妹捜しの苦労
…何故ななしは、その妹がいる階を言わなかったのか…正直
戻る気もしないので今居る階をしらみつぶしに探索する。
双子と言われているから見た目はななしに似ているはずだ…
…やっぱりやけに涼しい、体温を奪われそうだ。
奴の駒に気をつけて…
「…なんなんだ…やけに駒がたくさん居る」
気味が悪いほどにたくさん居る。
それもそうだろう…ななしは駒を倒した。周辺の階は
警戒するだろう…
あぁ、もううっとうしい、それよりも今はどうここを切り抜けるか。
今のところこちらに気づいていない、護身術やさっきの部屋で手に入れた
メスがあるが…それは万が一に備えて。
今数えてざっと13。こんな数相手だ、小四の私には敵わない。
気づかれたら増援が来て私の人生が終わる。
今は切り抜けることに専念しなければ。
…だがここら辺には実験体がいるであろう部屋がいくつも並んでいる。
先に別の階に行った方がいいか、幸いな事に駒はここら辺に固まっている様だ。
…別の階に行ってみた。
ここも涼しい、いや、寒い…薄着だから余計寒い。
…少し歩いたら実験体がいるであろう部屋にたどり着いた。
ドアに付いている鉄格子の窓をのぞき込む。
…実験体はいた。
ここには5人程、髪は他の実験体よりも整っている。
こちらを見ている、じっと…気味が悪い。
「ちょっと、君」
うわ、話しかけてきた。
…一応同じ実験体だ、駒も来る気配はない…話はしても良いだろう。
「…なんだ」
「君は、特別な実験体なのかい?だったらお願いだ!!出してくれ!
死にたくない!死にたくないんだ!出してくれよ!!」
「落ち着け、冷静に聞け。私は脱走者だ。特別な実験体ではない」
「…すまない。取り乱した……そうか、君は脱走者か…」
良かった。話が分かる奴だ…
「…ところで、特別な実験体はどういう奴なんだ」
「あぁ…そうだったね。特別な実験体って言うのは
部屋を自由に出られて、実験体の生死を決める事が出来るんだ」
「ふぅん…」
…なんだろう。心あたりがある。
「君は脱走者なんだろう。君は会ったことあるかい?」
「あー…心当たりなら。今そいつの依頼らしきものを受けているさ。
生き抜く為に」
「そうか…どんな依頼なんだい?」
「…簡単に言えば妹捜しだ。」
「妹捜しか…大変だけど頑張って」
「…お前、さっき出たがっていたが私についてきても来てもいいが」
「いや、大丈夫。結局出られずに食用にされるだけだから」
…食用。その言葉に引っかかる。
「…食用とはどういう事だ」
「そのままさ、いずれこの世界は食糧危機になるかもしれない。
だから、人を食用にする為の実験をやっている階層なんだ」
「…質問続きで申し訳ないが、階層と言うことは他の階層では別の実験が
行われている。そういう事か?」
「もちろん。ただ、他の階層の実験はなんなのかは分からない。
お役に立てず申し訳ない」
「いや、いろいろなことが分かっただけで十分だ。そろそろ行く、ありがとう」
「君の幸運を祈るよ」
幸運か、信じる気はさらさらない。
ここの階にある実験体の部屋はここだけしか無かった。
さっきの階はまだ駒は居るだろう。
早く次の階に行くとしょう。
それにしても、食用の為か…肉が嫌いになりそうだ。




