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第四十一話 ウィルニス湧水地

 どうもHekutoです。


 最近非常に書くのが遅くなりましたがこれがデフォになりそうで・・そんなわけで四十一話が完成しました。ユウヒと異世界のふれ合いをどうぞお楽しみください。





『ウィルニス湧水地』


 それは古の遺産、遥か昔を今に伝える古代人達の生きた証『遺跡』それは今も訪れる者に変わらぬ癒しを与えていた。


「これは凄いな、いや期待させられただけの価値はあったよ」


「うふふそうでしょ? ・・先ほどはすみません、変に勘違いしちゃって」

 ウィルニス湧水地はドーム状の遺跡でその内部にある大きな泉は地下深くから湧き出る水で満たされ、窓一つ無いドーム内は外の光が入らないにも関わらずドーム全体を淡く青い光が包んでいた。その光源は湧き出た水から溢れるように空中で青い球体となりふわふわと宙を漂いながらドーム全体を照らしている。


「別に気にしないさ、しかしこれが湧水地か人工的に地下水を汲み上げているのかな?それに確かに普通の水じゃないみたいだな」


「ええ、綺麗でしょ? この青い光の玉は大地の魔力じゃないかと言われていて、その魔力が溶け込んだ水は薬品の効能を上げるらしく今研究中なんですよ?」

 実はこの光り、大地の魔力と言っているが実際は特殊な水属性を帯びた魔力の塊でこれをこのまま圧縮していくと水の魔石や結晶になる、しかしこの青い球の本質は魔石の元などではないこれは精霊の幼体なのである、この光る青い球体が大気と馴染んでいき消える時非常に低い確率でわあるが水の精霊が誕生しているのだ。しかしその事実を知る者はすでにこの世界には居ない。


「ふーむそれで採取に来たのか、確かにこれは使ってみたい素材だな俺も少し貰っていいか?」


「はい大丈夫ですよ特に制限はされてませんし、ただこの地を離れると魔力も抜けていきますので早めに使わないとただの水になっちゃうんです」


「それであの樽の量なのか?」

 そうこのドーム内では水に溶けた魔力は安定した状態を保っているが、一度外に出ると溶けていた水より魔力の拡散しやすい大気へと流れていく性質がある。


「あの樽は特殊に作られたもので魔力の流出を抑えることができるんです、と言っても軽減でしかないんですけど」


「そっかーじゃ少し貰うとするかな~」

 一通り話を聞いたユウヒはバッグから陶器製の瓶を取り出すと青く澄んだ泉へと向かって行く、しかしそこでいままで普通に話していたアリーネがふと何かに気が付いたのか疑問顔でユウヒに問い始めた。


「あの? 流すところだったんですが、ユウヒさんは何か製作技術を修めているのですか?」


「んー?いろいろ趣味でねー作るよぉ? 後で御馳走してあげるー」

 泉の水面はユウヒの立っている地面より少し低くなっており排水溝の様な所を通り外に流れ出している、その為ユウヒは地面に寝転びながら水を汲んでいるのだが、そのせいか返事が微妙に間延びしていた。


「食べ物? ですか?」


「うんそんなとこ、アル達にも好評だったんだよ?」


「殿下にですか・・楽しみにしてます。あ、そろそろ野営の準備をしましょう遅くなっちゃいます」

 水を汲んだ瓶に蓋をしながら戻ってきたユウヒはアリーネの疑問にアルディスにも好評だったんだよとニコニコしながら答えた、どうやら新しい合成素材が手に入って機嫌が良いようである、そんなユウヒを見ながら王族が評価するご馳走に少なからず期待を膨らませるアリーネだった。


「了解、テントとか用意してあるの?」


「はい、古代技術研究所から借りてきたテントです! なんでも起動すると一瞬でテントになるそうで」


「ほーそりゃ便利だな楽しみだ」


「私もです!」

 某文房具屋のエルフが聞いたら全力で使用を拒否する物もユウヒとアリーネにとっては楽しみの種の様であった。


(・・・・・・・・)ちゃぽん


 ユウヒ達が野営の為にドームから出ていった後ろでは、不自然に水面が揺れていた。その波紋の中心には、先ほどユウヒが水を汲んだ時に落ちたユウヒの髪の毛が一本くるくると水に踊らされていたのだった。


