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夏休み初日─7/18/AM 2

 と、かっこよく決めてみたところで、状況は変わらない。あ、でも決意は固まったかも。


 …話を戻そう。

 そう、僕は焦っている。


 理由は、寝坊したから。


 原因は、明日から旅に出るんだ! と遠足前日の子どものような理由で寝られなかった! 訳ではなく。


 明日は学校をサボる、と考えていたらソワソワして眠れなかった………。と言うのが本当だ。僕は小心者なのかもしれない。いや、本当の小心者はまず、中学生で一人旅なんかしないか。


 まあ、そう言う事があって寝坊してしまって、今はもう昼前だ。さすがに終業式も終わりかけだろう。


 これは本格的に急がないとまずいことになる。


 本当だったら、朝の通勤する社会人や、登校する学生たちに紛れるように家を出るつもりだったのだが、今の時間帯に家をでて駅に行ったら、目立つかもしれない。。


 午後からだと、駅員や万が一警察なんかに質問されても、終業式だったんだと説明すればなんとかなるだろうけど……。いや、やっぱりそれはできない。

 

 午後になるまで待ってから家を出たりしたら確実にあいつが来てしまう。


 あいつは当然僕が終業式を休んだ(さぼった)事に気づいている。


 家が近いあいつは当然のように僕の家にくる。


 当然あいつは僕にサボった理由を問い詰めてくる。昨日、わざと思わせぶりなセリフも言ったから、そのことも聞かれるはずだ。


 そして当然、僕はあいつに問い詰められて直ぐに答えてしまう。僕があいつに隠し事をして、隠せたことはないから。無駄に鋭い人なんだ。


 ここまで書くとさすがに解るだろうけど。あいつって言うのはもちろん、ひなただ。


 せっかく、一部の協力者を除いて、秘密裏に計画してきたこの一人旅が、今更誰かにしられるのはまずい。特に、ひなたみたいな人。


 ひなたなら、僕が頼めば、誰にも言わず黙っていてくれるとは思う。


 しかし──。 


 「……やっぱり、まずい。と言うか、めんどくさいことになるよな」


 このことを知った幼なじみ兼元恋人がどう行った行動に出るのか予想できてしまう僕は、その考えは放棄する事にした。


 黙々と準備を始める。


 ちなみに、僕以外の家族は今家にいない。


 両親は共働きだし、一足先に夏休みに入っている姉は、受験勉強をするために地元の図書館に行っている。


 だから、さっき書いたんだけど、家族にバレないように家を出るって言うのは、ほぼ完璧に達成できる。


 ただまあ、知られたところであの親達なら止めることもしなさそうだが。仕事一筋の人達だし。


 よくて、いつ帰ってくるのか聞かれる程度じゃないだろうか。


 姉についても問題ないだろう。あの人は、今は自分の受験が全てだ。弟がどこに消えようが心配するとも思えない。むしろ、図書館に行かずにすむって喜びそうだ。


 全くうちの家族はそろいもそろって自己中だ。自己中心的。


 そこまで考えたところで、準備が終わる。


 旅の荷物は、リュックサックが一つに、ショルダーバックが一つ。両方とも渋いカーキで、登山家が使うような立派な物だ。ただの中学生が買えるような代物ではないが、こうゆう時は結構なお金を稼いでいる親に感謝できる。


 ただ、僕の服装が、短パンに薄手の半袖シャツなので、立派な登山装備が台無しだった。どう見ても登山家には見えない。見られても困るが。


 これで朝の通勤ラッシュに出たりしたら、紛れるどころか、かえって浮いてしまうと言うことに今更気づいた。寝坊して正解だったかもしれない。


 見られる必要もないが、旅をする以上目立つ事は避けたかった。なんせ僕は中学生だし。まあ、身長は結構大きい方だから地元をでたら、高校生に見られるとは思う。家をでたら速やかに地元を離れるにしよう。


 ふと、玄関を出るときに靴箱の上に置いてある『家族』の写真が見えたけど………、特に思うこともなかった。


 自己中心的なのではなく、自分勝手なのかもしれないな、僕の家族は。


 僕も含めて。

 


 こんにちは! 拓海です!読んでくれてありがとうございます!

 前作とは全く違った、現代の日本の中学生を主人公にした物語です!

 ここまで読んでもらえてとりあえずほっとしています!

 面白かったと思われたりしたらほんとうれしいです!

 前作のように不定期更新にならないように、今作は周一更新にすると言うことをここで宣言しておきます!

 更新は毎週日曜日の朝7時の予定です!

 びっくりマーク多用してすみません!

 

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