもない…」
その人物はドヤ顔気味でこう言った。
「お前らを大処分する為さ」
処分という言葉に実験体はざわつく。
中には怒る者や嘆く者もいる。
…まぁ、それもそうだろう。
「ははっ、でも、僕はとーっても優しいから、生きるチャンスをやろう。
チャンスを手に入れられるのならね」
なんだろう、ウザい。全体的にウザい。
「これから、そのチャンスを得るためのイベントをやるから、覚悟しろよ…?
ということでルールを説明しよう」
…さっさと言ってほしい。
「ルールは至って簡単、僕らから逃げればいい。
範囲はこの階のみ。階段は閉鎖さ。」
階段が封鎖されたか…このイベントが終わるまで待つしかないのか。
だが、ターゲットはあの実験体達だけだろう…
「それでプレイヤーはここの階層の実験体だけにしようかと思ったけど
どうやら異物が紛れ込んだ様でね。
しかも二つの階層の異物、どうやってきたのかは分からないけど
君たちもこのイベントに参加させてもらうよ」
は?異物って私達の事なんだろう…いつ奴に気づかれた…?
「それじゃ、60数える間に逃げろ」
実験体が一斉に逃げ出した。私達は立ち上がる。
「ねぇねぇ、どうする?逃げる?」
「もちろんだ」
私は奴をにらむ。
「…行くぞ、奴に捕まったら最期、死だ」
私達は走りだそうとした。
「ねぇ、なんか私達をジーって見てる人がいるよ?」
ななしの言うとおり…ジーッと見ている人物がいる。
ただただジッと…
「私達に用があるのか、だったら私達の後についてこい
用はその後だ」
そう言ってから、走り出した。
…しばらく走った。中庭から大分離れているだろう。
さっきの奴は本当に用があったらしい、しっかりついてきた。
「…それで、お前は何の用だ」
「…ただ」
「ただ?」
「…ただ君たちはここら辺の人じゃないなって。
ちなみに僕は矢代 鎌都。機械化実験の実験体」