(くすくすくすくす・・・)ちゃぽん





「これが、古代技術を使った・・・テントですか」


「・・・すごく、大きいです・・」


「うー(これはテントか?)」

 ユウヒ達二人と一匹が見上げるそれはテントと言う言葉で収まる物ではなかった、言うなればそれはすでに立派な木造のコテージと言ってしまっていいだろう。すべて木製のそれはウッドデッキに煙突の付いた屋根まである立派なもので、元が掌に乗る程度の木箱とは到底思えない代物であった。


「・・・・(あー昔こんなんがでるゲームがあったなーなるほど、こんなとんでも不思議アイテムだったんだなー)」


「と、とりあえず中に入って見ましょう?」


「・・・・う(・・・グッドラック)」


「・・ありがとうそー君」

 若干現実逃避しかけていたユウヒを非情な現実へと引き戻したアリーネは、一人で入るのが怖いのかユウヒの手を握り引っ張りながらテント? へ向かって行く、普段の彼女なら手を繋ぐのにも恥ずかしがるのだろうが今はそんな心の余裕が無いようだ。そー君はそんな二人の背中を見詰めながら無事を祈るのであった。


「うー・・・・(そういえばあそこの研究品はよく問題があると昔誰かが言っていたな・・)」

 そんな事は知らないアリーネがそのテント? に入って最初に見たモノは、



「・・・・・?」


「・・どこのラブホだ」

 疑問符を浮かべ部屋の中心を見るアリーネ、その後ろではユウヒがゲンナリとした顔で呟く、ユウヒ達の目には他は何もなくただ一つ室内の中央に設置してあるベッドだけが映っていた・・。しかもそれは多彩なピンク色で作られ豪華な天蓋付でキングサイズほどの大きさの丸ベッドである。


「・・・これだけですか? 煙突があったのに暖炉すらないのですか」


「様式美なんじゃないか?まぁよかったじゃないか野営なのに広々としたベッドで一人ゆったりと寝れるぞ? しかしこれじゃ飯の準備は外だなぁ」

 これを作ったヤツはいったい何を考えて作ったのかと言いながらユウヒはベッド以外何もないテント? を出ると他の準備をし始める、そんなユウヒが出て行った後の部屋ではアリーネがユウヒの言葉にキョトンとした顔で首を傾げた後、その無駄に回転の速い頭であらぬ妄想を繰り広げた結果顔を真っ赤にさせるのであった。


「え?折角ベッドがあるのに二人で・・大きなベッド一人二人・・はわ!?」ボフン!




 そんなアリーネが妄想全開で真っ赤になっている頃ユウヒは外で食事の為の簡易の釜戸を作りながらストゥラカウのソルイットと雑談を楽しんでいた。


「そー君は何を食べるんだ?」


「うーうー(草と水があれば大丈夫だ後は果物が好物だ)」

 慣れた手つきで釜戸を作り終えると荷車に乗せてあった野営用の道具を降ろし使えるように準備をしていく、どうやらこういった作業は元からできるようでその動きに淀みが無い。


「残念果物は持ってないなぁ水なら遺跡の湧水がいっぱいあるだろうけど?」


「う~(むぅ残念だしかしあの水はどうも飲み辛い、外の水は普通なのだがな)」

 そんな作業も大半が終わり後は薪集めと点火を残し小休止を入れるのかソルイットの前まで来ると話し込み始める。そこまで残念そうでないソルイットはどうやら遺跡の水はお気に召さないらしくその理由を聞いたユウヒは先ほど汲んだ水を取り出す。


「ふぅん?飲み辛いのか・・俺も試しに飲んでみるか」キュポン


「うー・・う?(ふっ探究心が強いのだな・・・おやアリーネ殿?)」

 どうやら遺跡の水の飲みごたえを確かめたくなったらしくキュポンと言う軽い音を上げ陶器製の瓶を開けると飲み始めるユウヒ、その姿を見てソルイットはユウヒの見せる探究心に感心した声を上げる、しかしこのソルイットの声は良い塩梅に渋みがりそれで言ってその筋肉溢れる姿に絶妙に合っているのであった。そんなソルイットがユウヒの挑戦を見届けているとテント? からアリーネが出てきたことに気が付き声を上げる。


