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ワールズダスト  作者: Hekuto


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第二十二話 王城散策と広まる噂

 どうもHekutoです。


 二十二話完成しました。ユニークも少しずつ増えてきたハスハスしてしまう今日この頃・・面白いアニメも増えてきて仕事も忙しく・・すすまねぇっす・・エヘ?

 それでは、二十二話『王城散策と広まる噂』はじまります。

『王城散策と広まる噂』



 行政区を抜け目の前に見えたのは大きな門と左右にある小さめの門、それらの門には女性と男性それから大きな門には様々な種族のレリーフで飾られていた。

「大きいなぁとりあえず門まで着いたけど・・入れるかな?」


 行政区を通り抜けお城の正門?に到着したのはいいが、入れてくれるかちょっと不安である。しかしここでうろうろしていたら余計に不審者みたいなので、意を決して門へと歩を進めた。


「あのう?」


「ん?は!これはユウヒ殿お勤めご苦労様です!入城しますか?」


「はぅ!はい入りたいです!・・なんで俺の名前知ってんの?」

 俺の顔を見た瞬間ビシッ!と音が出そうな勢いで敬礼をし丁寧に接してくる門番兵?の男性、思わずびっくりして変な返答をしてしまう。


「は!朝の練兵所で行われた魔法演習を拝見させていただきました!自分はあれほど魔法で感動したのは初めてです。その際にお名前を覚えさせていただきました!」


「あ、そうなんですか・・えっと入りますね?」


「どうぞ!」

 大きな声で説明してくれた男性兵士はそう言うと体をずらし敬礼してくる、その横を通り城の中へ歩いて行ったのだが彼からのキラキラした視線とさっきの説明の内容に苦笑いと妙な居心地の悪さに早歩きで門をくぐった。


「ふぅ、やれやれ何か朝の事が妙な噂になっている気がする。ダイジョウブダヨネ?」

 嫌な未来を想像してしまうも、まぁ無事城に入れたのだし良いことかと思い直した。しかしそこで俺はあることに気が付いたのだった。


「入れたはいいが、この城広いんだよなぁ道覚えてないけど元の部屋まで戻れるのか俺?・・まぁ何とかなるかな?」

 そんなわけで何時までも突っ立ってたってしょうがないので、俺は自分の部屋を探しブラブラ散歩しながら散策を続ける事にしたのだった。





「おねえちゃん・・ユウヒはまだ帰ってこないの?」


「そうね、まだ報せは来てないわ」

 あら?初めまして。グノー王国第一王女のティーラ・グノーと申します。今のは妹のルルイアです。


「・・・お話ししたいのに・・」

 ユウヒさんは朝の魔法演習のあと文字通り姿を消してしまわれました。アルディスが言うには冒険者ギルドに行ったのだそうです、冒険者方も暇じゃないでしょうからしょうがないですよね。でもルルイアは我慢が出来そうにないみたいですね・・珍しいことです普段はとても聞き分けの良い子なのですが。


「ルルイア?気持ちはわかるけどあまり「コンコン」あら?・・どうぞ」


「失礼します。ティーラ様ユウヒ様が戻られたそうです」


「ほんと!?」

 ルルイアを落ち着かせようとしていると誰か来たようなので入室してもらうと、メイドがユウヒさんのお帰りを知らせに来たようだ。その言葉にルルイアは即座に反応する、ルルイアがこれほどあって間もない人に関心を持つのは珍しいことです。


