第三十八話 ユウヒと学園都市とアン
お久しぶりですHekutoです。
面倒な事が終わりまた執筆活動を開始することが出来、三十八話も書けました。久しぶりに書いたので感が戻らず更新遅いですがよろしくお願いします。
『ユウヒと学園都市とアン』
「気のせいかな、なにか天災フラグが成立したような?」
街道を風のように進む人影、それは遠くで起こった天災を敏感に感じ取ったユウヒである。どうやら休憩と趣味の合成を終え学園都市へと向かっているようだ。
「今のところ特に危険を感じしないし大丈夫かな?」
何度も言うがこの男異常に感が良い、すでにそのレベルは人外のものであろうそんなユウヒは少し首を傾げ考えるも今の所害はなさそうだと、それ以降考えることを放棄したようだ。
「考えすぎてもしょうがないし、そろそろ学園都市の入口が見えてくると思うし普通に歩こうかな【解除】【探知】」
人が近づいて来たわけでは無いが学園都市の近くまで来た為、自分にかかっていた魔法を一度全部解除し再度【探知】の魔法だけかけなおしたのだった。
「とっと危ない危ない、あれって学園都市の門だよねたぶん?」
ユウヒが魔法の余韻で一歩を踏んだ時丁度曲がり角の向こうに小さくだが門が見える、どうやらここから学園都市までは一本道のようだ。ユウヒは自分の魔法による移動がもう少しで見られた可能性があったことに若干焦りと安堵を感じた。
「さて時間はまだあるけど、とりあえず宿をとってそれから研究所を探せばいいかな?」
そんなユウヒは移動中乱れた服を整えると、ゆっくりとした足取りで学園都市へ歩を進めながらこの後の予定を決めるのであった。
ユウヒが予定を決めていた頃ここはとある研究所の一室、そこには数人の人物が疲れた表情で作業台の上の焼け焦げた灰を見詰めていた。
「もう材料は無い・・ですか」
「はい、他の素材は残ってますが・・紙は最後ですね」
一人の人物がぼそりと呟くとその隣に立っていた女性が正確な現在の状況を伝える。どうやら何かの実験の材料のうち紙がなくなってしまったようだ。
「しかし紙があったとしてもこれ以上の効果は・・」
「そうね・・紙、ユウヒ殿は時間的にまだ無理でしょうし、とりあえず今日はここまでにしてみんな帰って休んでください」
さらに隣の女性が懸念を呟くと最初に話し始めたとても若くみえる女性は頭を掻きながらユウヒと言う名前をこぼしこの場の解散を告げる。
「わかりました、主任はどうするので?」
「私はまだ実験結果などをまとめないといけないものがあるので、先に帰っていいですよ?」
「気を付けてくださいね?主任まだちっさいんですから」
一人の女性に主任と呼ばれたとても若い女性がまだ仕事を続けることに注意をうながすと周りの者達もうんうんと頷く。
「わたしはもぅおとなだ! 子ども扱いすーるーなー!」
「あはは主任がおこったー」
「わぁいにげろー」
「はぁ・・・まったく騒がしい娘たちですね」
きゃーきゃーと楽しそうに研究室を出て行く女性たち、そして静かになった部屋の中で溜息をこぼす人物、名前はアン・ヴェール今年26になるエルフの女の子であr「女の子ってゆーなー!」おうふ!? ・・女性である。
「まったく少し発育が悪いからと馬鹿にして・・・」
少し・・発育が悪いと言うがその姿はどう見ても小学校5年生ほどであり一般的なエルフであれば最低でも中学3年生ほどには成長していても可笑しくない年頃なのであるが、そんな彼女は肩に届く程度のふわっとしたこげ茶色の髪を掻き上げると、作業台の上の灰をチラリと見て少し肩を落とすと自分の机へと向かい座ると羊皮紙に視線を落し作業を始めるのであった。
どうやら集中していたせいか机に向かってからすでに4時間が過ぎていて外はすでに夕暮れが近づいていた。
「ふぅ、私もそろそろ帰ろう・・あぁそうだった灰を片付けてなかった」
