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第三十七話 遺跡の上のユウヒ

 どうもHekutoです。


 三十七話が完成したので更新します。今回は少し短めですが彼らの活躍? もありますそれでは『遺跡の上のユウヒ』始まります。




『遺跡の上のユウヒ』


「ん~結構進んだし太陽も真上だしそろそろお昼の時間にしようかな」


 俺は休憩所を後にして周りに人が居ないことを確認すると【飛翔】の魔法を使い移動していた、そういえばこの魔法はあまり強化された感じはしないのだがまぁ理論上空を自由に飛べるモノを正しく使ってないのが影響しているのかもしれないが。


「む、あの岩の上とかよさそうだな・・よっと!」

 地面すれすれを飛ぶように移動しながら前方に見えてきた大きな岩を休憩場所に決めると、周りを確認して岩の頂上まで一気に飛び上がった。


「とっと、んーいい見晴らしだな・・あそこに小さく見えるのが学園都市かな?そう考えるとこの岩結構でかいんだな」

 実はこの世界に降り立ってからずっと気になっていた事なのだが、街道沿いと言わずあっちこっちにこのような巨大な岩が点在している、イノシシと戦った場所なんかは特に多かったので何かあるのかと思っていたらその理由がアミールから貰った知識の中に少しだがあったのだった。


「まさかこの岩が遺跡とは思わなかったな、滅びた古代魔法文明の名残とかねぇ」

 俺は岩に座ると鞄から干し肉を取り出し齧りつきながら、晴れたソラを見上げると調べた内容について思いふける。


 古代文明そして遺跡である、なんでも今から何千年も昔この世界には超が付くほど発展した魔法文明があったらしくその文明は海底、地底、大地、空そしてこの星の2つある衛星にまでその住処を広げていたらしい、しかしアミールも理由は調べ中らしいのだがその文明は急に滅びたらしくこの世界にはその当時の遺跡があっちこっちに点在するらしい。


「そしてこの岩はかつての浮遊大陸の慣れの果てか、見てみたかったなぁその風景」

 手でざりざりと岩の質感を確かめながら、買ってから残り半分ほどまで減ってきた干し肉を齧り再度ソラを見上げると今は無き浮遊大陸の勇士を妄想するのだった。


 浮遊大陸とは、そのまま大地が空を浮き移動するのだろう・・だろうと言うのはどうもそう言った昔の情報が整理されてなく、アミールから貰った知識もアミールが分かる範囲のものなので完全にはわからないのだ、今度アミールと連絡したらその辺についても聞いてみようかな。


「もぎゅもぎゅ・・ん?」ゴト・・

 そんな歴史ロマンに浸りながら次の干し肉をバックから出そうとすると、今日の朝報酬として貰った盗品箱が転がり出てくる、毛皮とか歯とか元々の荷物とか結構入っている為か押し出されたようである。


「ふむ、少し荷物の整理が必要かな? この盗品箱も開ければもう少し小さくなるだろうし毛皮も合成で加工しちゃうかな」

 盗品箱を持ち上げて眺めながら、この岩は結構高いし大きいのでここでなら合成魔法を使っても見つからないかと思案すると食べ物を片付け、まず盗品箱を開ける事にした。


「しかし盗品箱かぁあれだなゲームで言う宝箱的な感じだな・・オンラインゲームだと中身完全ランダムの運ゲーなんだけど何が入ってんだか・・」

 昔と言っても最近の過去を懐かしみながら【身体強化】の魔法を使い、釘で密閉された木箱を己が力でこじ開けにかかった。とりあえず言えることは人間道具を使うことで進化してきたのだと言う事である。


「いけると思ったんだが力を籠めすぎて先に蓋が逝くとは思わなかった・・・」

 数分後そこには蓋の部分だけ砕けた箱が出来たのであった・・予想外の事態に若干思考が停止するも、箱の中身は無事か確認する作業に移る。


「これは・・緑色のガラス板?まさかエメラルドとかな訳はないよねぇっと右目起動」

 中から出てきたのは少し透き通る緑色のガラス板であった、一瞬宝石かと思ったがその大きさは単行本ほど有り厚みも1.5cmほどある為、そんな国宝級な宝石なら金にするだろうと思い直すと、今日はまだ発動させてなかった右目の力を使い調べることにしたのだが。