「あ、あのユウヒさん」


「んー?」

 しかしアリーネは何故か顔を赤くし緊張していた為ソルイットの声に気付かず水をそっと口に含んでいるユウヒの後ろまで来るとユウヒに呼びかけ、


「今夜は私と寝ましょう!」


「ブフォ!」


「うー・・(大丈夫かユウヒ殿やはり飲み辛かったか)」

 とんでもない爆弾を落としたのであった、流石に何の心構えも無くまた遺跡の水に集中していた為、そのとんでも発言に驚き口に含んでいた水を吹き出す、しかしそれでも急いで誰も居ない方へと噴出したのは賞賛に値するだろう、またソルイットは単純に遺跡の水が美味しくなかったのかと勘違いしユウヒを心配そうに見ている。その光景はまさにカオスであった。


「あれ? あ! 違うんですよ!? ベット一つしかないし私だけあんな大きいベットで寝るのは気が引けると言うかですね!? 決して男女の営みとかそんな情熱的な展開とかじゃなくてあうわ!?」


「うーう?(む、二人は子供を作るのか、ならば私がコツを伝授しようか?)」


「ふー危うく気管に入るところだった・・あーとりあえず落ち着こうか? どの道俺は外で周囲警戒もしないといけないしな。それとそー君? 俺達はそんなことしないから特に伝授の必要はないからね?」

 そして自分の言った言葉を思い返し慌てはじめるアリーネの説明で更なるカオスがその場を満たしていき、追順するようにアリーネの説明から間違った答えを導き出したソルイットは自らの経験談を話し始めようとする始末、突然の不意打ちによる咳き込みから復活したユウヒは先ずどんどんと混沌の深みにはまっていく二人を疲れた表情で止める作業を始めるのであった。


「え? 寝ないのですか?」


「うー?(なんだしないのか?)」


「二人? がなぜそんなに残念そうなのか気になるところだが・・多少は寝るが熟睡してしまっては護衛の意味が無いだろう?(まぁ同じベットで寝ても熟睡は難しい・・いやこの精神力があればあるいは?)」

 ソルイットは何故かひどく残念そうな顔をしユウヒは何とかこれでカオス状態を脱したかなとアリーネの方を向くと何故かキョトンとした表情のアリーネが何かを思い出したかのように話はじめる。


「・・・・・ああ、そういえばユウヒさんは護衛でした!」


「うー・・(忘れてたのかまさかここまでとは・・)」


「えへへ、なんだか一緒に遊びに来たみたいな気分になってました」

 そしてこの一言である、流石にソルイットもその言葉には残念な子を見るような目でアリーネを見詰める、そんな視線を察したのかアリーネはその場を笑って誤魔化すのであった。


「はぁ・・こういった採取はいつも護衛付けるんだろ?」


「はい、でも私一人って状況は初めてで研究所の人も居ましたし・・・いつもの護衛さんは体つきとか見た目とか・・視線とかがいろいろと・・」

 若干疲れの見えるユウヒの言葉に苦笑いのまま話し始めるアリーネ、どうやら一人の状態ははじめてで今までは研究所の知り合いと一緒に採取に来ておりその知り合いがまとめ役をしていたようだ。そして冒険者の話になると言葉が尻すぼみになって行き後半は何を言っているのか分からずユウヒは首を傾げる。


「ん?」


「それから考えるとユウヒさんは優しそうだしゴツゴツしてないし変な視線送ってこないし・・」


「ふむふむ?で?」

 どうやらこの世界の一般? 女性が男性冒険者に抱くイメージはゴツゴツがポピュラーなようだ、確かにガレフ然りイーゲル然りゴツゴツと表現できそうな筋肉ではあったがそんな、やはりだんだん尻すぼみになって行く説明を相槌を打ちながら聞いていたユウヒは結論を促す。


