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第二十三話 ユウヒと茶会と姉妹姫

 どうもHekutoです。

 だいぶ長いこと間が空いてしまった気がしますが更新できるしだいです。それでは待ってくれてた方もそうでない方も第二十三話『ユウヒと茶会と姉妹姫』をどうぞ。




 

『ユウヒと茶会と姉妹姫』


 城に到着して結構歩き回って現在、俺は昨日の襲撃騒動があった食堂まで来ていた。


「んーやっぱりまだ使えそうにないなぁ」

 襲撃で傷ついた食堂はまだ修復が終わっていないようで立ち入り禁止の看板が置いてあり、そこから覗いた中もまだ血痕など有り薄暗いことも相まってちょっとしたホラーハウスである。


「さてと、ここまで来ればあとは部屋に戻るだけだな」


 流石にそろそろ歩くのに飽きてきたので、さっさと部屋に戻ることにしたのだが、

「・・みつけた」

 と言う声と共に俺の腰をボフっと言う軽い衝撃が襲う。


「もう!ルルイア危ないでしょ」

 後ろをふり向くとティーラ様がメイドを引き連れこちらに少し早めに歩いてきており、俺の腰にはルルイアがつかまり俺を見上げていたていた。


「おや?ティーラ様にルルイア?どうしたんですか?」


「おはなし・・」


「もぅ・・すみませんユウヒ殿とお話ししたいとルルイアが、それで探していたのですよ」

 どうやらルルイアが俺と話したいらしく二人はメイドさん達と探していたらしい、悪いことをしてしまっただろうか。


「おねえさまもお話ししたいって」


「え!?あ、いや確かに言いましたけど・・あぅ」

 どうやらティーラ様もらしい、俺の腰につかまったままティーラ様を見上げるルルイアの言葉にティーラ様は顔を赤くして照れる。どうも聞いた話だとティーラ様は男性不信?と言うか苦手らしい、ルルイアもあまり好きじゃないと聞いたが勘違いだっただろうか。