「はい、ただそのままお一人で歩いて行かれたようで今どこにいるかは・・」


「まぁ!流石に案内が居ないと迷いますわね・・ルルイア、お姉ちゃんと探しに行く?」


「うん!」

 広い城内の中を昨日来たばかりのユウヒさんがまともに部屋にたどり着くのは流石に難しいでしょうね、ルルイアもこれ以上は待ちきれないでしょうし。


「ティーラ様そんな我々が!?」


「ルルイアが待ちきれないみたいだから・・一緒に探してくれるかしら?」


「はい、承知しました幾人か連れて探しましょう・・テラスにお連れすればよろしいでしょうか?」


「えぇお願い」

 私がそう言うとメイドは失礼しますと言い退室した。


「さぁ行きましょう」

 待ちきれなさそうなルルイアの手を握り私たちも部屋を出て行ったのだった。たぶん私も彼と話すのを楽しみにしているのかもしれない・・・珍しいのは私もなのでしょうね。


「ふふふ」


「ん?どうしたの?」


「ふふ、なんでもないわ」

 不思議な感覚に自然と笑みがこぼれてしまう私に気がつき、不思議そうに頭を傾げるルルイアと手をつなぎ城内を散策するのだった。





 なんだ?・・妙に視線を感じるな?でもまあ探知の魔法に敵対的な反応は無いから大丈夫だと思うけど。


「しっかし広いなぁ道なんて覚えてないし・・最終手段は空から行くしかないな・・結局空からなのかね・・」

 時折すれ違う兵士の人はビシッ!と敬礼してくるし文官ぽい人はものすごく丁寧に頭を下げてくる、さらにメイドさんは頭を下げると慌てて走ってっちゃうし女性の騎士の人は敬礼をした後妙に視線を向けてくる・・なぜだ。


「てかメイドさんに道聞けばよかったじゃん・・・お?そこのメイドさんちょっといいですか?」

 そんなことを思いつくと丁度メイドさんを発見する、そのメイドさんは白を基調にしたエプロンドレスっぽいメイド服に白いふわっとした帽子を被っていた。


「え?・・!?!ゆ ゆ ゆ、ユウヒ様!?あの!?その!?昨日は、ありがとうございました!あうあのえっと・・失礼します!!」

 ・・・解せぬ、昨日?何のことだ?もう何が何だかわからないよ・・って道聞けなかったがな。こうしてまた俺の部屋探しの散歩は続くのだった。





 こんにちは、わたしの名前はルルイア・グノーです。今はお姉ちゃんと一緒にユウヒを探しています。

「居ないわね?どこに向かわれたか分かればいいのでしょうけど」


「・・・お姉ちゃんあそこの騎士さん」

 なかなかユウヒさんは見つかりません、周りを探していると何かかんがえごとをしている騎士のおねえさんがいました。なんだか少しあやしいです。


「そうね、みんなに聞いて行けばいいのよね」


「そこのあなた!少し聞きたいことがあるのだけど」


「はい?これはティーラ様にルルイア様どうされましたか?」


「今ユウヒさんを探してるのだけれど、どこかで見なかったかしら?」

 なるほど、わからなければ分かる人に聞けばいいのですね・・お姉ちゃんはとても頭がいいです。


「は!ユウヒ殿でしたらだいぶ前に正門近くの東通路でお見かけしました」


「そうなの、ありがとう」


「は!勿体なきお言葉・・あの私からも教えていただきたいことが」

 すごい、ユウヒがどこに居たかすぐにわかった。でも騎士のおねえさんも何か分からないことがあるみたい。


「?何かしら」


「お二人はユウヒ殿とお話とかされたのですよね?どんな方なのでしょうか」


 ユウヒのことをしりたいみたい、親切には親切でかえしなさいとお母さまも言っていたので昨日のことをおしえてあげることにした。あの時ユウヒが守ってくれたから今私はそれほど昨日の恐怖はのこっていないの。

「・・ユウヒはやさしくてあたたかくて大きかったよ抱きしめられてた時はとてもあんしんできた」


「あた・・おおき・・だき・・//////あ、ありがとうございました!私はこれで失礼します!」


「「????」」

 私がおしえてあげたら騎士のおねえさんは顔を真っ赤にしてお礼を言ってはしっていってしまった・・風邪かな?おだいじにと心の中で心配しておいた。


「昨日の襲撃の時の事ね・・そぅ、だから今日は落ち着いていたのね、お姉ちゃん少し心配だったのよ?あんなもの見て不安になってないか」


「もの???・・大きかったよ?」


「え?」


「ん?」

 ん?あんなものって今日のお風呂のときのじゃないの?





とある女性騎士B

 びっくりして逃げてきてしまった。私は先輩騎士に頼まれてユウヒと言う冒険者について調べていたのだけど、そこで偶然ティーラ様とルルイア様にお会いし情報交換をしたのです。


「なんと言うことだ、すでにユウヒ殿は王族の方とそれほど深い関係に・・しかしあり得るのか?うぅ・・でもルルイア様の言動にティーラ様は驚いてなかったし・・まさかティーラ様も!?」


 最近の王族は進んでるのだろうか?確かに少しすれ違っただけだが、あの動き普通に歩いても重心のズレが無かった。さらに私がしばらく隠れて見ていたのにも気づいていたようだ・・只者じゃない・・やはり騎士と言っても私も女、できれば強い男に守られたいと言う思いは・・は!?私はいったい何を!?