【魔動力式長期情報保存端末】推定製造経過年数8000年

 魔力を用い情報を保存閲覧する情報端末の長期保存版。

 多目的な情報の保存及び、閲覧に用いられ保存する時と使用する時に魔力を使うことで利用でき一度保存された内容は魔力の無い場所でも消えることは無い。

 しかし保存には別な装置が必要な為、この装置単品で出来ることは閲覧のみである。


 保存データ:誰でもできるお菓子作り1、これであなたも女子力アップ、彼氏を作る108つの魔術、付与魔術総合技術書、楽してダイエット...



「・・・・・・・・・・・・ぇ」

 あまりに突っ込みどころが多くて俺の頭は付いて行かなかったらしくまともな言語を発することができなかった、しかしこれはまさかと言うか何というかどうやらこの岩に登ったのは何かのフラグだったのか。


「これってたぶん例の古代魔法文明の遺産だよね?8000年てなってるし・・」

 どうやら俺は当り? を引いたらしい、大方盗掘団か何かの収集品を手に入れた人間が判別できなかったかで箱に入れたのだろう。しかし中身のデータは何だろうか色々と突っ込みどころ満載だが、考えられることはこの所持者は女の子だったのだろうそして好きな異性でも居たのか・・いつの時代も女の子は変わらないものなのだろうか。


「でも技術書は興味があるな・・なるほど魔力を込めると起動するのか、そしてタッチパネル操作・・スマフォ?んーむしろPAD?」

 何かどこかで見たような動作をする遺物に苦笑いを浮かべとりあえず中身のデータは後で調べるとして様々なピクトグラフが表示された画面を消しバックに大事にしまい込んだ、次に取り掛かったのが風呂敷に包んでいたシリアルラットの毛皮である。


「んー取り出して見たものの汚いな、とりあえず綺麗にしてやれば少しは小さく収まるかな?毛皮ならこっちでいいよね【洗浄】」

 体を洗うのにも使った妄想魔法を毛皮に使ってみると、フヨフヨと毛皮が宙に浮きそこを中心に水が少しづつ集まり始め次第に大きな水の塊になると水が高速で乱回転しだし毛皮を洗浄する。


「これは見ていて面白いな、でもこの勢いで体を洗いたいとは思えないな・・」

 あの毛皮が自分の体だったらとんでも無いことになってそうだ、とどうでも言い事を考えながら洗われる毛皮をしばらく見ていると終わったのか水が帯状にばらけ空気中に消えていき宙に浮いた毛皮だけが残る、毛皮は綺麗になっているみたいだがまだ濡れているので次なる妄想魔法を使用する。


「んー風属性で少し火・・はいらないか風だけで【乾燥】」

 キーワードを唱えると今度は宙に浮く濡れた毛皮を包むように風が集まりだし球体を描くように風が吹き荒れる、しかしそれは限定された空間で起こっている為こちらには全く影響がない、それは何時ぞや使った【トルネード】を彷彿とさせ若干毛皮の安否?が気遣われたが・・。


「・・・おお!上手く行ったなー綺麗な毛皮だ、しかも固すぎず柔らかすぎず張りがあるふかふかの触り心地」

 乾燥作業は数分で終わり手元にフヨフヨと落ちてきた茶色の毛皮は光りに当てると鮮やかな緑を反射し不思議な色合いを見せる、予想以上に綺麗になっていて満足できる仕上がりで汚れてごわごわしていた時よりは小さくなったので一通り頬ずりしたあと風呂敷に包み直しバックに入れる。


