表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/22

21、取引おわたー

今思えば


昔の日本と西欧諸国では何もかもが正反対であり、「意図的に地球の裏にそんな国を配置したのではないか」と考えたものだ。


「地球の裏だから文明も真逆・・・・とか嘘臭い、出来すぎだろ」とか思ってたんだ。


何が違うのか?書ききれないほど有るが身近なところでは書面の書き方。

日本や東アジアでは文章は縦書きで右手から始まるが、西洋では横書きで左手から始まる。

窓の開封は日本では横にスライドする引き戸だが、西洋では上下にスライドする。

日本では室内で靴を履かないが西洋では履く。

そのせいも有ってか西洋ではベッドで寝るし座る時はイス。日本では床に寝るし座るのも床だ。

まだ他にも例を挙げれば切りがないほどで「よくもまぁここまで念入りに真逆にしたものだ」と感心するほどだ。まるで誰かが意地になっているかのようだ。


道具の使い方も色々違っていて面白い。

このような違いを研究している学者さんが居るのかもしれないな。


皮肉にも転生した今なら意図する所が良く分かる。

遠くに旅をすればするほど変化が感じられて面白くなるように仕組まれていたのだ。

恐らくゲームステージに変化を持たせて【長く不思議を楽しめるように】製作者が作り上げた仕様なのだろう。

その配慮をぶち壊したのが急激な世界の変化と交流をもたらした大航海時代だ。

もしかすると、この件もRMT業者の仕業なのかもな。


幸か不幸か、この世界では大航海時代の実現は不可能に近いだろう。

外洋にはおよそ人間には討伐不可能と言えるほどの強大で狂暴な魔物が存在して船を破壊するからだ。

前世の世界一の巨大戦艦大和でも航海可能かどうか怪しいほどだ。


文明の進歩を急加速させ全世界(ゲームステージ)を早死させる切っ掛けとなったのが大航海時代。

その実質はロマンとは程遠い「大略奪時代」「大盗賊時代」と名乗るべき黒歴史。

最悪な失敗イベントだ。


それを繰り返さないようにゲーム仕様を変えているのがこの世界に思える。

ゆえに、今居るこの星のステージは以前の地球の上位交換として作られた世界と思われる。


ちなみに今居るこの世界・・・というか地方では入り口はドア方式で西洋と同じ文化様式だ。

星の反対側に日本的な国が有っても不思議では無い。行ってみたい気持ちは当然ある。



ガキッ☆ギギィィィ


ドアを開けると金具の作りが未熟なのかコソドロが涙目に成りそうな大きな音が響く。


「シリア、セセリィ。こっちの話は終わったぞ。セセリィの相手は条件付きで解放される」


「え、えっ、条件って何よ」


「聖女の首輪の処分だ。それが無ければ勇者のレベル上げも不可能だからな」


「それなら・・・・まぁ。でも、あの首輪を外す・・そんな事が出来るの?」


「シリアのスキルなら可能だ。

海の近くまで行く必要があるから其処までは俺が聖女を守る。それも条件の一つだ」


「もし外す事が出来なくても関係ない!!、彼女はずっと私が守る。何も問題無い」


セセリィはまるで我が子を守る母親のように必死だ。


「ダメだな。この条件が守れないなら聖女は処刑になるぞ。

今も聖女を欲しがる勇者の成りそこない共は居るからな」


「なりそこないの勇者・・・私もか。勇者の力か‥‥あの子を犠牲にしてまでそんなものいらない。

だが、確かに他の成りそこない勇者なら欲しがるのか。人間のクズ共め」


「まぁ気持ちは分かるがな、それだけ力を追い求める勇者に聖女を渡すというのはこの地の人々にとって脅威なのは確かだ」



「勇者には首輪に干渉できる権限が有ったと思うのですが外せないのですか?」


「シリアさん、勇者に与えられている権限は最後の魔法を使わせる為のものだけです。

首輪は死亡確認が出来る機能も持っていて、装備者の死だけが解除条件なのです」


「・・・えげつないわね」


「とりあえず外す方法が有るだけでも良しと考えよう。どうせ家に帰るなら海に行く事になる」



コンコン☆


「どうぞ、入ってくれ」


ガチャッ、ギギィィー


「失礼するぞ」


驚いた事に領主自ら聖女を引き渡しに来た。


「セセリィィ、良かった。生きてたー」


「リトランティア、大事ないか」


幼女が飛び込んで来た。


と言うか‥‥まさかこんな子供が聖女の能力者なのか。


旅に出て戦えと?そして最後には死ねと?