「うぅ先輩のせいで私までおかしくなってしまいそうだ・・」

 一度部屋に戻って頭を冷やそうそうしよう・・。





 少し時間は遡り、英雄に憧れる若い兵士G

 すげー俺勇者ユウヒに敬礼して微笑まれた!今日は良い夢見れそだー。え?どうしたって?今日自由騎士団の忍者さんに聞いたんだよ。


「はぁ・・すごい魔法だなぁあの人はいったい何者なんだ?」

「知りたいか?」サッ!

「え?」

「ならば教えて進ぜよう」シュタ!

「え!?」

「そう彼はかつてモブ忍者が束でかかっても倒すことのできなかった強大な敵を」フッ!

「「たった一人で倒した勇者ユウヒだ!」」

「え?え?ええぇぇぇぇ!?」


「てことがあったんですよ!・・・そうだ今の事を他の奴にも自慢してこないと!それじゃ文官さん失礼します」

 兵士の男は目の前の文官の男性に敬礼をすると急いで走り去っていった。


「モーブの英雄勇者ユウヒですか・・・」



 少し時間が進み、文官の男L

「ふむ、あの方がユウヒ殿か少しすれ違っただけだが…強い冒険者の様には感じなかったな」

 兵士の話が気になった為ユウヒ殿をまじかで見てみたが特に何も感じなかったが?やはり戦いに身を置くもの特有の何かがあるのだろうか。


「魔法演習があった時に私も見て置くべきだったか・・ん?あれは」

 王城内にはあちこちに休憩の為のベンチが配置してあるのだがその一つに座っていると、何やら考え事をしながら歩いている騎士の独り言が聞えてきた。


「なん・・・ことだ・・・・・ユウヒ殿は王族・・と・・・深い関係・・・・・・・得る・・か?・・・・・・ルルイア様・・・にティーラ様・・・・なか・・し・・・・かティーラ様も!?」

 全部は聞えないが・・聞えた部分から推測するに。


「ユウヒ殿と王女二人は陛下公認の仲と言う事か?なか・・仲良し?うぅむ?二人で分け合うと?・・まさか!重婚!?・・・いや結論はまだ早いあの騎士殿にくわし・・あれ?いない・・気になるな」


 これは一大事やも知れぬ、そしてひどくデリケートな話かもしれぬぅ・・秘密裏に調べ・・いやまずはユウヒ殿がどんな人物なのか文官団で調べる所からだな。王よ我らはどこまでもあなたの味方です!・・さて皆に協力してもらわねば。





「へっくしょん!・・うぅ何だろう・・妙な噂の気配を感じる」

 今俺が居るのは王城内のどこかにある庭で、そこは綺麗に整理された植栽が生い茂り美しい場所である。しかし先ほどから妙にくしゃみが出る、噂だと思うがもしかしたら異世界の風邪か花粉症かもしれない。


「と言ってもこの辺は花咲いてないんだな?まぁ緑も綺麗だけどね」


「ほっほそれはうれしいことをいってくださる」

 俺がぼーっと庭の綺麗な緑のコントラストで目の保養をしていると後ろから誰かに話しかけられた。


「ほえ?えーっと庭師さんですか?どうも冒険者のユウヒです」


「これはご丁寧に私はここでガーデナーをやらせてもらっておりますバトと申しますじゃ」

 バトと言うお爺さんは茶色い作業用と言った感じの服に植栽用だろう、木製のバケツにスコップやハサミなどを入れて持っていてどこから見ても庭師と言った感じである。


「こちらこそご丁寧にどうも・・ここはお一人で?」


「そうですな、偶に若いのが手伝いに来ますが基本的にわたしだけですじゃ…ここにある草木はちょと癖がありましてな」


「ふむ?…くせね~」

 俺は少し気になったので周りの草木を調べることにした。


【マナベリージュ】

 常緑低木で花と果実を付ける。

 高さ1m~1.5mで球状に育ち空気中の魔素を取り込み果実に蓄える性質がある。花や果実に季節は関係なく魔素の溜まり具合で花が咲きそして実になる。しかし清浄な場所でないとうまく育たず人工的に栽培するのは根気が必要。