「つぎは・・・」

 そんな感じで合成魔法を続けこの時加工した物は、シリアルラット毛皮の洗浄、シリアルラットの歯を螺旋状の弾丸に加工しロックボルト用の非常用弾丸に加工しそのほかには薬草をお茶や薬に、果物は以前ドライフルーツを貰ったときに美味しかったので全部ドライフルーツにして鞄のスペースを確保し暇があれば学園都市でまた生の果物を調達することにしたのだった。


「うん、これだけ減らせば十分だろう開いたスペースに採取用の陶器瓶なんかを足してもまだ余裕あるし」

 そんな感じで楽しい魔法の時間をすごした俺は魔法で水を出し手と顔を洗うと気合を入れて立ち上がった、結局俺がその場で食事を始めてから移動を開始するまで実に2時間と言う時間を消費したのであった。


「・・・ゆっくりしすぎたかな?少し急ぐか」

 そんな言葉を後方に置きながら【飛翔】を使い滑るように岩から飛び降りると移動を開始したのだった。





 一方そのころ。


「大きな・・あれはネズミでござるか?」

「でかい鼠だな、あまり美味そうではないが・・」

「うはww食うのかおwww・・そう言えばしばらく肉食べてないな」ゴクリ・・


 森の中を木の枝に飛び移りながら進む3モブ忍者、その眼下には暴走まじかなのか興奮したシリアルラットが大量に蠢いていた。しかし空腹の彼等にとっては暴走ラットも食材の一つになりかねないようだ、一応だがシリアルラットも食べれないことは無いが臭みが強くさらに寄生虫や病気を持っていたりするのであまり食用には向かない。


「そういえばネズミはペストを媒介するのでござったか?」

「ベスト?・・なるほどあの毛皮は良いベストになりそうだな」チャキリ

「いやいやペストだから、今あそこに切り込んだら確実に齧られるからww」


 ヒゾウのツッコミにそれもそうかと短刀を鞘に戻すジライダ、その時彼の磨かれた鏡のような短刀の刃が木漏れ日を反射し一匹のシリアルラットの目に眩しい光を注ぐ、


「ピギィィィィィ!!」

「な、なんだ!?」


 急に一匹のシリアルラットが叫びだしその叫びに身構える3人。


「うはwwジライダの殺気で敏感にお怒りですよwww」

「ちょま!?俺のせいかよ!」

「流石名前に負けぬ行いまさに地雷を踏んだでござるwww」


 焦るジライダをとてもイラっとするニヤリ顔で煽るヒゾウとゴエンモ、その顔は心底楽しそうである。


「だれが地ら「ギィィィィィィ!!」うっさいわ!」シュッ!

「あらまぁ奥様聞きました?」

「ええ、奥様うるさいですってよ?こわいわぁ」


 まるでその煽りに便乗するかのように叫ぶシリアルラットそして怒りにまかせてまだ若い木の実を木から毟り取ると投げつけるジライダをさらに煽る二人、しかしその一連の行動が去らなる混乱を呼び起こした。


 ひゅるるる・・ぽこっ・・ぽこっ・・ぽこっ・・ぽこっ・・ぽこっピロリロリロ!


「「「「・・・・ギィィィィィィィ!!」」」」

「うほww連続ヒットでわんあ」

「それ以上言っては消されるでござる!?」

「・・・何か不味い感じだな」


 ジライダが投げた木の実がは密集していたシリアルラットに連続ヒットする、すると当ったヤツが暴れ出しそれによりその隣のラットも暴れ出す。それは宛ら火を点けられた火薬のごとく爆発的に広がり暴走ラットと言う一種の天災を発生させてしまい、それは次第にいくつかのグループに分かれるように蠢きだす。


「むぅ、これはいったい・・」

「動き出したでござるな・・」

「・・木が数本と言わずなぎ倒されてるんですけど・・」


 流石の3人もどんどん悪化する現状に若干顔を青くする、その眼下では大量に居たシリアルラットがギィギィと叫びながらいくつかの集団に分かれ移動を開始し始めていた。


 その中でも一番多い集団は木々を薙ぎ倒しながら北へ向かい、二番目に多い集団は東へと木々を縫うように走り始め、その他の少数に分かれた集団群は南方に拡散するように動き出す。そんな異常事態に3モブは互いに身を寄せあい何かボソボソと話しながら過ぎ去るのを待つだけであった。