「なんだかユウヒさんが冒険者っぽくなくて・・あ! ごめんなさい!」


「むぅここでもか・・まぁいいよよく言われるし」

 やはりここでも今までと同じような評価を受けるユウヒであった、本人もこれで何度目かになるその評価に納得できずも頷かずを得ないのかと何だか難しい顔になるのであった。


「あ、ははえっとや、野営の準備手伝いますね!」


「ふむ・・」


「う(誤魔化したな)」





 混沌とした状態から何とか復帰したものの自分の評価について考えさせられた後、晩御飯を食べた俺達二人と一匹は焚火を囲みメイドイン俺のお茶をアリーネに振る舞っていた。そー君は晩御飯を食べた後は焚火から少し離れたところで横になっている。


「さてそろそろ寝た方がいいのではないか?」


「そうですね・・あのもう一杯だけいただけますか?」

 雑談をしながらお茶を飲んでいたがだいぶ夜も更けてきたので休息を進める、しかしアリーネは少し考えた後もう一杯のお茶を求めてくる。すでに結構飲んでるのだが、かなり気に入ってくれたようだ。


「気に入っていただけたのは嬉しいがあまり飲みすぎるとオネショしても知らんぞ?」


「し、しませんよ!? もう、私そんなに子供じゃありませんー!」


「冗談だよほら」

 アリーネのマグカップにお茶を入れながら俺は冗談を言ったのだが、アリーネは少し顔を赤くして抗議する。こういう反応をしてくれるとイジリ甲斐があると言うものだ。ついでに俺一人の時は即席で土から土器を作ってお茶を入れる所だが、今回はアリーネが持ってきていた小ぶりの鍋でお茶を入れている。


「あ、ありがとうございます・・それにしてもこんな美味しいお茶初めてです。殿下が評価したのも分かる気がします」


「そかーまぁ買うと高いからなお茶は、コヒーも高いのかな?」


「ユウヒさんはコヒー飲むんですか? 確かにこっちで買うとそれなりに高いですねサハールやオルマハールなら比較的安いらしいですが」

 お茶を渡すとアリーネは礼を言うとその紅色のお茶を見詰めながら評価してくれる、そんなアリーネに適当に返事をしているとふとコヒーを思い出し呟いてしまう、俺のそんな唐突な疑問にちゃんと答えてくれるアリーネは良い娘である。


「やっぱそうか・・(コーヒーも試してみるかな大豆コーヒーとか)」


「・・うー・・(・・ユウヒ殿私はもう眠いので・・ぐー)」

 俺が新たな合成課題を考えていると俺の後方焚火から少し離れた所に居るそー君が眠たそうな声でもう寝ると伝えそのまま寝てしまったようである。


「あら? ふふふ、そー君寝ちゃいましたね・・私ももう寝ることにします」


「んーお休みー」


「はいおやすみなさい・・えっと頑張ってください」


「おう任せとけ」

 そー君の睡眠を確認するとアリーネも寝ると言って立ち上がり去り際に激励してくれる。おれはその激励に答えるとウッドデッキまで移動し座るとすぐ手に取れる位置に槍を置き偶に焚火に燃料の枝を入れながら不寝番を開始するのだった。





「はぁ・・終わりません」

 以前にも同じ場所で同じような呟きを聞いた気がするが、ここはアミールの仕事部屋そこは依然見た時よりも明らかに散らかっていた。


「んー資料請求の円滑化や権限の拡大でほしい情報は手に入りますが・・これは膨大すぎです」

 その言葉が表す通りその部屋には所狭しと資料だろう羊皮紙に石版、ガラスの板や妙な機械にパソコンみたいなものまで様々な物が乱雑に積み上げられている。


「うーユウヒさんにも連絡入れたいけどある程度資料整理した後の方が話すことは増えますし・・あ、でも小出しにした方がこまめに連絡でき・・・わわ、私ったらなにを!?」

 唸ったり閃いたり顔を赤くして悶えたりと忙しく表情を変えるアミール、ここにフェイトが居れば抱き着くか終始ニヤニヤするであろう、先輩の場合は怒り狂うか絶望でまた真っ白になりそうだが。