 果実には密度の高い魔力があり魔具や魔法薬などの材料として高値で取引される。


 ほうほう確かに癖があるのか?ちなみに魔素とは、魔力素とも呼ばれ様々な属性の魔力の元になる力でこの世界では純粋な魔力だと考えられているようだ、実際のところは世界が汚れた魔力などを浄化してできた何の付加もされてない魔力なのでほぼ当たっている。


【ヒメハマヒラ】

 常緑低木で花は咲かないが真っ黒な実を付ける。

 高さ1m~2mで縦に長く育ち空気中の瘴気などを取り込み実に貯める為、空気中の浄化作用がある。しかし病気には弱い為寒い地域などでしか育たず人工栽培は難しい。

 葉には呪いや魔毒に対する抵抗力があり色々な用途で重宝される、実は長い期間をかけて溜まった瘴気などを浄化し熟すと非常に高い解毒効果があるが非常に不味い。


 瘴気とは、有害な物質や毒性を持った浮遊魔力などでどんな場所にも空気中に微量にある。これが何らかの要因で高濃度になると感染症や昨日の魔力毒などの効果を及ぼす。


 なるほど、他の植物も人工栽培は難しいか根気がいるかのどちらかのようだそれをここまで育ててることはすごいことだろう。

「しかし・・これは互いに長所で短所を補いあっているのか」


「む、ユウヒ殿はどうやら博識のようですなそうですじゃこの子達は互いに支えあっていますのじゃほっほっほ」

 そう、ここに生えてる植物は自分の長所で他の植物の短所を補っているのだ。たとえば病気の弱い木の近くには病気抵抗を付ける草花が、綺麗な空気じゃないと育たない木の周りに空気をきれいにする木が、魔素に弱い木の近くに魔素を吸収する木が。


「面白いですね・・しかもどれも高価な価値のある物ばかりですか」


「ふむ、素晴らしい知識ですな」


「えっと、まぁ偶然ですよははは」

 知識じゃなくチートなのであまり誇れる気がしないが、まぁこれから学んでいけばいんだよね?と自分を誤魔化すことにした。


「そうですかの?ふむ・・」


「えーっとそれじゃ俺はこの辺で失礼します」


「おお引き留めてすまなかったの・・またいつでも来なさい歓迎しよう」

 更に突っ込まれそうでなんだか居心地が悪くなった俺は、そう言ってその場を足早に去ったのであった。





「ふむ、偶然か・・ま嘘じゃろうのぅしかしユウヒ殿か何者じゃろうかあの魔法も先の知識も生半可なものじゃないの」

 わしがその正体に頭を悩めていると遠くでわしを呼ぶ声がしてきた。


「バトー様―どこですか~?バトーさ、あ!居ました!探したんですよ?」

 ふむ、自己紹介?しょうがないのワシの名はバトー・M・トリティオと言う魔術師じゃ・・まぁ魔術師の前に王宮と後ろに顧問とつくらしいがの・・所詮肩書きじゃな。


「どうしたのかの?そんなに大声で呼んだりして」


「あ、はいメリエラ様が相談したい件があるとかで探してまして」


「ふむ・・まさかユウヒ殿関連かの・・」

 どうやら王宮魔術師長のメリエラが相談事らしいが、ユウヒ殿の事の可能性が高いかの。


「さぁ?私は何も、あ!でもユウヒさんて方すごかったですよね!あんな魔法私も使えるようになりたいなぁ」


「お主にはあの魔法をあのまま使うことは難しいの、属性云々の前に魔力が足りんて」

 この娘は魔法の才能が高い為、まだ若いが王宮魔術師としての修業を受けておるのじゃが魔力ばかりは成長段階じゃからあまり多くは無い。しかしあんな遠くからここまで走ってきた姿を見るに前衛職でもやれそうな気がするのぅ。


「ですよねー・・何か小魔力で使える魔法おしえてくれないかなぁ?でも地属性は適性低いしなぁ」


「まぁ精進することじゃの・・さてメリエラの所に行くかの」


「あ!待ってください私もご一緒します!」

 若い者は元気があっていいものじゃ、しかしユウヒ殿もまだ若い方であろうに随分と落ち着いた方じゃったの。

 どうでしたか?


 ユウヒを取り巻く環境のカオス具合をうまく伝えられていたらいいのですが・・

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