「と、とりあえず我らは特に何もしてないと言う方向で・・・」

「う、うはww隠蔽ですね、わかりま・・賛成」

「た、たぶんでござるが・・拙者らが何もしてなくてもこ、こうなったと思うでござりゅ」


 実際彼等3モブが何もしなくてこの暴走は起きていただろうことは間違いないのだが、どこまでも情けない男達である。


「しかしこのままでは不味いでござろう?」

「ふむ、そうだな周辺の村や町に知らせねば・・何が起きているのかさっぱりだが」

「そうだね最低でもこの近くの村とグノー王国それから姉御にも連絡しないと」


 しばらく情けない相談をしていた3モブだが急にキリッと真面目な顔になるとこれからの方針を完結に相談し始める。いつもの事だがこの切り替えの早さは賞賛に値するだろう。


「じゃゴエンモは、地図読めるしこの周辺の村を頼む」

「了解でござる」


 こう言うときの指示役はどうやらヒゾウの役割のようである即座に行動方針を練ったのであろう淀みなくゴエンモに指示を出す。


「ジライダはグノー王都方面の村と王様に報告」

「うむ、我に任せよ」


 さらにグノー王への報告をジライダにまかせるがその了承の声はどこか自信に溢れ偉そうである。


「おれは姉御に超特急で報告してくる」

「「迷うなよ?」」

「大丈夫だ問題無い・・帰巣本能だけは完璧だから!」


 そして最後にヒゾウが御頭の所に向かうようだ、しかし二人はヒゾウの特性を思い出すと微妙に心配そうな目でツッコム、その反応は想定済みだったのかヒゾウは自信満々の声で返答したのだが。


「自慢にならんでござる・・」

「流石引き籠りだな!」

「うるせ、それでは各員健闘を祈る・・散!」バババッ!


 そのあまり自慢できない自慢に疲れた顔でぼそりと呟くゴエンモと眩しい笑顔とサムズアップで褒める? ジライダ、ヒゾウはその反応に口をとがらせるも直ぐにキリッとした顔に戻すと行動を開始する為、「散!」と合図を出しその場から掻き消える3モブしかし、


「そのセリフ狙ってたでござるにぃぃぃぃ・・・」

「ぬぅ先をこされたぁぁぁぁ・・・・」

「はっはっは!一度言ってみたかったんだぁぁぁぁ・・・」


 とやはりその場にアホなやり取りを残していくのであった、本当に締まらない三人である。


 ちなみになんだかんだでこの三人が手に入れた忍者としての力は非常に優秀で、単純な走破能力では現状ユウヒの【飛翔】と【身体強化】を使った時の移動能力を超えさらに戦闘能力も基礎体力から高度な技術的なところまで難なく扱えるので単独でユウヒと戦って勝てるレベルである。しかし、未だ体術忍者なので魔法で遠距離また広範囲攻撃をされると弱いところがある。


 かと言ってこいつらが真面目に戦闘するとも思えず又、ユウヒに色々頼みごとをする気でいる3モブがユウヒと戦う日が来ることはまずありえないだろう、どの道魔法で殲滅されそうではあるが。


「あれ?何か今フラグ立たなかった?しかも死亡臭のする?」


「む?何か魔法で殲滅される未来を幻視したでござる」


「あれ?道こっちで合ってたっけ?」

 さて彼らの未来はどの方向へと向かっているのか・・それは誰も知らない。




 どうでしたでしょうか?


 彼らの活躍で話が面白い方向に行けばいいのですが・・、やはりキャラ立ちのせいか3モブは人気があるようでそれに負けないキャラ造りをユウヒにも出来たらなと思ってたりなかったりします。

 それでは今日もこの辺でまたここでお会いしましょうさようなら~

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