第八話 ユウヒ謹製品とその価値
どうもHekutoです
第8話投稿できました・・時間かかりました。色々構成を考えてるんですけどねそのせいか最近夢の中でまで小説書いてるんですよね・・。
まぁそんなわけで頑張って書いたので読んでやってくだしぃ第8話『ユウヒ謹製品とその価値』はじまります
『ユウヒ謹製品とその価値』
馬車も悪くない・・・が、お尻が若干痛い。今俺はアルの馬車に乗せてもらい町へ向かっている、座っている場所は俺が壊したドアの床に座って外に足を投げ出している状態だ。
「ユウヒも座席に座ればいいのに・・」
どうやらアルは俺を座席の方に座らせたいようで先ほどから何度もネゴシエートしてくる。その程度のネゴ力じゃ俺は動かないぜ、というか風が気持ち良いのだ座席に座ったらあの妙にキラキラした目で見られて息が詰る。
「何かあったらすぐ動ける位置がいいのさ」
ともっともらしいことを言って誤魔化しながら顔に当たる風を楽しむ、どうもドアを破壊した辺りからかもっと後か妙に懐いてくるのだ。悪い気はしないけどと思いながら馬車の外に投げ出した足をブラブラさせていた。
「なるほど流石冒険者だね!」
ほんと何が嬉しいのやらニコニコした顔がまぶしい。
「そうだ喉渇かないかい?・・バルカスも・・バルカス?」
どうやらバルカスは考え事をしていたのか御者にに集中していたのか反応が遅れた。
「は!なにかありましたか?」
「うん、喉渇いてない?お茶入れてもらおうと思うんだけど?」
「確かに戦闘もありましたし少し渇きを覚えておりますが・・」
「分かった、それじゃ四人分のお茶をよろしくメイ」
四人分と言うことは今からみんなでお茶会?だなと考えていると荷物を確認?していたメイが申し訳なさそうに話し始めた。
「・・アルディス様申し訳ありません。先ほどの襲撃の時にいくつか荷物が無くなっている様で、茶葉が見つからないのです」
メイは荷物を確認するも茶葉が見つから無かったようで謝罪する。
「え?そうかぁ馬車倒れかけてたし丁度お茶を入れてもらってたねあの時、それじゃ水だけでもいいかな」
襲撃のときの事を思い出しているのか、アルディスはしばし考えた後提案する。
「申し訳ありません!」
「いやメイが悪いわけでは無いんだから謝る必要は無いよ、バルカスもユウヒも水でいいかい?」
「は!問題ありません!」
どうやら水の確保はできるらしくそれでいいかと聞かれるが、昨日採取した材料でどんな合成品が作れるか試した中に何種類か茶葉があったのを思い出し。荷物の中から紙袋を取り出した、ついでに紙は木や草から作れたので量産している。
「茶葉があればいいのか?」
「え?はい他のものは用意できますので・・?」
どうやらお湯の問題もなさそうだ。
「そうか、それじゃこれを使ってみるか?」
と言い緑色の紙袋から丸い球状の茶葉を取り出して見せた。
「これが茶葉ですか?」
「丸いね?」
これは昨日のハーブティーを飲んだ後、色々試しに作った茶葉の一つで簡単に入れられるように一回分ずつまとめて固めたものだ。特にこれは目でも楽しめるようにクレアザミを使ったものだ。
中心に花の部分を使った茶葉その周りを数種類の葉で作った茶葉で覆い、最初はよくわからないけどお湯に入れて茶葉がほどけて行くと中からクレアザミの花が現われる仕組みになっている。
「これはお茶を待つ間も見た目で楽しめる茶葉なんだ」
「見た目ですか?確かにこんな形の茶葉は知りませんが」
きょとんとした表情でこちらを見てくるメイ、この反応からこのようなタイプの茶葉は無いのかもしれない。・・・しかし今のところ会っている異世界女性は、かわいい系ばかりだなアミールとかメイも肩口で切りそろえられたサラサラの髪が似合っている・・・これが異世界のレベルなのか。
「へー面白そうだねぇ、バルカスもいいよね?」
「あまりよろしくないですが・・」御者をしつつ俺の顔をじっと見てくる・・。
「アルディス様が飲まれるのであれば・・・ただし私が先に飲ませていただきます!」
なるほど、毒見と言うことですねわかります・・・しかし元気だね足怪我してるのに。
「バルカス・・・すまないユウヒ、バルカスは頭が固くてね」