「まぁ何にしてももう少し整理が必要ですね・・連絡は先になりそうです」

 そう言い少し肩を落とすと新しい資料を背後の山(積み上げられた資料)から無造作に引っ張り出し読み始める。


「・・しかしこの古代文明は予想以上に発展してたんですね? ここまで発展してたらこちらとも接触してた可能性はあるはずですが、そう言った記述が無いですね?」

 どうやら取り出した資料は、例の古代魔法文明の資料の様だその資料を読み進めながらアミールは不思議そうに呟く。


「しかも急に滅びてますし不可解な点も多いですね・・はぁなるほどここは」

 そんな風に気になる部分をピックアップしながら資料をまとめていくアミール、時折感心したり頭を捻ったり感動したりしつつも一つ一つ整理していくのであった・・彼女がユウヒと連絡をとれるのは何時になるのであろう、それは誰も知「何だか不吉なのでそのセリフ却下です」・・気のせいだろうか最近私に対するツッコミが多い気がする。


「は、そういえば妙と言えば先ほどの先輩も妙でしたね?まぁ変なのはいつも通りなんですが・・うーん?」




 一方その頃、とある仕事部屋ここもまた多数の資料で埋まっていた。


「むむむ・・やはり連絡を「却下じゃー」ぬぅ」


「まったく堪え性が無いの君は」

 そこには先輩と呼ばれる女性ステラと、とある事から爺形態禁止令を出された少女イリシスタが黙々と資料をまとめている・・と言ってもそのうち一名は全く仕事が手についてないが。


「そうは言ってもですね気になるじゃないですかお祝いの言葉も伝えたいし」


「お主2時間前に伝えておったでわないか・・それよりこっちの仕事も進めんか、いろいろ尻尾が出てきておるんじゃし」

 どうやら2時間ほど前にステラはアミールに正式な管理神になったお祝いの通信を入れていたようである、にもかかわらず再度通信を入れようとするステラにイリシスタは呆れながらも仕事しろとツッコミを入れる


「うぐぅ」


「だいたいじゃそんなに気になるならさっきのお祝いを言った時に聞けばよかったじゃろに」


「そ、それはですね・・」

 小さな両手で資料を持ちながら顔をステラの方に向けるとさらに追撃の口撃を放つイリシスタにステラは普段の彼女らしくなく狼狽える一方である。


「大方予想通りの言葉が帰ってきたり想像以上の事態になってたらと考えると怖かったんじゃろうが・・」


「はぁうう!?」

 そして連続口撃からの核心を貫く会心の一撃である、何とも無い顔をしつつもやはりあの姉でこの妹である内心ステラを弄って楽しんでいるのがありありと伝わってくるのであった。


「ユウヒ君の件ならそんなに心配する必要もないと思うがのどちらも奥手っぽいし?」


「・・いえ私が心配なのはアミールですあの子できる子ですけど天然入ってる部分あるので何をしでかすか・・うぅぅあああああぁぁあべし!?」

 自らの妄想で発狂しそうになるステラだが、即座にイリシスタの手から顔目掛けて投げられた分厚い資料により奇妙な叫びになり止められる、彼女達もそれなりに付き合いは長いのであろう、その一連の行動は水の流れのようにスムーズであった。


「うるさいのぅさっさと仕事終わらせないとお主のマル秘アミール写真集を焼き捨てるぞ?」


「ちょ!ま!?なぜにその秘密のアイテムの事を!?」

 いい加減にしろと言った感じでとある魔法の言葉を発するイリシスタ、その言葉に今までに無く慌てふためくステラ、どうやらその怪しい写真集は存在するようだがアミールがその存在知ったらどう反応するのだろうか。


「ふっ・・お主ワシの仕事は知っておろう?」


「・・・イリシスタ恐ろしい子!!」

 そんな慌てふためくステラにイリシスタはニヤリとした表情でステラを横目で見詰め、そんな活き活きとした顔に対してどこか某少女マンガのワンシーンのような表情で固まるステラ、その瞬間時間が止まったように動かなくなる二人しばらくすると時は再度動き出す。


「ふふふ、まぁネタは良いとしてワシも早く終わらせたいのじゃさっさとやるぞ?」


「はーいりょうかーいでーす」

 そんな今までの事がなかったかのように作業を始める二人、これもまた慣れた感じがする二人の姿であった。ちなみに以前も言った気がするがイリシスタは鑑定と調査を得意とする管理神である。




 いかがでしたでしょうか?


 今回はかなり集中力が続かない状況でいろいろ不安ですが楽しんでいただけたなら幸いです。

 それではまたここでお会いしましょうさようならー

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