ただでさえ聖女システムは非道なのにその聖女が幼い子供とか、どんだけ鬼畜なんだRMT業者共は。


前世のオンラインゲームでもムカツク存在だったけど、この世界ではマジな悪魔だな。


なるほどだな、勇者でありながらセセリィが異常に庇護しようとする訳だ。

「大好きな聖女を助けたい」と聞いた時はてっきり彼女がユリな嗜好の人なのかと思ってた。



まぁ今更だな。とりあえず今回の目的は果たした。


早く帰って平穏な日常に戻りたいものだ。あっ、帰ったら家の屋根を修理を手配せんとならんか‥‥




「解放者殿、すぐに戻られては密偵の嫌疑が掛かりますぞ。こちらに一泊されてはいかがかな」


「あの国でも俺の素性が知られてるんでしょ。今更それは無いでしょう」


「それもそうか。ものは相談だが馬車に積まれていた荷物を譲っていただきたい」


馬車の荷物?荷物でめぼしい物なんて・・・・あれか?ゴミ召喚スキルで出したペットボトルの資源ごみ。


「あれは勇者と同じでこの世界に有ってはダメなものだよ。処分する予定の物だ」


「なんと勿体ない。処分するのであれば猶のこと譲っていただきたい。勇者と違ってあれは代えがたい宝ですぞ」


勇者がゴミのようだ。聞いている勇者セセリィは複雑な心境だろう。この地で生きていくなら早く勇者意識は消して欲しい。


「結果的に聖女を保護して無償で引き渡すのですからな、これ位の利益はいただきたい」


「えーっ、それって俺に何もメリット無いんだけど‥‥」


「ならば、あの馬車一台分の穀物を進呈しようではないか。

あの国は海沿いで穀物の生産が少ないから喜ばれる品だしな、これで交易したという面目もたつぞ。


領主より商人が向いてるぞオッサン。本気で欲しがってるのが感じられる。


確かに他では手に入らない品物だし、特に焼酎のペットボトルはお宝だ。

旅に出る時に水を保存するのに最適だ、沸騰消毒して冷ました水を入れて置けば長期に腐らないだろう。

軽いし水漏れなんて皆無だしな。



********




「そろそろこの辺で良いかな」


「いいんじゃない。どのみち監視は付いてるし気にする必要無いわよ」


馬車に積み込まれた穀物袋に座っていたアイちゃんがダルそうに返事をしている。


結局、領主の熱意に負けて取引に応じて穀物と交換した。

ペットボトルは売れば良い値段に成るのだが、欲しがる人が多すぎて騒ぎになる。

その結果、問い合わせは勿論、売って欲しいと店に押し寄せるのが目に見えている。

要するに目立ちすぎる。デメリットが多すぎて売れない。そゆこと


「それじゃあ荷物を収納するから馬車止めてくれ」


この地方の馬は半分魔物なので力持ちである。

しかしながら馬車の車輪がギリギリ耐えられるほど荷物が積まれていれば可哀そうだ。

領都からある程度の距離まで移動したのでストレージに荷物を収納して馬の負担を減らす。


それなら最初からストレージに入れて置けば良いのだが、そこはパフォーマンスという茶番だ。


荷崩れを防ぐためのロープを外し一瞬で収納完了。

こんな不思議現象を見せられるとリアルに思える世界そのものがゲームなのだと思い知らされる。


「クッション代わりになってた荷物が無くなって馬車に乗ってるとお尻が痛くなるから私も少し歩くわ」


「アイお母さま、それはもう少し後にしてください」


「シリアちゃん・・・・私の見た目が子供だからって甘やかしてはダメよ。こう見えてもパワーレベリングされてレベルはそこそこ有るし、少しなら歩けるわ」


「アイちゃん、この辺りは魔物がかなり多いようです。荷物を無くして馬車を軽くしたのはそれに対応する為なのですよね」


「正解ですリティア。近くにゴブリンの巣が有るみたいですね。弱い魔物ですが数で来られると守るのに手が足りなくなりますから」


警戒すべきなのはゴブリンだけじゃ無いがな‥‥


馬車の行く手を遮るのは明らかに人間だ。


「そこの馬車止まれや」









「小さくてもさすが聖女だな。どうやらゴブリンの巣穴が近くに有るみたいだ。それをエサにする魔獣もそれなりの数が居る」


「数は多くとも我々にとっては全て雑魚ではないか。今更だろう」


「守るべき存在が二人もいる。数の暴力は脅威だぞ‥‥必ず守るんだろ」
































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