いつもより早いがそろそろ帰ろうかと思って伸びをしたのだがその時、作業台の上にある灰が目に入り片付けをしないといけないことを思い出した。
「サンプルはいらないわよね・・灰ならいっぱいあるし」
机の上に小山を作るその灰は現在私、アン・ヴェールが預かるこの研究室で研究されている古代魔法技術である『符術』の慣れの果てである。
『符術』とは、かつて遠い昔この地を支配していた古代文明が作り上げた数多の魔法技術の一つで、護符と呼ばれる媒体に様々な力を付与することで誰でも一定の効力を発揮する魔法具であったと言われている。この技術は古代文明の滅びと共に遺失した技術の一つで古代魔法技術と呼ばれ、様々な場所で様々な技術が研究されている。ここはそんな研究している場所の一つなのだしかし、
「未だにこの技術の基礎すら解明できずか・・文献が少なすぎるのよまったく解読班はなにやってんだか古代文字一つとってもまともに解読できないんじゃ・・はぁやめやめ!」
一度愚痴りだしたら止まらなくなってしまうのでこれ以上はやめておくことにし、作業台の上を片付けようとした時だった。ドアをコンコンコンと3回ノックする音がしたのだ、もうだいぶ遅い時間だが誰だろうかと不思議に思いながら私はドアの向こうにも届くように少し大きめの声で返事をした。
「はい、どうぞ」
「失礼します、アン・ヴェール様を尋ねる冒険者がいらっしゃっているのですが、御通ししてもよろしいでしょうか?」
ノックに入室許可をすると入ってきたのは研究所の事務員の女性だった、どうやら私に面会のようだが今日はそんな約束はしてない、とそこまで考えてまさかと思い聞いてみる。
「私を? ・・まさかユウヒと言う冒険者では!?」
「あ、お知り合いでしたかそうですユウヒ様とおっしゃっていました」
私の言葉に少し安心したのかそうですと言い胸の前で両手を合わせるようにしてニッコリと微笑む事務員さん、その姿はナニのとは言わないが大きさからもとても大人の女性を感じてうらやま・・じゃないすぐに通してもらわないと。
「すぐ通してください!」
「かしこまりました」
そう言うと通路に待たせていたのか一度部屋を出てしばらくすると、どうぞと言う声で一人の男性が入室し事務員さんは失礼しますと言い退室していった。
入ってきた男性はまだ若く人族なら見た目20歳くらいだろうか、真っ黒な髪を短めに整えていて優しそうな目をしている、その瞳は両目で色が違っていて左は濃い茶色で右目は綺麗な金色である。服装は短めのローブを着ていてその下に鞄を肩から下げているようだ、見た感じだけなら魔法士のような恰好だろうか。
「しつれいしまーす御届け物にまいりました~? ・・・アン・ヴェールさんですか?」
「なんで全部疑問形? えっと私がアン・ヴェールよ話はミューゼル様から聞いてます」
そんな風に彼を観察していると何故か疑問形で話しかけてきた、そんな言葉を不思議に思いながらミューゼル様には話を聞いていたので要件も分かっていると伝えると、
「それはよかったじゃこちらが品物になります」
「これは・・聞いていたより高品質みたいだけど・・」
それはよかったとニコっと笑うと鞄の中から包みを取出し私の目の前で解く、しかしいったい彼はいくつなのだろうか?その笑った顔は最初より幼く見えて少し目を奪われた、が彼が取り出した紙を見るとさらに目を奪われた。とても良い紙だと一目で分かる少し厚めでそれでいてしなやかで肌触りもとてもやさしい。
「ええ、高品質な分には構わないとの事だったので今の所一番いいものを持ってきました」
「ありがとう! 聞いていた通りね! あ、ごめんなさいすぐ報酬を持ってくるから待っててお茶も入れてくるから!」
彼は何て事の無いといった様子で話し始めた、これはミューゼル様に聞いていた通りの人のようである。少し大げさに言っていたとばかり思っていたが違ったようだこれならもしかしたらミューゼル様の言っていた話は全部当りなのかも知れないと、わたしの心を明るい感情が埋め尽くしいつもは気を付けている言葉使いを忘れて口早に待っているように言うと紙を抱きしめ足取り軽く奥の部屋へと駆け出したのだった。