「あはは、まぁ特に用事ももう無いですし構いませんよ?」

 そう俺が言うとルルイアが俺のポンチョの裾を握り引っ張る、どうやらどこかに案内してくれるようだ。


「ふふ、ルルイアったら」

 微笑ましそうにルルイアを見詰めるティーラ様、どうやら姉妹の仲は非常に良いようだ。そんなことを考えながら俺はルルイアに先導されて進むのだった。





 あら?初めましてティーラ・グノーです。今私たちはユウヒ殿を伴い良くお茶をする庭に向かっています。


「ところで俺はどこに連行されているので?」


「庭でお茶する」

 そういえばユウヒ殿には、どこに行くか伝えてませんでしたね。うっかりしていました。


「はい、ルルイアとよくお茶をする庭があるのですよ構いませんか?」


「うん?大丈夫だよ?ってルルイアそんなに引っ張らなくても逃げないよ」

 ルルイアは嬉しいようですね、いつものように表情は少ないですが雰囲気がとても楽しそうです。ユウヒ殿は苦笑いしてますが此方も楽しそうです。


「ん、ここ」


「んーこっちは花が咲いてるな、緑一色もいいけど花があるのもいいよね」

 どうやらユウヒ殿は城内の中をいろいろ散策してきたようですね。3人で、庭につくられた休憩用のテラスまで行くとすでにメイド達がお茶の準備をしてくれていたようです。


「準備ご苦労様」


「いえ、すぐにお茶を入れますのでお座りになってお待ちください」


「あ、どうも」


 3人で石造りのテーブルの周りに設置してあるクッションが3つ置いてあるこちらも石造りのベンチに座りお茶を待っていたのですがルルイアは待ちきれないようで、

「ユウヒお話しする」


「ん?さて何を話したものか?」

 ルルイアの要望にユウヒ殿はどんな話をしてくれるのでしょか?しかし、お話しをしながらお茶を待つのもいいですが急に話の話題を探すのは難しいものですね。


「そうですねぇ・・あのユウヒさんは冒険者は長いのですか?」


「んー本格的に活動しだしたのは、最近からだな元々身分証明として取っただけだし?」

 ・・・冒険者とはそんな理由で普通なるものなのでしょうか?う~んわかりませんね今度バトーにでも聞いてみましょう。


「じゃあ、ユウヒはなんでグノーに来たの?」


「あーそれはまぁ探し物かな?頼まれごと?まぁそんなとこ、あとはブラブラと面白いこと探しかな」


「探し物ですか?どんな物なのですか?」


「んーそれは秘密かな?まぁいい物じゃないな危険物らしいし、まぁこの話は以上だな」

 これは、あまり聞いていい話題ではないようですね。しかし危険物ですか国としても危険なモノならなんとかしたいところですが。


「お茶が入りましたのでどうぞ」


「ありがとうユウヒ殿もどうぞ」


「あーどうも・・・ティーラ様?俺の事は呼び捨てで構いませんよ?」

 呼び捨てですか、殿方を呼び捨てにしたことなどあまり経験がありませんので少し照れくさいですね、しかしルルイアもアルディスも呼び捨てで私だけと言うのもどうなのでしょうか・・そうですね。


「そう、ですねえっと・・ユウヒ・・さん?・・私の事もティーラでかまいません」


「えーあ、はい了解です・・ティーラ」


「・・・・」じーー

 何か視線を感じて横を見てみるとルルイアが無表情で私とユウヒ・・さんを交互に見ており、さらにその後ろでメイド達が顔を少し赤くして何か話し合っているようだ。


「ど、どうしたの?ルルイア」


「お姉さまなんだかいつもと違うね?」


「そ、そうかしら?」

 私の動揺を見透かすようなルルイアの澄んだ瞳に、なんだか恥ずかしくなり顔が熱くなるのを感じました。それを誤魔化すようにユウヒさんの方に視線を向けるとユウヒさんはその不思議な金色の瞳で紅茶を見詰めています。少し気になったので誤魔化す意味も込めてユウヒさん・・に聞いてみる事にしました。


「あ、あのどうかされました?」


「ん?いや良い茶葉を使ってるなと思って・・オルマハール産か一度行ってみたいな」


「いいところですよ?海産物や紅茶に宝飾品それから大砂丘が有名ですね・・でも私にはあの暑さが辛くて」

 私は何度か行った事がありますが一度目は暑さでほとんど外に出なかった記憶があります、ルルイアはまだ言った事が無いのですが。


「熱いのかぁ・・まぁそのうちかなぁ」


「オルマハールは美人がおおくて男は食べられて捨てられるっていってたから気を付けて?」


「る、ルルイア!?どこでそんなことを・・///」


「?・・れんぺいじょの人たちが話してた」

 よくルルイアはどこからか聞いてきた話をしてくれるのですが、よく意味がわからず話すのでこちらが恥ずかしくなってしまいます。・・・とりあえず練兵所の誰かは知りませんが後でお父様に相談しなければ、ルルイアの情操教育上よくないですし・・。


「女王がトップだからかねぇ?ま、気を付けるさありがとな」


「そういえばよくオルマハール産の紅茶だとおわかりに・・」

 ユウヒさんの礼に少し照れているルルイアを微笑ましく見ながら、私はふと気になった事をメイドに確認の目配せをしながらユウヒさんに聞いてみた。


「はい、本日のお茶はオルマハール産の紅茶です」


「ん~?まぁ特技みたいなものさ」

 ユウヒさんはとても多才な方の様ですね。襲撃時の落ち着いた対応(狩人の心得)や毒を見破った事(右目)、それに今日の朝見せて貰った魔法やお茶の鑑定・・冒険者とはこうも多才なものなのでしょうか?あまりそういった方とはお話しする機会がありませんし・・これも後でバトーに聞いてみましょう。


「ふーん?ね、ユウヒは今日ここに来るまで何してたの」

 不思議な目の冒険者がどんな冒険をしているのか、と想像しているとルルイアは次の質問をしだす。どうやらこのお茶会はまだまだ長く続きそうですね、ふふふ。





 現在俺は尋問官ルルイアの尋問を受けている、と言うのは冗談で楽しくお茶をしている。しかしオルマハール産の紅茶を飲んでいるとなんだか黄色いパッケージの紅茶が飲みたくなったのはなぜだろうか。