呆れたように呟き苦笑いを浮かべるアルディスに「最低限の危機意識です!」と鼻息荒く言うバルカスだった。
「あ!中から花が出てきました!」
あの後、茶葉をメイに渡してお茶を入れてもらう事となり茶葉がどうなるのかよくわかるようにと高価なガラス製のポットを使うことに。よく襲撃で割れなかったなと聞くと魔法で強化されており収納ケースに入れていれば早々割れることは無いそうだ、その分さらに高価になるらしいが。
「お茶の色も綺麗な赤色になってきたね!」
アルディスは色の変化がお気に召したようでポットを横からじっと見つめている。
「これはクレアザミでしょうか?あれってお茶になるんですか知りませんでした」
どうやらクレアザミのお茶は珍しいようだ。
「もういいかな?早く飲もう」ワクワクしているのがよくわかるアルディス。
「いけません!まずは私が毒見します!」
バルカス・・・今完全に毒見って言ったね、まぁいいけどさ。
「バルカスさんどうぞ」
「は!ありがとうございます・・では」
お茶を口に少しずつ含むバルカス・・どうだろう?製作者的にはドキドキする瞬間だよね。
「・・・毒は、無いようですね・・・しかし、むぅ」
何やら考える仕草をするバルカス、それでも手綱はしっかりと持っている。
「それじゃもう飲んでいいね?」
まってましたと言った感じでお茶を飲み始めるアルディス続いて「失礼します」と言いメイも飲み始める。そんな三人を見ながら俺も飲むことにした・・うん良い感じだね、さっぱりした口当たりにクレアザミの爽やかな香りがして試行錯誤した甲斐が・・・そうだ。おれは試しにこのお茶を右目で見てみることにした。
【マジックハーブティー(紅)】茶葉発明者:ユウヒ
数種類のハーブとクレアザミを使った、薬効のある香り豊かなお茶。
丸く固められた茶葉は携帯性、保存性に優れ合成魔法で作られた結果魔力を帯び高い品質と効果がある。
品質: 味B、香りB+、見た目B、
効果:体力持続回復(微)、精神抵抗(微)
これは、俺が発明者になってる・・効果付とか品質とかこの世界の基準が今一把握出来てないからなぁ良いのか悪いのか検討が付かないな。これは市場調査を早めにしておかないといけないだろうかね、そんな事を考えていると。
「これは、おいしいね!」
「はい、こんなお茶飲んだことないです。とても飲みやすいです」
「むぅ」
どうやら好評のようでほっとする。バルカスは、よくわからんな。
「ユウヒ、これはどこで手に入れたんだい?手に入るなら是非欲しい。城で飲むお茶の一つに加えたいんだけど」
どうやらこの品質は王族相手にも十分気に入ってもらえるレベルみたいだな、メイも香りを楽しんでいるようだ。
「ん?欲しいなら今ある分あげるけど、それ自作だから売ってあるかはわからないな」
似たようなものはあるかもしれないけど、まったく同じものは今のところ無いのではなかろうか?実際発明者が俺になっているってことはそう言うことなんだろうし。
「「え?」」「なに?」
「ん?」
なにやら三人が似たような反応をする・・俺何かやったか。
「まさかこれユウヒが作ったの?」
「ああ、そうだよ?森に生えているクレアザミの花と数種類のハーブでね。まぁ特技のようなものさ」
とりあえず特技と言う事にしておいた方がいいだろうな、知識によると合成魔法自体は存在するらしいけど。消費魔力が馬鹿みたいに多く一部の魔力が高い種族や高度な錬金術を修めた者だけが使えるものらしいし。
「そーなんですかー、すごいですこんなおいしいお茶が作れるなんて」
「むぅ」
メイがキラキラした純粋な目で見てくる、やめて俺の穢れた心が・・・。バルカスは唸りながら俺とお茶と前方を器用に見ながら御者を務める、流石騎士様だね。
「そうか売っているわけじゃないんだね・・ユウヒ、今あるのはいくらなら売ってくれるかな?」
どうだろう?元はタダの草花だし特にお金を取る気は起きないな、試飲してもらったに近いわけだし。
「別にタダであげるけど?お茶の値段なんてわからないし」
「そうだねお茶は嗜好品だから、総じて高いよそれにこれだけ品質がよければ尚更だよ」