どうもユウヒです。今私はグノー学園都市研究所の一室にて着席待機しております。
「まぁ特に用事もないし後は宿帰ってまったりするだけだったしここも興味あるし・・」
俺は無事学園都市に着いた後、特に何事もなく門を通してもらい良さそうな宿を探して門番の人に聞いた宿街に行ってみたものの、どの宿も高そうでなるべく安そうな店を探し一部屋借りたのだが小銀貨5枚とニジョウハンの二倍以上だったが、どうもこの位が普通のようで宿の店主にその話をするとびっくりしていた。
「その後小一時間ほど迷ってやっと到着か・・確かに広いな、侮っていたよ学園都市」
と無駄にいい声を出してキリッとした表情を造っているとふと離れた机の上に何かの燃えカスが置いてあるのが見えた、何となく気になったので作業用の机だろうか重そうで頑丈そうな机に近づきその燃えカスを見る。
「んー紙を燃やしたのかな? 文字が書いてあった跡が・・これは漢字? 『火』かな?」
よく読めないがたぶん『火』と思われる文字だけは確認できこれ以上は分からない為、右目の力に頼る事にし燃えカスを一つ摘まみとると右目を起動させ燃えカスを見詰める。
「これは「きになるの?」お?」
「それはうちの研究室が研究しているものよ古代魔法技術で『符術』って言うのって言ってもわか「なるほど」え?」
ヴェールさんの説明と右目の力それから俺のゲーム脳により何となくこの燃えカスの正体について想像が付いた。
【矛盾した護符の燃えカス】
護符とは、意味ある記号と力ある文字さらに素材により構成され様々な効果を発現させる魔法具の一つ、主に符術に用いられその用途は様々である。
護符構成
ベース:招来 属性や付与に合わせて何かを呼び出す基礎図形
属性:火 火の属性を表す文字、破壊の要素が主で組み合わせしだいで再生の意にもなる
付与:矢避けの加護 飛んでくる矢などを風で受け流す風属性の遠隔攻撃回避魔法
「てことはこれは護符の失敗作? 成功作? ・・んーやけにあべこべな・・」
「ちょ! ちょっとまって!? あなた護符を知ってるの!?」
「え? あーんー詳しくは知らないが少しはわかるかな?」
妙な組み合わせの護符を見ながらこういうのも有りなのかと悩んでいると物凄く焦った様子のヴェールさんが解るのか聞いて来た、確かに少しは分かると言ってもゲームやファンタジーな話に出てくる程度で今は右目の説明で補填しているがそこまでズレは無いようである。
「あれだろ?紙に意味のある記号や力のある言葉を書き込んでそれに合った力を付与することでいつでもだれでも付与された力を行使できたりお守りにしたりする」
「うそ、なんでどうして! すごいまさか本当に・・ねぇ! お願い護符と符術について教えて! いえアドバイスだけでもいいの!」
とりあえず右目の結果に俺の知識付け加えた説明をすると間違っていないようで、さらに興奮したように俺のポンチョを握って今にも抱き着いてきそうな勢いでお願いしてくる。見た目小学生ほどでしかないので座った俺とほとんど目線も変わらず顔もかなり近く、見た目はともかく右目が示す年齢は俺とそう変わらない為どう反応したらいいか悩んでしまう。
「え!? いやヴェールさんが研究してるのと俺の知ってるのが同じとは限らないしアドバイスって言っても正しくないかもよ?」
「いいの! 今行き詰ってて・・少しでも突破口になるなら! 報酬も払うわ! なんでも!」
一応断ってみようとしたもののあまりに必死なので多少の相談なら問題無いかなと思い返事をしようと思ったその時だった。
「あぁ、まぁいいで「話は聞かせてもらった!」おお?」バン!
「な、あんたたち帰ったんじゃ!?」
「主任! そんな時はお金じゃなく!」ダン!
「私の体で払うと言えば!」ドドン!