「練兵所で魔法使った後、周りが鬱陶しくてな・・まぁ冒険者ギルドにも用事があったし城を出て散歩しながらギルドに行ってきたのさ」


「ふーん・・なにか面白い物あった?」


「いろいろあったな・・コッケルの串焼きは美味しかったな、あといろいろな種族を見れるのは楽しいな・・ウサギ耳とかネコ耳とか犬耳とか」

 露店通りでの事を話したのだが何故か後半は獣耳の話になってしまった。おかしいな、他にも色々あったはずなんだがどうもアレらは俺の心に大きな衝撃を与えていたようだ。


「あの、ユウヒさんは獣人族の方々に何か思う所は無いのですか?」


「ん?んー・・かわいいとか?」


 なんだか神妙な顔で聞いてくるティーラに俺は特に考えることもなく本音を言ったのだが、何故かキョトンとした顔で、

「か、かわいい・・ですか・・あの王族の私がこう言うことを言うのは良くないのですが」


「?」


「グノーやオルマハール以外の国ではあまり獣人族の方は良く思われていないのですよ・・今は酷い差別があるわけでは無いのですが」

 ふむ、どんな世界も人ってのは自分と違う者を嫌う性質があるのかね?まぁ俺も害のある奴は嫌いだけど。


「そうなのか、まぁ俺は特に何もないなぁ害がなければ・・・山賊とか襲撃者には容赦しないけど?」


「ふふ、でも昨日の襲撃の時は一人も殺めていなかったと聞きましたが?」


「あれは、まぁ食堂が血で汚れるのもなぁと言うのと進んで殺しをする気もしないしね」

 まぁ好き好んで血が見たかったり殺したりする殺人鬼になる気はないからな、まぁ日本人の甘さなんだろうけど俺は嫌いじゃない。


「やさしいのですね・・」


「なに、甘いだけさ」


「ユウヒ他にはなにしてた?」


 どうやらルルイアはあまり興味の引かれる話じゃなかったようで、次の話を催促してくる。こう言うところは子供の良い所なのかも知れないな空気を澱ませないと言うのか、

「まぁ?そのあとはギルドで昨日のパーティメンバーと昼飯食べて報酬の山分け分貰ってまた城まで散歩しながら戻ってきたけど」


「ほうしゅう?」


「討伐依頼の報酬だよ、そのあとは高級区でお店を見て回って城まで帰って・・まぁ自分の部屋が分からなかったから散歩しながら探してたんだけど・・で現在に至るわけだな」

 若干説明が情けないがそんな感じだっとルルイアに説明する。


「お城の中はどこを散歩したの?」


「ん?んー何も考えず歩き回ったからなぁでも何か妙に視線を感じたな?」


「視線ですか?」


「うん、あとは緑いっぱいの庭だなバトって人に会ったけど」


「バトーに会われたのですか・・でしたらそこはバトーの研究庭園でしょう」

 何か妙なワードが出てきたので聞き返してしまう。


「?バトー?研究?なんぞそれ?」


「ええ、それはきっと王宮魔術師顧問のバトー・M・トリティオですね。とても深い知識を持っていて栽培の難しい植物を研究しているのがバトーの研究庭園です」


「・・・自分の事ガーデナーと言っていたぞ?」

 あの爺さんはさも自分は庭師です的なことを言っていた気がするのだがその辺についてティーラに聞いてみると、


「それは自称ですね、あはは・・庭弄りが趣味って言ってましたから」

 との事である要は、俺が騙されたと言うわけか別にどうでもいいけど何で自分の役職を偽ったのか謎である。


「バトーはいろいろ教えてくれるよ」


「なるほどねー」

若干渇いた笑いを漏らすティーラといろいろ吹き込まれてそうなルルイアが説明してくれた。どうやらあの老人結構な偉い人の様である、まぁ早々会うようなこともないだろうし問題は無さそうだね。





 私はティーラ様付のメイドなのですが、今目の前で起こっていることはなんでしょうか?・・奇跡と言えばいいのでしょうか。


「・・・自分の事ガーデナーって言ってたぞ?」

 あんなに男嫌いであったティーラ様が・・と言ってもそっちの性癖と言うわけでは無いのですが。


「それは自称ですね、あはは・・庭弄りが趣味って言っていましたから」

 昔から多数の国の多数の男たちにたびたび求愛や政略結婚の話など持ちかけられ場合によっては強引に押し倒そうとするものまで居た為、ひどく男性を恐れるようになってしまわれたティーラ様が今目の前の男性に笑みを向けているのです。