どうやらお茶は嗜好品らしい、魔法が発達している事で比較的安全に水分摂取が出来るからなのかお茶が発展していない可能性がある。この分だともしかしたらお酒もかも知れないな注意しよう。
ついでにお茶を入れた時なのだが、水はメイが魔法で作り出していた。口語属性魔法と言い才能によって使える属性が限定されているらしいが、やり方次第では後天的にも属性を変えたり増やしたり出来なくもないそうだちなみにメイは水属性とのこと。お湯にするのは魔法具と言う魔法の効果を限定的に発現する道具を使っていた。
「(他人の魔法は初めて見たが、魔法具も気になるな今度試しに作ってみようかな?)ふーん」
「そうですねぇ色合いも綺麗ですし、オルマハール産の紅茶より私はこちらの紅色の方が好きですね」
オルマハールってのはどっかにある国らしい、ぱっと知識を参照した程度ではそのくらいしかわからなかった。しかし紅茶はあるんだ・・一度調べてみたいな。
「むぅ確かにこれなら一級品として市場に出せるレベルですね・・・」
珍しくバルカスが評価してくれる、こういったものに詳しいのかねぇ。
「まぁとりあえず今はこれだけあるから、はいあげる」
「これは、上質な紙だね・・・まさか?これもユウヒが?」
今ある分は、合成魔法で量産した紙で作った紙袋に入れてある。厚めの和紙のような出来で草を混ぜているからか薄い緑色をしているのだが・・あれ?またやっちまったかな。
「ん?・・・あぁその紙袋か、それも自作だけど?どうした?」
「ユウヒ君はいったい・・・いや聞かないでおくよ、ユウヒは僕の恩人それでいいよね」
惚けることにした俺を真剣な顔でじっと見つめたアルディスはしばらくすると頭を振り、元のにこやかな表情に戻りそう言う。ふぅよかった、しかし箱入りなんだろうか・・・少し気になるがやっぱり騙されやすそうで心配になってくるな。
「恩ねぇ?まぁいいや、材料と時間があればまた作れるからそれはあげるよ」
「いいのかい?・・そうだ城に帰ったらおいしい料理をご馳走するね!家のコックは腕がいいって他国にも有名なんだよ」
お城の料理か・・・異世界の高級料理興味があります・・てかマジ腹減った、よく考えたら水分しか取ってねぇんだな。なぜか問題なく動けるんだが、まさか例の心得ってそこにまで効果を及ぼしているのか?
「そうかそれは楽しみだ、しばらく何も食べてないからな」
「「え?」」「なに?」
何と無くデジャブを感じながらそんな話をしていると時間が過ぎるのは早いもので、太陽が中天を少し過ぎる頃馬車は町へ到着した。
どうやらずっと近づいたり離れたりしてこちらを伺っていた気配も消えているようだし問題はなさそうだ・・・どこか知ってるような気配なんだけど何者かねぇ。
ここはアルディス達の馬車から少し離れた場所にある茂み、そこには黒装束姿の人影が四つ。
「あれはやはり・・・」
「ああ、間違い無い彼もこの地に来ていたのか」
「うむ間違い無いあれは、勇者様だ」
そう、この男達はあの商店街で清掃作業をしていた男達である。何故か彼らもこの世界にやってきていたのだ。
「勇者様?お前達あの者を知っているのか?」
「うむ、あの方は名前までは知らないが勇者様だ間違い無い!」
「ああ、嘗て我々の故郷(商店街周辺地域)で我らでは到底適わない強大な敵(アミール)と戦い(ナンパ?)その姿を消してしまった勇者様だ」
「よもや遠きこの地でまたそのお姿を拝見できようとは、感動の極み!」
「「泣くんじゃねぇ・・うぅ」」
三人の男達は感動と再会に咽び泣いていた、その姿を見ていた黒装束は。
「(と言うことはあの男はこいつらと同じモーブ出身者かそこに寄っていたか、しかもこの者たちでも適わないほどの強大な敵と引き分けたか・・いやここに無事な姿で居ると言うことは倒したか・・)なるほどお前達帰って御頭に報告だよ!」「「「了解!」」」
と若干?の勘違いを孕みながらも帰還するのであった。
いかがでしたか?ユウヒの中の価値観と異世界の価値観の相違を書きたかったんですけどね。うまくかけてますかね?これからもちょこちょこ相違を出していこうと思ってます。
だんだん更新速度遅くなってますがどうか生温い心でお待ちください。それではこの辺でまたお会いしましょう!きっと!(´・ω・`)ノジ ブンブンブン!!