「渋る男も一発っすよー!」チュドーン!
研究室の窓枠に立ちそれぞれポーズをとる三人の女性、彼女たちの姿を見て少し驚くヴェールさんどうやら知りあいのようだが彼女たちのセリフを聞いた瞬間その表情が固まった。俺もその内容にぽかんとしてしまうもその場合おれはロリになるのかそれとも合法なのか非常に悩むところであるって俺何考えてるんだろ・・でも26って十分守備範囲なんだよね。
「・・・・」
「・・・・」ぷるぷるぷる
「「「あれ? 外した感じ?」」」
俺たちの反応にキリっとポーズをきめていた女性たちがあれ?っとその表情を崩した瞬間ヴェールさんが顔を赤く怒りの表情に染め右手を上げると
「一辺死んでこぉい!! 弾け吹き荒れよ! ウィン・ア・ブラスト!」
「「「ぎぃやぁぁぁぁぁ!!!」」」ズドォォン!
大声で叫び魔法を詠唱し三人の女性たちに手を向け魔法を放ったのであった。なるほどこれが研究所の爆発騒ぎなのかもと、研究所の窓から落ちて逝く人達の冥福を祈りながら妙な納得をしてしまう俺だった。
「・・・・うん、今できるアドバイスはするから落ち着こう話はそれからだ・・・」
「あ、う・・ぅぅぅ」
俺の言葉を聞いてまだ怒りが収まらないのか赤い顔で俯くヴェールさんであった。
あれからヴェールさんが落着くのをお茶を飲みながら過ごし、話ができるくらいまで復活したヴェールさんもといアンと自己紹介をした。彼女はエルフとドワーフのハーフで見た目は完全にエルフよりらしいが身長はドワーフよりらしい、その際年齢を言い当てたら何故かアンと呼ぶように言われた。
「んん、先ほども言いましたが私はここでその護符について研究しているのですが・・」
「ふーん、これはどんな護符にするつもりだったの?」
少し咳払いをすると真面目に説明を始めるアン、その説明に俺は右目の鑑定結果で矛盾の烙印を押された護符だった灰を見ながら質問する。
「あ、いえ・・まだ護符の研究はあまり進んでなくて遺跡などから発見された護符を真似てから模造品を作ってその効果から正しい組み合わせを模索している所なのです」
「ふーん? でもそれなら無理に紙でなくてもいいような気もするけど? 組み合わせねぇ」
「それはですね私の前に護符を研究していた研究室では魔法の羊皮紙や石版や木の板など使ってたみたいなんですけど」
アンの説明に相槌と質問をしながらその意味を少しずつ理解していく。
「ふんふん?」
「どうも主素材によって力の大きさが違うみたいで・・・研究棟を一つ駄目にしてしまい・・」
「・・・・・・・・・」
俺はその言葉を聞いて何があったか直感すると、あの休憩場で研究所について説明してくれたロゥンとキャスの恐怖に染まった顔を思い出し、あの子達のトラウマの原因を見つけた気がして言葉を失っていた。
「あい、今は大丈夫ですよ!? 一番安全で安定した素材が紙だと以前の研究結果からわかりましたので」
「・・・なるほどそれで紙なのか納得した」
どうやら今は比較的安全なようで少し安心するも、どこか安心しきれないのであった。
「はい、でこれがサンプルでとっておいた護符です・・なにかアドバイスは無いでしょうか?」
「これってこの灰と同じ護符かな? どんな現象が起きたんだ? こっちは灰になってるけど」
「ええっとこの図式は発掘された護符を元にしているのですがどんな付与がされていたかわからなかったので私の使える付与から順に試してて」
説明によると片っ端から付与して言ってその相性と結果から記号の意味と文字の意味を推測したかったようだが彼女の属性が風だった為だろうか、火が勢いよく噴出し燃え尽きる結果になっていたようだ。
しかし、どう見てもこの力ある文字って漢字の【火】なんだよね。それにこの記号とかもどこかで見たことありそうな気がするしドーマンセーマンとかと雰囲気が似てる気がする。そんな感じの記号やどこかで見たような文字みたいな記号で図形が作られてるし不思議だなぁ。