「バトーはいろいろ教えてくれるよ」

 その上ティーラ様が駄目だとわかった者や一部の変態貴族などが、まだ幼いルルイア様に対して何かあるごとに謁見し無遠慮な視線を向けてくる為、ルルイア様まで男性を嫌うようになってしまいましたのにこの笑顔・・。


「なるほどねー」

 このユウヒと言う冒険者はいったい何者なのでしょうか・・感動に震える心と裏腹に複雑な思いが懐疑的な考えを起こしてしまいます。


「(先輩・・これは脈ありなのでしょうか?)」


「(それは早計です・・今はまだ観察するのです、ユウヒ様が善良と決まったわけではありません)」

 そう、どんな考えが私の中を過ぎろうと実際の事などまだ解らないのです。いったい彼の何が姫様達の心を開いたのか解らないのです、早計な考えは危険です。


「(でもよかったですね姫様達にも普通に話せる男性ができて)」


「(そ、それはそうですね・・ですが世の中詐欺師と言う人種も居ます気を引き締めるように)」


「(はい、了解です)」

 この後しばらく談笑した後ユウヒ様が部屋に戻られるとのことでお茶会はお開きとなりました。観察していても言葉使いが乱暴に感じる以外は特に悪い点は見つかりませんでした・・冒険者としての実力魔法の力に広い見識優しい心・・本人は甘いだけと言ってましたが・・これで詐欺師なら相当な悪党ですね・・。


「先輩どうでした?」


「・・まだ判断に迷いますね・・他の方にも手伝ってもらって調べた方がいいかもしれません」


「え?そこまでやるんですか?」


「やらないで後悔はしたくないでしょ?」

 後輩はどうやら乗り気じゃないようですが姫様達の為になるならばです。まずはメイド長に相談からですかね、忙しくなります。





 ここは自由騎士団のアジト、嘗て異国より来た一人の武士がこの地で英雄的活躍をしたときに出来たと言われる組織である。その一室では、一通りの報告を終えた3モブとお頭がいた。

「3人共ご苦労だったね、しばらくは何もないと思うからゆっくりしときな」


「了解でござる」

「それならユウヒ殿の所に行くか」

「あ、そうか触媒」


「何の話だい?」

 3モブはユウヒに頼んだ忍術の触媒についての話をした。


「ふーんそれじゃ何かい?ユウヒってのはその触媒も作れるのかい?」


「うーん、概要は伝えたでござるが」

「ユウヒ殿は作れるか試してみると言ってたな」

「できた物を使って我らが忍術を使えれば作れることになるか?」


「・・・見たことも無い物を早々作れるものかねェ?」

 お頭が言うことはもっともであるがユウヒの合成魔法なら不可能ではない、しかし3モブもお頭もその事実を知らないのではそう考えるのも仕方ないだろう。


「まぁいいよ行ってきても・・その代り使えるようになったら見せてくれよ?本場の忍術をさ」


「任せるでござる!・・まずは透視の術を!」

「あいやそれなら水遁の術でびしょ濡れに!」

「いやいやそこは風遁の術でチラリズムを!」


「・・・余計なことしたら・・・もぐよ・・」

 思い思いに自らの性癖に術を使おうと妄想する三人に御頭は、底冷えするような笑顔を向ける、その手は何かを捻じ切るように動く、


「「「ナ、ナニヲモグノデショウカ・・」」」


「さぁ・・ナニだろぉねぇ?うふふふふ」


「「「ひぃぃ」」」ガクガクブルブル!!

 その日帰ってきた3モブは部屋にこもったまま出てこなかったらしい、後日どうしたのかと心配してくれた団員に3モブは、鬼を見たと言っていたらしいがその会話の直後何かから必死に逃げる3モブが見かけられたのはまた別の話である。



 いかがでしたか?なんだかダラダラとした感じになってないか不安ですが。


 そういえば最近ここ意外で『ワールズダスト』の感想があるのを知りました。まぁ中々酷評だったのですがwそう言った感想も私の身になると思うのでとてもありがたい限りです。


 ただ後書きが長いと言う感想もあり、あぁやっぱりかぁと言ったこともありました。なのでこれからは少し短めに書ける工夫を考えたいと思います。まぁ結局長くなってしまいましたが(´・ω・`)それではまた次回お会いしましょう。さようなら。

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