決断。
4…目を開けると真っ白な世界に俺は、居た。
ここは、どこだ?
俺は、キョロキョロと周りを見回しているとそこに何かがいた。そいつは、真っ白な世界に居る真っ白な、何かだった。透明では、無く真っ白だ。けれどしっかりと認知出来る。
こいつは、なんなんだ?
「こんばんわ。初めまして」
真っ白ななにかは、少年のような頭に響く声で挨拶をした。
「お、お前は、誰だ」
極めて冷静に言った。
「待て待て待ってくれ。」
真っ白は、紳士のような動きで俺の言葉を止めた。
「レイ、君が聞きたいであろう事は、全部今から教えるよ。」
「まて、なんで俺の名前を知っている」
少し恐怖を感じる。
「ふふふ、それは、まぁなんでだろうかな?」
真っ白は、笑った。けれど声だけだ、
「まずは、自己紹介をさせてくれ」
真っ白は、そう言って俺の周りを回り始めた。
「僕の名前は、そうだな、、『オーブ』だ。」
真っ白は、オーブと名乗りそして俺の前で立ち止まった。
「今日ね、行きなり魔法を、使えるようにならなかったかい?」
「あ、 あったな」
「それは、俺の力なんだ!」
オーブは、自慢気に言ってきた。は?どういう事だ?
「僕は…ね。」
オーブは、ニヤリと
「勇者の魔力の源なんだよね」
「は?」
俺は、オーブが何を言ったのか分からなかった。
「今から説明しよう。この世界の勇者達は、みんな選ばれし者って事を知っているよな」
「あぁ」
「歴代の勇者達は、死ぬごとにその強い魔力を次に受け継がせるんだ。そして、その魔力の塊が僕なんだよね!」
オーブは、楽しそうに言う。
「オーブ、てことは、もしかして俺は」
「お前は勇者じゃ無い。」
勇者じゃ無い。きっぱりと言われた言葉。
「それじゃなんで!お前はここに居るんだよ!!」
俺は、オーブに掴みかかるような勢いで言った。
「勇者は、君とは、別に居る。そしてね、何故僕がここに居るかってのは、」
オーブは、少し間をおいた
「色々あってね」
「オーブ、お前は、その説明で俺が納得すると思うのか?」
「しない。だから、僕は、レイにチャンスを与える事にしたんだ!!」
オーブは、ずっと楽しそうに、言う。
だが、それが俺を、イライラとさせていく。
「レイは、かなり 自分を守り続けてるよね?」
「なにを言ってるんだ?」
「レイは、いつも心の中で思ってる事を表には、出さない。一人称だって『僕』でしょ」
まるで、俺の事を全て知っている様な口振りだ。
「だから、チャンスっててのは、レイが勇者達の魔力を使えるようになるかわりに本当の自分をさらけ出す事になる」
ここで一つ思う事がある。
「俺の本当の気持ちをさらけ出す事によってオーブ、お前の何の得になるんだ!」
オーブは、俺を馬鹿にする風に…
「秘密だよ!けど、レイは、ここで答えを出さないといけないよ!」
「どうしてだ?」
「この真っ白な空間に来れることは、とても貴重なんだよ。次ここに来れるのは、明日かもしれないし明後日、来週、来月、来年、、もう一生これなかっり…」
オーブは、俺に顔を近づけて脅すような感じで言ってきた。
俺は、勇者に憧れて冒険者になった。今ここで勇者と同じ力が手に入るかもしれない…
迷う心が、俺には、あった。
「くっ…確かに時間が、あいつが、、」
「そうだね、レイは、あの子も居たね」
なんでこいつもあいつの事を知っているんだ!
「さあ!!レイ!決めるんだ!!ここで、自分で!僕と契約するか!!!」
契…約…?
聞いてないそんな事
「さあ!!!」
俺は、答えを出した。
目が覚めるととこは、いつもの俺の部屋のベッドの上だった。
テーブルの上にホカホカの出来立てのご飯があった。
「やっと起きた!大丈夫だった?」
そこには、アスがキッチンに立っていて、こっちに変わらない笑顔を見せてくれた。