「なるほどそれで毎度勢いよく火が噴出して灰になっていると・・そりゃそうなるのかな」
「なにかわかりましたか!?」
「えっとこの図形が招来っていって・・・」
今ある情報と俺の推測から予想を説明する。この招来と火の文字の組み合わせから元々この護符は火を呼び出すための組み合わせなのだろう、そこに風の属性を付与したことによって火の火力を上げていたと推測・・しかしどうもこの場合【火】は破壊の意味合いが強かった半面、アンが付与したものはどれも矢避けや防護などの破壊とは逆の付与だった為【矛盾】と言う結果になり上手く起動せず暴走した結果、護符は自壊すると言った結果になったようだ。
「・・・・すごいです! 素晴らしいです! 解読班の鈍間共が未だしっかり解読できてない文字も図形もこんなにしっかりと解読しているなんて! やっぱり錬金術師様なのですね!」
「うぇ!? 何でそうなるの?」
俺の一通りの予想を伝えるとその説明に矛盾は無かったのかわからないがすごい勢いで俺の手をとるアンはなにやら毒を吐きながら俺を絶賛してくれるが錬金術師?様?なんでそうなるのかと聞いたところ、ミューゼルが俺の事を錬金術師だと予想したようで俺が合成魔法を使えるのではないかと言う所まで予想したらしい・・ミューゼル恐ろしい子である。
「はぁミューゼルがそんな事を、錬金術師かぁうーんちょっと違うような合ってるような? 秘密にしてくれると嬉しいんだけど」
「大丈夫です! 秘密は厳守いたします! この命に代えても・・なのでまた行き詰った時に授業を依頼してもいいでしょうか・・」
なにやらアンの中で俺の評価がうなぎ上りのようで俺の本性を知った時に落胆させてしまいそうで少し怖いが、慕われるのは悪くないと思う俺も居るのでアンの頼みは断れそうになかった・・・別にモジモジしながら上目使いでお願いしてくるアンが可愛かったとかそんな理由じゃナイデスヨ?
「あぁまぁ都合が合えば受けるが授業ってほどでもないと思うよ」
「いえ! 今回教えていただいたことだけで5年いや10年分以上は進んだと思います!」
「そ、そうなのかー」
俺にはその辺の事は良くわからない為、曖昧に返事をしてしまうがアンはそんな俺に気が付かず興奮したように説明してくれる。
「はい少なくともこれで完成した護符を作ることが可能なレベルまで来たのですから!」
「そっか、役に立ったなら何よりだよ・・それじゃこの辺で御暇させてもらうよ」
「あ、もうこんなに暗く・・すいません長時間拘束してしまって。すぐ追加報酬もお持ちしますので」
そう言うとアンは奥の部屋に小走りで駆けて行く、確かにこの護符に攻撃系の付与を行えば【矛盾】の烙印は消えそうではあるかと考えるとこっそりとその護符の図形をメモしておくのだった。
その後数分で戻ってきたアンに報酬を貰うと研究所を後にした、出口まで案内してくれたアンが俺に一生懸命手を振っている姿には不覚にも萌えたが、その後ろからこちらをニヤニヤしながら覗いている三人の包帯姿の女性達と目が合うとアンも気が付いたのか後ろを振り向き固まる両者、俺は何も見なかったことにしてその場を足早に去ることにした、後ろから聞こえてくる爆発音と三つの女性らしからぬ悲鳴に耳を押さえ何も聞かなかった事にしながら。
「(見ざる聞かざる・・言わざるも足しとこう・・そうしよう)」
そうして俺は夕闇と爆発光に染まる学園都市の中を宿へと足早に帰ったのであった。
「・・・なんで風属性であんな爆炎が上がるのか不思議だ」と最後に呟きを残しながら。
どうでしたでしょうか?
久しぶりで時間誤字脱字探しにも時間がかかりましたが世界観が崩れず書けていると思いたいです。ここから学園都市編っぽさが出していければいいなと思ってます。
それでは今回もこの辺でまた会いましょうさようならー。




